05 まもりたい
name change .
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
関ジャニ∞のみんなにも公認になって三か月。
忠義は記念日も大事にしてくれるし、
忙しい合間に連絡もしてくれる。
そんな、忠義の大きな愛に、
私はすこしずつ、惹かれていくのを感じてた。
そんなある日、私はジャニーズ事務所の社長という人に
事務所まで来てくれないかと呼び出された。
ジャニーズ事務所って…忠義の?
私に何の用だろう…
疑問しか浮かばないまま、
私はとりあえず、指定された日時ちょうどに、
事務所に訪れた。
正面玄関の所には、社長の秘書という方が立っていて、
最上階の社長室まで案内してくれた。
コンッコンッ
【社長、あの、例の如月さん、お連れいたしました。】
《ああ、you入っちゃいなよ!》
you…?(汗)
なに、外人さん?
わけも分からず、促されるまま部屋に入ると、
そこにはおよそ社長らしきおじさんと、
きれいな茶髪の、細身の男の人が立っていた。
光一[この子?今ジャニーさんがゆーてた…]
《…そうだよ、ま、とりあえずアレは
この子の返答次第だけど…》
なに、なんなのよ…
アレ…?私、なにかされるの?
怖い…怖いよ…忠義…っ
《っはは!(笑)
you、そんなに緊張しないで!
今日は2、3聞きたいことがあるだけだから。》
この人、不気味…
何考えてるのかよくわからないし、
第一、しゃべり方こそフランクだけど、
目が、笑ってない…
「なんなんですか?手短にお願いします…っ」
早くこの場から逃げ出したくて、
私は話の先を急いだ。
いったい、何を言われるの…?
《威勢がいいねっ(笑)
じゃあ、単刀直入に言わせてもらおうかな…
っていっても、すでに心当たりが、あるかな?》
「…なにも、ありません。」
なんなのよ…っ
私がそういうと、ジャニー…さん、?は
横に立ってた茶髪の人とアイコンタクトをして、
茶髪の人が、何枚かの写真を持って
私のほうへ近づいてきた。
私が身構えたのを見て、足を止め、
持っていた写真を無造作に私の前に投げ捨てると、
光[…見てみろ。]
とだけ吐き捨てて、社長のもとへ戻っていった。
とりあえず、言われたとおりに
写真の1枚を手に取ってみると、
暗くてはっきりとは分からないけど、
…これは、忠、義…?
と、キスしてるのは…あたし、だ…
「…これ…」
《今朝付でフライデーに乗せられるのを、
直前で何とか抑えたんだよ。》
そういって、社長が私の前に投げ捨てた資料の見出しは、
“人気急上昇中アイドルグループ
関ジャニ∞ 大倉忠義 熱愛?!”
忠義とあたしのデート現場を
抑えられた写真に、記事。
フライデー…週刊誌…っ
これが意味することは、
いくら鈍い私でも手に取るようにわかる。
《…はあ。you、よくもうちの商品に手を出してくれたね…》
言葉が見つからない…
《今の大倉、ひいては関ジャニ∞にとって、
こーいった類のスキャンダルがどれほど命とりか、
youに想像できるかい?》
震えが、涙がとまらない…
これがもし週刊誌に載ってしまっていたら、
忠義の、関ジャニ∞のみんなの
将来はぐちゃぐちゃになってた。
私一人のせいで…っ
涙と嗚咽で、立っているのも辛くなって
その場にしゃがみ込んだ。
《…どうやら、状況が呑み込めたようだね。》
「…本当に、申し訳、ございませ…っ
今後、この様なことがないよう…」
《謝罪は聞きたくないんだよね。》
「…え?」
震える声を振り絞った私の謝罪は、
ジャニーさんの低い声にかき消された。
《you、まだ自分の立場が分かっていないようだね。》
ジャニーさんが何を言ってるのかわからなかった。
頭が真っ白になって、ただ涙を流していると、
ゆっくり、ジャニーさんが近づいてきて、
私の耳元で、信じられない言葉を放った。
《今後、じゃなく。
今すぐ、大倉との関係は切りなさい。》
忠義と…別れる…?
「っいやです!!
どんな罰だって受けます。
これからは、細心の注意を払います!!
…っだから、どうか、別れるのだけは…っ」
余力なんてないと思っていたのに、
その言葉を聞いた時、
反射的に体が反応して、
気づけば声を荒げていた。
《…はあ、時間をあげるよ。
どうするのが一番お互いのためなのか、
よく考えなさい。
ただし、おぼえておいてね。
次こんなことがあったら、さすがにもう止められない。
大倉はおろか、君一人のせいで、
7人全員が、居場所を失うんだ…》
ジャニーさんが言葉を言い終わるか終らないかの
まさに瀬戸際、
おもむろに、社長室のドアが開いて、
一人の男の人が入ってきた。
【すみません、ここはいま取り込み中…あ…(汗)】
秘書の方が制止しきれなかったのも無理はない。
だってそこにいたのは…
昴[…今の話、詳しく聞かせてください…]
《…すばる?お前は関係な…》
昴[ちいがっ、…メンバーの大事な女が泣いてんのに
関係ないわけはないでしょう?]
渋谷さんの迫力に、ジャニーさんも
じゃっかんたじろいでいた。
だめ…
ここでいま渋谷さんが本当のことを聞いて、
忠義に伝わったら…
きっと、すごく辛い思いをさせる…
忠義…
私、いつのまに、こんなに好きになってたんだろう。
出逢いはけっこう最悪で、
でも本当は優しくて、
すごく真剣に、私を好きだと言ってくれた人。
ちょっと強引だけど、
いつも私のことを想ってくれる人。
私を、守ると言ってくれた人…
私も、あなたを守りたい…
守るよ。ぜったいに。
「渋谷さんっ違うの、大丈夫だから…っ」
昴[っ大丈夫なわけないやろ!
…こんなに、泣いとる…っ]
辛そうな顔。
やっぱり、あなたもとても優しい人。
思い返せば、私と忠義が付き合うっていったとき、
一番に祝福してくれたよね。
私、とてもうれしかった。
やっぱり、だめだ。
こんな優しい人たちを、傷つけるなんて…
私は、ジャニーさんのほうを向き直った。
「社長さん。先ほどは取り乱して申し訳ありません。
1週間、時間を下さい。
かならず約束は果たします。
今日のところは、これで失礼します。」
それだけ言い残して、
私は渋谷さんの腕をひき、足早に事務所を後にした。
神様はいじわるだね。
優しい風で芽吹かせてから、
強い嵐で吹き飛ばすなんて…
それでも、この恋心が一瞬でも芽吹けたことに
私はやっぱり感謝してます…