07 幸せでした。
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あれから、一週間。
ジャニーさんとの約束は、今日が期日…
大丈夫。もう泣かないって決めた。
忠義の幸せが、私の幸せ。
プルルルル…プルルルル…
ガチャッ
『もしもし?ちい?
どーしたん?めずらしいやん♪』
「…忠義、今日、休みだよね?」
『んー?うん、まあそやけど…
どーしたん?』
「あのね、海、行きたいの。」
『海ぃーー?…って、今から?』
「うん、…だめ?」
『…や、別にええけど…
ほんま、えらい急やなぁー思って(笑)』
「…連れてって…」
『…わかった!今から迎えに行くわっ
今家やろ?待ってて!ほな!』
ーピッ。
…大丈夫。
この一週間、何度も練習したじゃない。
泣かない。笑って、さよならするんだ。
ーその頃の忠義はー
安[大倉ぁー、どーしたん?
電話、ちいちゃんからちゃうの?]
『んー?そやねんー、
なんか急に海行きたいとかゆーててさ~』
昴[…ちいからゆーてきたん?]
『そやねん!めずらしいやろ~?
最近仕事立て込んでて会えてないからな~
不安にさしてんかな…とりあえず俺、行ってくるわ!』
昴[(今日は、あの日からちょうど一週間、か…
そーいえば、あいつあん時社長に…)
大倉ぁ!!]
『っぇえ?すばるくん?なにー?』
昴[(俺の思い過ごしやったらええんやけど…)
お前、ちいのこと、守るってゆーたよな?]
『なに、いきなりどーしたん?(笑)』
昴[っゆーたよなぁ!!]
『…ああ、ゆーた。』
昴[…覚悟、あんねやんな?]
『…、守るよ。』
昴[…。行って来い。]
『…おん。』
バタンッ
安[…え、なになに、なんかあったん?]
昴[…や、ごめんヤス、俺も帰るわ!]
安[ぇえ?!っちょ、すばるくーんっ??(汗)
…なんなん…]
パッパーーッ
『ごめんごめん、待った?』
「…んーん、ごめんね?急に…」
『えーのえーの♪
っしゃ、いこか!』
そういって、わざわざ車から降りて
助手席のドアを開けてくれる。
こういうところに惹かれたんだ。
車の中では、本当に他愛のない話をした。
なにもしてなくたって、
二人でいるこの瞬間がただ愛しくて…
久しぶりに見る海。
シーズンじゃないから、人も少なくて、
…最後のデートには、うってつけ。
『ちょっと、歩こか。』
そういって、手を差し伸べる忠義。
差しのべられたこの手を素直に取れるのも、
きっとこれが、最後…
二人で、ゆっくり波打ち際を歩く。
ちょうど夕日が沈む瞬間、
二人同時に立ち止まった。
今なら、言える。
さよならの前に、どうしても伝えなきゃいけない言葉…
「…ねえ。」 『…なあ。』
『「あっ…」』
二人のしゃべりだすタイミングが重なって、
思わず顔を見合わせる。
「忠義、先言って?」
『や、ちい、言いーや。』
「…あのね、忠義が、私に告白してくれたとき、
必ず俺のこと好きにさせる って言ってくれたの、
おぼえてる?」
『…ああ、うわ、恥ずかしっ(照)
うん、覚えとるよ…』
「私ね、忠義の、優しいところが好き。
紳士なところも好きだし、ちょっと強引なところも好き。
高い背も、大きな手も、その笑顔も、声も。
全部、大好き…っ」
『っちい?!』
言いながら、涙が止まらなくなった。
だめ、だめ…忠義が不安そうな顔してる。
…笑えっ
「…あはっ、ごめん、海風が目に沁みちゃった(笑)」
『っなんやも~、心配するやんっ(汗)』
「…ねえ、この海の向こうには、
私たちのこと知ってる人は、一人もいないね…?」
『ん?まぁ、そーやな…』
「行きたいな…このまま、
どこか遠く、だれも知らないところに…」
『…行こう。いつか必ず。』
「…本当?」
『…約束…。
それより、なんなん?さっきの恥ずかしい羅列…(照)』
恥ずかしそうに忠義が笑う。
笑え…
「…私、…忠義のこと、好きだよっ
こんなに、好きにならせてくれて、 ありがとう。
すごく…幸せ…」
そう、 ありがとう。
さよならの前に、どうしても伝えたかったの。
私みたいなただの女子大生が、
あなたを愛して、あなたに愛されて、
こんなにも、うれしいこと。
こんなにも、幸せなこと。
ねえ、ちゃんと、私は笑えているのかな?
私の気持ちは、伝わってるのかな…?
『…ちい…』
すごく、優しい目で、私を見つめながら、
私のほほをなでて、
あ…
忠義のくせだね。
キスする前に、ちょっと視線をそらすの。
そして、触れるだけの、優しいキス…
『俺も、ちいを好きになって、幸せやで?』
そういって、また手を取って、歩き始めた。
車への道を歩きながら、
広がる星空を見上げて、
『…明日、晴れたら…公園いこか…』
ささいな約束を口走るあなた。
ごめんね…
こーやって、同じ空を見上げるのは、これが最後…
なんて、言えないから、
返事の代わりに、繋いでた手を握りしめた。
忠義の手が大きくて、暖かくて…
なんでこんなに…
愛しい…
帰りの車では、音楽をかけて、
会話はあまりなかったけれど、
二人の間に流れる、空気は優しくて。
忠義、ごめんね。
約束…守れないかもしれない…
忠義に家まで送ってもらって、
遠ざかっていく忠義の車に手を振ってから、
私は忠義にメールした。
「今日は、突然のわがままに付き合わせちゃってごめんね。
私は忠義の彼女になれて、幸せでした。
今までありがとう、
さよなら。」
忠義の夢、私がまもるよ…