19 まもりたい
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「………ん…」
錦[…起きた?
おはよ。(笑)]
そういって、鼻先をかすめる愛しい人の唇。
「…おはよう(照)」
ちょっと恥ずかしいけど、
お返しにほっぺたにキスをする。
錦[どう?
体…辛くない?]
「ん、へーき。(照)」
ついこの前までがウソみたいに、
幸せな朝。
大好きな亮のベッドで、
亮のにおいに包まれて、
この瞬間が、一番好き。
「…夢かと思った(笑)」
そう、
また、こうして亮の腕の中に戻れるなんて、
夢でも幸せ…
錦[…これでも、まだ夢やと思う?(妖笑)]
そういって亮は、
あたしの唇に自分のを重ねる。
ああ、夢じゃない。
たったこれだけで、
あたしの心を満たしていくのは、
今までも、
きっとこれからも、
あなただけ…
「…ふふっ(照)」
錦[…なに笑ってんねん(照)]
そういった亮だって、
顔緩んでるくせに(笑)
幸せに浸ってるのも束の間。
緩い空気を引き裂くように、
ほぼ同時に鳴りだした
あたしと亮の携帯。
二人のディスプレイには共通の
「“マネージャー”?」
錦[……。]
あたしは頭にはてなが浮かんでたけど、
亮は何か知ってるみたいに押し黙った。
あたしが出ようと手に取ると、
亮の手が重なって、それを止められた。
思わず顔を見上げると、
錦[……俺が。]
そう、ひとこと言って、
亮は自分の着信を切り、
静かにあたしの携帯の通話ボタンを押した。
次の瞬間、
【っちい?!?!
いまどこにいるの?!?!
しゅ、週刊誌…
っ大変なことになってるわよ!!!!!!!】
「っ?!(汗)」
受話器に耳を当てなくても十分なほど
甲高く響いたその声は、
ただただあたしの中を混乱させるだけだった。
錦[…ちいのマネージャーさんですね。
初めまして、錦戸です。
…ええ、…はい、
状況は理解してます。
……はい、……はい。
………それでは。]
戸惑うあたしとは裏腹に、
亮は冷静に話をつけて、
電話を閉じた。
「…え、亮?
マネージャーさん、なんて…
週刊誌って…なに?(汗)」
なにがなんだかわからなくて、
必死に詰め寄るあたしを
亮は優しく抱き寄せて、耳元で言った。
錦[…ちい?
落ち着いて聞いてほしい。]
それからようやく、
あたしは亮と隼人さんの間に交わされた
約束のすべてを知った。
それが
どれほど多くの犠牲を伴うかも…
亮は、
[ちいはなんも心配せんでええから]
って言って、
あたしにもう一度キスを落とすと、
[話つけてくる。]
と、事務所に向かった。
あたしは今、
亮の家で一人ベットにうずくまっている。
「これから、どうなっちゃうんだろう…」
不安と、嫌な予感ばかりが胸をさらう。
もとはと言えば、
あたしがよく考えもしないで
この世界に飛び込んだせいで、
みんなが迷惑してるんだ…
後悔と自責の念に
押しつぶされそうになってるところに、
また、着信が鳴り響いた。
億劫に思いながらもディスプレイを見ると、
瞬間、通話ボタンを押した。
「っヒナちゃん?!」
『ちいか?
お前、週刊誌、見たか?』
「…記事は見てないけど、
亮から事情聴いたよ。
さっき、マネージャーさんから電話があって、
亮が、話つけに行ってくるって…」
『あ、亮とはもう大丈夫なんか(笑)』
「そ、そうなの!
ごめん、あたし、報告もせずに…(汗)」
『ああ、かまへんかまへん!
それより、たぶん、亮もゆーたと思うけど、
記事のことは、ほんま心配せんでええからな!』
「…ん、亮にも言われたよ。」
『とにかく!
俺らもみんなできる限り動いて何とかするから!
お前はいつも通り…』
「っやめてよ!!!」
『…ちい?』
本当は、さっき亮に言われた時も、
さみしかった。
優しさだってわかってる。
あたしのこと、大事にしてくれてるんだって、
守ってくれてるんだって、
わかってるけど…
「…あたしだって、亮のこと、
みんなのこと守りたいんだよ…?」
『ちい…』
あたしにも、
やらなきゃいけないことくらいわかってるよ。
そのやり方も…、もう…。
『でも、お前どうする…っ』
「あたしっ、
もう一度、隼人さんに会ってくる。」
『っ?!?!?』
そう、あたしが撒いた種なんだから、
あたしが片をつけないといけない。
『…怖ないんか?
あいつと、会うの…
亮かってっ』
「っ亮には!
何も言わないで、お願い…っ」
怖いよ?
今から、足がすくんじゃうし、
あの人の前に立ったら、
きっと震えだって止まらない…
でも…
「…あたしが、守るから。」
『っちさ、』
ーッピ。
それだけ言って、電話を切った。
これ以上、
ヒナちゃんに守ってもらうわけにはいかない。
ごめんね。
でも、信じて…
≪…びっくりしたな~
まさか君から連絡くれるなんて。
…ねぇ、ちい?(妖笑)≫
「…今日は、
お願いがあってきたんです。
隼人さん…。」
亮、必ず守るから…