13 君の面影を探して
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最近、亮の様子がおかしい。
その目には相変わらず、
一切の光も感じられず、
俺の頭からは、嫌な予感が消えてくれない。
そんな時、社長に呼ばれた。
ジャニー[…村上、
錦戸のことなんだけど。]
なんや?
社長は、ちいのことも知らんはずやろ?
ジャニー[あいつまた…
悪いクセが、出てきたみたいだね?]
『…は?!』
亮…まさか、
ジャニー[…なんだ、youも知らなかったの?
でも、事実だよ。
写真も何枚か押さえてる。
不思議なのは、錦戸に隠す様子が
感じられないとこなんだよね~…
あぁ、これなんか、
カメラに気付いちゃってると思うんだけど…]
そう言って見せられた、
無数の写真…
亮、なんでや…っ
ジャニー[…まあ、youも知らなかったんならさ、
これから錦戸にちょっと
注意するように言ってやってくれない?
あいつ、僕の言うことなんて聞かないでしょ?(笑)]
『…ご迷惑、おかけしました。
錦戸のことは、きっちりグループ内で片つけます。』
そういって、俺は事務所を出た。
そしてすぐ、メールでメンバーに緊急招集をかけた。
ー数分後
『みんなごめんなあ!休やゆーのに(苦笑)』
横[なんやねんヒナ~
休みの真昼間に男ばっかり…]
昴[そーやそーや!
むさ苦しいぞ!!]
忠[…zzz]
丸[大倉寝てもーてるし!]
安[あと誰~?亮?]
しばらくして、亮も来た。
錦[…なんや、みんな招集されてんや。]
『…そろったところで、いきなり本題やけど、
亮。お前、
俺に呼ばれんの心当たりあるよな?』
俺がそういうと、みんながいっせいに亮を見て、
亮は亮で、顔色一つ変えず、
俺の方をただ見つめる。
錦[…なんやねん、みんなして。
なんもないわ。]
あれ以来、亮は少しメンバーにも当たりがきつくなって、
そのとげとげしさは、
あの悪夢の日々を連想させる…
みんな事情が事情やから
何も言えずにいるけど…
『…っは、なんやねん、機嫌悪いのぉ。』
錦[…なに?
そんな見られたらむかつくんやけど。]
そういって背を向けかけた亮の肩をつかみ、
その頭をいつもの要領ではたく。
『あほ、女に振られたくらいで
自分どころか俺らまで見失うんか。』
そう言うと亮は、
ちょっとびっくりしたみたいやったけど、
相変わらず、冷めた目でこっちを見つめていた。
『…お前、最近また
女遊び激しなったみたいやな?』
俺のその言葉に、
みんなが反応した。
錦[…っは、それがなに?(笑)]
亮はなぜか、焦るでもなく、
むしろ勝ち誇ったように笑ってる。
俺が社長に借りた写真を見せると、
他のメンバーは食い入るように見てた。
メンバーが驚いてる中、
亮だけが、不敵に笑ってる…
『…あてつけか?』
そう、亮が隠そうとしない理由、
俺には少しわかってた。
亮がちいの裏切りを確信したのは、
おそらくあの週刊誌。
バーでの出来事だけやったら、
亮はおそらく、まだ心のどっかで
ちいを信じてたんやろう。
でも、あの生々しすぎる週刊誌に、
偽りの現実を突き付けられた。
だから、
同じ方法でちいを傷つけようとしてんねやろ?
そうすることで、
自分の方が傷ついてんのも気付かんと…
錦[…なんや、いつまでたっても記事ならんなぁ思てたら、
あのカメラ週刊誌じゃなくて事務所やったんや(笑)
どーりで下手なはずやわ。
バレバレやったもん…]
笑いながらわけわからんことゆー亮を、
メンバーはただただ呆然と見てた。
しばらくの沈黙。
破ったのはすばるやった。
昴[…亮、お前…
…しっかりせぇよ!!!]
目に涙を浮かべながら、
すばるが叫んだ。
びっくりしたのか、亮も
目を丸くしてすばるの方を見た。
そのまま、すばるは亮にゆっくり近づいて、
その手を取った。
昴[…きついんはわかる。
でも、楽な方に流されんな。
お前には、俺らがおるやろ?
…頼れよ、すがりつけよ!!
お前一人くらい、なんぼでも引っ張れるねん…っ]
そういったすばるは、泣いていた。
すばるが取った亮の手に、
他のメンバーも手を重ねる。
横[こんなときこそ、俺らの番やな!]
忠[亮ちゃん頑張りすぎやねん(笑)]
丸[俺らいっつもここにおるやろ?]
安[…今持ってるその荷物、7等分しよ?]
最後に重ねたヤスの手の甲に、
一粒の涙が落ちた。
涙の主を手繰るようにみんなが視線を上げると、
一瞬早く、
亮が跳ねるようにみんなの手を振り払い、
一歩、後ろに後ずさった。
その目にはもう、涙の跡はなくて、
ただ、真っ暗やった。
錦[…なんなん、みんなして(笑)
だいたい村上くん、勝手な推測言いふらさんとって。
俺はとっくにあんな女のことなんか忘れてるし、
そもそも、こっちが本来の俺やんっ
…もう、ほっといてくれよ…っ]
そういうと、亮は走っていった。
丸[…亮ちゃん…]
すばるは、まだ涙を流したまま…
横[…すばる、お前は間違ってない。]
昴[…あいつ…っ、
このままやとどんどん傷つく…っ]
同じ道を通ったことがあるからこそ、
すばるには亮の気持ちが痛いくらいわかるんやな…
亮…お前、がんばれよ…
ー亮sideー
焦った。
すばるくんが泣くなんて…
重ねられたみんなの手が温かくて、
思わず涙でてもーた…
たぶん、ごまかせたと思うけど。
でも、みんなには悪いけど、
埋まらへんねん…
俺、最低やな。
こんなに思ってくれるメンバーがおって、
それやのに、たった一人の女に
こんなに振り回されて
みんなにも迷惑かけて…
でも、無理や。
どうしても、あいつの抜けた穴を埋めようとしたら、
けっきょく俺にはほかの女で埋めるしか浮かばん。
そんなんゆーて、けっきょく埋まらんのやけどな。
でも、あいつと少しでも似たとこある女
無意識にみつけては、
今度こそはって、思いで抱いて。
でも、けっきょく埋まらんくて。
それの繰り返し。
無限ループ。
俺かって、
もう、疲れた。