09 どうか、彼の未来を…
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だめ…だめだよ…
「降ろして…」
『………』
「…っねえ、降ろしてよ!」
『俺、納得してへんから。』
「…え?」
『別れるなんて…納得できへん。』
不意に車をわきに寄せて停め、
忠義が真剣な表情で、私の目を見て言った。
やめて…
そんな、まっすぐな目で
そんなこと言われたら…私…
…ううん、だめ。
決めたでしょ…
「…はぁ。」
『…ちゃんと話そ?なあ、俺…悪いとこあるなら直すから…
だから…っ』
「そういうとこだよ…」
『…え?』
忠義の未来は…私がまもる。
「そうやってさ、いちいち女々しいとこ。
もう、うんざりなんだよねっ
ジャニーズなんて言うから、
どんなもんかと思って付き合ってみたけど、
とんだ貧乏くじっ
案外、つまんないんだね?(笑)」
『…ちょ、ちい?ど…何?いきなり…(汗)』
「好きな人ができたんだっ。
だから、別れて。
それだけ…」
『………』
「………」
『さっきの、やつ…?』
「…はぁ、もういいでしょ?ばいば…」
『あのっ…
海、行ったときゆーてたことは…
ぜんぶ嘘、やったん…?』
「………」
『…なあ!答えろや、おれ…っ?!』
これ以上喋ったら、すがりついてしまう…
忠義の言葉をとめるように、唇をふさいだ。
決めたの。
ごめんね、忠義… 大好きだよ。
「…じゃーね。
もう、連絡しないで。」
忠義は何も言わず、私は笑って、忠義の車を後にした。
「幸せになってね…忠義…」
ドアを閉めてから、小さくつぶやく、
もう、振り返ったりしない。
心が、引き裂かれる…
まだ、まだ 泣くな…
忠義から、私の姿が見えなくなるまで…
もう、二度と会えないなら、
もう二度と、笑いあうことはできないなら、
大好きなあなたの最後の記憶に残るのは、
泣き顔であってほしくない。
ひどい女でも、最低な女でもいい、
弱い女でありたくないから。
私は弱くないよ。
だから、忠義、
こんな女のことなんか早く忘れて。
どうか幸せに…
10mほど歩いて、一つ角を曲がった瞬間、
全身の力が抜けて、私は地面にへたり込み
声をあげて、泣いた。
…これで、いいんだ。
ねえ、神様?
一番大切なものを失くした今、
私はもう、どうなったっていい。
だからお願い、忠義の歩くこれからの未来がどうか、
光にあふれていますよう。
忠義と周りの人達が、笑顔で過ごせますように。
たとえば隣で笑うのは、
私じゃなくても いいから…