02 ヒナちゃんの気持ち
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芸能界に入ってからというもの、
ちいはめっきり忙しくなった。
デビューしたての新人がいきなり
ドラマのヒロインをやるなんて、
マスコミにとっては格好のネタ。
連日テレビに記者会見にって
忙しくやってるみたいや。
おかげでうちの錦戸さんは、
すっかりやつれてもーて…
今日もほら、レギュラー番組の収録で
∞の楽屋ん中なんやけど、
一人えっらいテンション低い人が…
安[あっははは、あっはっはっは…っ
ちょ、丸それいい!めっちゃおもろい!
なあ大倉ぁ!(笑)]
忠[…ん”~、やっさん…うるさい!!]ゲシッ
安[いったあ!ちょ、大倉いったあ!!
も~亮~大倉低血圧~(泣)]
錦[………]
安[…亮?]
錦[…っ、ああ、ごめんヤス、なに?(笑)]
横[(…え、どっくんどーしたん?!
なんであんなうざいver.のヤスに笑顔なん?!?!)]
安[(…っ!ひどい横ちょっ!!泣)]
昴[(うっさいヤス!怒
たしかに…なんかあったんか?)]
『…亮、疲れとるんちゃうか?
ちゃんと寝てんの?』
錦[村上くん…最近、なんか寝れへんねん…]
『ちいとは、会ってんの?』
錦[………っ]
うつむいて、少し自嘲気味に笑いながら、
亮は首を横に振った。
そらそやわな…
俺はちいの出るドラマにちょっと出てるから
まだ現場で会ったりもしてるけど、
ちいもちいで体力的にも
精神的にもしんどそうや、
なるたけあいつも出さんように
笑ってるけどな…
なんか痩せた気ぃするし、
ちゃんと食べてんのかも心配や。
プラス、亮に会えてへんってゆーんも
あいつにはかなり効いてんのやろな、
ちょっとさすがに見てられんわ。
なんとかしてやらな…
『亮、お前今日、時間あるか?』
錦[…え?]
こいつらがしっかりくっついといてくれやな、
俺も困るからな…
俺はちいの出るドラマの現場に
亮を連れてった。
亮は最初、[迷惑なるから、ええ。]
ゆーとったんやけど、
『ちいもお前に会えてへんくてまいってるんや』って
教えたったら、目の色変えて引っ付いてきた(笑)
ほんっま、げんきんなやっちゃで。
ー現場ー
スタジオに着くと、ちょうどちいの出番やった。
今回のは学園物のラブコメ。
まあ…言い方悪いけど、よくあるアレや(笑)
亮としばらく様子を見ていると、
監督のカットがかかってちいがこっちのほうへ来た。
『ちい!』
「…あ、ヒナちゃん!おはよ~
って、え…? 亮…?!」
錦[…おっす。]
「…っ」
ちいは、飛びつきたいのを必死で我慢してるようやった。
そらそーや。この二人が
付き合ってるのがばれたらシャレにならん。
表に出さんようにしとるんやろーけど、
ちい、顔おもいっきりゆるんでんで。
亮も亮で、やっと顔に生気が戻った。
ほんま、世話のかかるカップルや。
やっぱり、この二人にはお互いが必要で、
俺のこの気持ちは、
このまま伏せとかなあかんもんやねん。
ま、もともと横恋慕やしな(笑)
大丈夫、ちいが笑ってくれるなら、
今はもう、それだけで…
そんな二人を眺めてたら、
不意に、今回のドラマの主要キャスト、
ちいの相手役の役者が近づいてくんのが見えた。
≪ちいちゃんっ≫ギュッ
「っきゃ!」
っと思ったら!
なんや、ちいに抱き着いてきよったで!
そんな仲ええ感じなんか?!
いやいや、明らかに亮の機嫌が悪なってるからっ(汗)
≪あ、村上さん、おはようございます!
と、錦戸さん?なんでいるんすか?≫
錦[…や、(汗)]
『俺が連れてきたんや!
近くで仕事しとったから、見にけーへんかーって、なあ?』
錦[お、おん。]
≪ふ~ん、そーなんだ。
まあ、ゆっくりしてってくださいよ!
じゃあ、ちいちゃんは俺と行こう?≫
「えっ?!
や、あたしヒナちゃんと…っきゃあっ」
≪錦戸さんと話してるのに、邪魔しちゃ悪いじゃんっ
俺の楽屋でセリフ合わせしよ?≫
そういうと、そいつはちいの腕ひっぱって
楽屋のほういってもーた(汗)
うわうわうわ…
どーすんねん、俺。
『…りょ、』
錦[っなぁ、…俺、帰るわ…]
『…おつかれさまです。』ペコ
…しゃーない。
あいつのせいや。
俺は悪ない。うん。
てかちい、新人やのにけっこう
キャストの方とかともなじんでんねんなあ…
まあ、亮帰ってもーて
暇なってもーたし、俺もいったん楽屋戻るか…
ー廊下ー
…ん?
ここって…ああ!
あいつの楽屋か!…名前出てこん…
ほら、ちいの相手役の…あいつや、あいつ。
じゃあ、さっきあいつに連れてかれてたし、
ちいもここにおんのかな?
…
や、別に、怪しいやつとか、そんなんじゃないで?
ただ、さ。あれやん、
いつの間に仲良なったんかな~
とかさ、
あの年代の子ぉらはどんな話するんやろか~
とかさ、気になるやん。
って、俺はじじいかっ! まあ、そういうことや。
そういうことやねんから、
なあ、通りすがりのおばちゃんよ、
俺をそんな変態を見る目で見るのはやめてくれ…(汗)
どれどれ…
≪…なあ、ちいってさ、彼氏いるの?≫
おいおい、もう呼び捨てする仲になったんか
「っぇえ?!…い、いいいませんよぉっ…?!」
…ちい(汗)
≪っはは、わっかりやす…(笑)≫
「っちょ、本当にいませんからね?!?!(照)」
≪わかった、そういうことにしておこうかな(笑)
ま、本当はそんなこと関係ないんだけどね…≫
「もうっからかって…
そうですよ、関係な…っきゃ?!」
ードサッ
…え?
なに、今の音?!
なんか、やばないか…
「っちょ…、やめ…っんん…はぁっ」
≪…かわいい…ちい…≫
…あかんあかんあかーーーーん!!!
ーバンッ!
「…っヒ、ナちゃ…っ?!(泣)」
≪っちょ、人の楽屋に…っ≫
慌ててドア開けたら、案の定。
押し倒されて半泣きなってるちいと、
ちいの上にまたがって押さえつけてるそいつ。
俺は頭に血が上った…
『っお前!なにしてんねやぁ!!(怒)』
胸ぐらつかんで、殴りかかろうとしたまさに瞬間、
ちいの腕が俺の腰あたりに巻き付いて、
勢いを止められた。
『…っ、離せちい!こいつ…っ』
「っだめだよ!!
違うの…いいの…っ」
…は?
俺は、ちいの言ってることが理解できなくて、
そいつをつかんでた腕を振り払った。
≪…っは、なんなんですか?
俺ら、ただセリフ合わせてただけなんですけど…≫
『うそつけやっ!聞いとったんやぞ!
…こいつのこと襲ってたんちゃうんか!!』
≪ちいぉ!!
この頭おかしいやつ、黙らせろよ…≫
『…おいこらガキ、お前ちょーしのるんもたいがいに…っ』
「っヒナちゃん!!
あたしたち忙しいの、
お願い…邪魔しないで…っ」
なんやねん…なんやねんなんやねん…っ
なんでそいつかばうねんっ
明らかにセリフ合わせなんかじゃなかったやろ?
どーしてもーたんや…ちい…っ