17 真実は…
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どれくらい、こうしてるんやろう…
外はすっかり明るくなって、
ちいはきっと
村上くんが連れて帰った。
ちい…
あんな形やったけど、
最後にお前を抱けたこと、
俺はやっぱりうれしいと思ってしまう。
これから俺は、
きっと一生、
誰を抱くときも、あの顔を、
声を、体を…思い浮かべるんやろう。
さよなら…大好きな人。
きっと一生、
大切な人…
錦[…さよなら、
ちい…]
明け方まで泣き腫らして、
何事もないかのようにテレビ局に向かう。
こんなことにはとっくに慣れた。
今日は∞で雑誌の取材。
ってゆーても、
時間の関係でヤスと俺だけ。
控室に行くと、見慣れない後姿があった。
錦[…おはようございます。]
スタッフかと思って、一応あいさつした。
≪あ、錦戸さんっ
待ってたよ~~(笑)≫
そういって薄ら笑いを浮かべる…
……隼人
錦[………お、前…っ]
≪ストーーーーップ!
怒らない怒らない♪
喧嘩しに来たんじゃないからさあ(笑)≫
そういって、
思いっきり睨み付ける俺の肩に手を置いた。
錦[触んな。
…出てけや。]
そう吐き捨てると、
隼人はさらに俺の首に手をまわして
今度は耳元で
挑発するように囁く。
≪…ちいって、
いい体してんね。(妖笑)≫
その言葉に、
俺の中の何かが切れて、
隼人に向かって拳を振り上げた瞬間、
ーッガ!!
安[亮、落ち着き。]
いつの間に来てたんか、
ヤスが俺の腕を取った。
≪あれ?章ちゃんじゃん!
ひっさしぶり~♪≫
そういってヤスに絡んでいく隼人。
安[…うざい。
なんなん?要件言え。]
…え、なんでブラック安?(汗)
隼人もちょっとびっくりしてる…
≪っちぇ、
章ちゃんまで怒ってんの?
あーあ。別に、
もー飽きたしあのおもちゃあげよっか?って
錦戸さんに言いに来ただけ~。≫
ふてぶてしくそう吐き捨てた隼人。
錦[………おもちゃ?]
≪だぁからぁ、ちい!
あいつ、もーいいや。
てゆーか、天下の俺が言い寄っても落ちないから
ちょっと面白いなーと思って遊んだだけだし、
いつまでたっても錦戸さんのことしか頭にないし、
交際宣言なんかしちゃった手前遊べもしないし最悪!
もーいらないから、あげる!≫
安[…お前…っ]
ヤスが隼人に掴み掛る。
…ちょっと待て、
“俺が言い寄った”って何?
“錦戸さんのことしか頭にない”って、
どうゆうことや?
≪なに、章ちゃん(笑)
っつーかさあ、
ふつうこの俺が言い寄ったら
女ならだれでも即脚開くじゃん?
なのになっかなか開かないから
つい意地んなっちゃって
…薬とか使っちゃったよ(笑)
さすがにようやく脚開いたけどっ
ずーっと泣いてばっかで辛気臭いし、
錦戸さん、あんな女のどこが…っ≫
ーッガ!
安[っ亮!!(汗)]
気が付くと、
俺は隼人を殴り飛ばしてた。
≪…言っとくけど、
あげる代わりに条件あんだよ?(妖笑)≫
錦[………。]
≪お前らのこと、週刊誌に売るから。(妖笑)
俺、そっち関係にコネあんだよね。
それでもいいなら?
あのバカ女くれてやる…っ≫
ーッドカ!
安[っ亮って、やめろ!!(汗)]
ヤスに止められたけど、
俺は止まらんかった。
錦[っ離せヤス!!!
こいつちいになにしたと…っ]
安[こんなとこ誰かに見られたら
それこそお前どーなんねん!!!]
≪…さすが章ちゃん、
そこの馬鹿と違って賢いんだね…(笑)≫
っこいつ…!
危なかった。
ここで俺が下手なことしたら
それこそこいつの、っ、
…でもっ
≪で?
どーすんの錦戸さ、≫
錦[ちいにもう手ぇ出すな。]
≪…じゃ、いいわけ?≫
錦[他のもんやったら何でもやる。
…もう、ちいに近づくな。]
怒りを最大限に抑えて言った。
≪…そ。
じゃ、俺はこれで。
あ、章ちゃん!
また飲みいこーね?(笑)≫
安[………。]
≪…じゃーね。≫
そう言い残して、隼人は帰っていった。
とたん、体中の力が抜けて、
その場に座り込む。
安[っ亮?!]
びっくりしたヤスが抱き起してくれる。
錦[…ヤス、俺…っ
ちいになんてことしたんやろう…っ(汗)]
頭がパニくって、
俺は涙目でヤスにすがりついた。
安[…亮、落ち着いて聞いてな?
俺ら、みんな知っとったんよ…]
錦[え?]
ヤスの言葉は、
信じられんことだらけやった。
あの、俺らが完全に別れた日の夜、
村上くん家にみんな集まって、
ちいから相談受けてた村上くんから
メンバーみんなが真実を聞いてたこと。
そしてその真実。
それは、
俺が今までどれだけおろかにも
ちい傷つけてきてたんかを
打ちのめされるほど思い知らされるもんやった。
受け止めきれない現実が、
涙となって流れ落ちた。
安[…ここは、俺が何とかしとく。]
ヤスのその言葉を合図に、
俺の足はちいに向かって走り出した。
俺は、
なんにも代えられん、
この世で一番大事な女を、
俺自身の手でどれだけ傷つけてたんやろう…
そう思うと、
流れる涙は止まることを覚えんかった。
早くちいに会いたい。
つい昨日も、ぼろぼろに傷つけたその体を、
今度こそ優しく、抱きしめたい。
俺のすべてで、癒したい。
もう、なにからも傷つけたくなかった。
“守りたい”
そんなありふれた言葉さえ意味を帯びる。
待っててな、ちい。
今行くから…っ