13 まもりたいもの < fin.>
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私はテレビ局を飛び出して、
前の公園のブランコに腰かけた。
…忠義、
昨日まで私と別れたの隠してたんだ。
一人で、苦しんでたんだね…
ごめんね、こんな風にしか守れなくて、
本当は、
隣で、笑ってたかったんだけど、
わがままだったみたい…
忠義のこと、
好きだって自覚させた後で引き離すなんて、
神様も、意地悪だよね…(笑)
でもね?
忠義のそばにはまだ、
私なんかとは比べ物にならないほど
心強くて素敵なメンバーが
6人もいるでしょう?
それだけで、
私は十分だよ。
だからこれからは、
どうかたくさん
笑ってね…
「ばいばい、
忠義…
ばいばい、
最後の、大好きな人…」
そう、
私が愛するのはあなたが最後。
たとえ叶わない想いでも、
忘れるなんてできないから。
愛されたいなんて、
もう言わない。
ただ、
愛することを、許してください…
帰ろう。
ブランコから立ち上がろうとした瞬間、
大きな体に、
後ろから抱きしめられた…
『…っはあ、はあ、
…みっけ…っ。』
息は上がってるし、
すぐ横にある顔は汗びっしょり…
私を抱きしめる懐かしい腕…
「…た、だよ、し?
なに、
してるの…?(汗)」
『…一人じゃ、ないから……っ』
まだ整いきらない呼吸で、
発したその一言の意味が、
唐突すぎて、
すぐには理解できなかった。
「…っえ?」
『…ちいは、
一人じゃない。
俺がおる。
痛みでも、
不安でも辛さでも…っ
全部、俺にも分けてや…』
そういった忠義の目は、
よく見ると腫れていて、
まるで、泣き明かした後みたい…
「…忠義?
なに…」
『すばる君に聞いた。』
ああ、
その一言で、
張りつめていた糸が
切れていくのを感じた。
「…き、いた…の…?(汗)」
『全部、聞いた。
ちいの、嘘…
なあ、なんで…
一人で解決してまうん?
俺、そんな頼りない…?』
「っちがう!
…そうじゃないよ……」
そうじゃない…
忠義が頼りないから、
言えなかったんじゃない…
『俺…ゆったよな?
守るって…
ちいが傷つくぐらいなら…
俺が…』
「そんなのだめっ!!
…私も、忠義をまもりたい…っ」
忠義の重荷になんか
なりたくないの…
「忠義には、
夢があるんでしょう?
だったら、その夢、
ちゃんと叶えてよ…
それが…私の………、っ?!」
言いかけた言葉の続きは、
忠義の唇でふさがれる。
唇が離れた後、
忠義はまっすぐに私を見つめた。
『やったら、
そばにおってや…』
「…え?」
『ちいがおらへん未来なんて、
たとえどんなに華々しく見えたかって
意味あらへん。
もう、俺の未来は、
ちいがおらな輝いてくれへんねん…』
「っ忠…義…っ(泣)」
言葉の代わりに、
涙が、ほほを伝う。
…いいの?
大好きなあなたの隣で笑ってて、
『…守るから。
今度こそ、必ず…』
そういってもう一度、
今度は、
誓いのキス…
キスする前に、やっぱり
忠義はちょっと視線をそらす
こんな小さな仕草すら愛おしい。
これからきっと、
私たちの未来には、
数えきれないほどの試練が待っているんだろう。
でも、大丈夫。
私は一人じゃない。
最愛のあなたと一緒なら、
どんな未来だって輝いているから…
end ..
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