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「…最近ね、章大の様子が変なんだ…」
喫茶店に入って、オーダーした
ミックスジュースを飲みながら、
ちいが重々しく口を開いた。
錦[…変て、なにが?]
「…よくね、ケータイが鳴ってもとらないことが増えたの。
いいよって、出て?って言っても、
『知らん番号やから』って…
あたし、芸能人じゃないからわかんないけど、
そんな、日に何回も
知らない人から電話が来るほど
情報漏えいとかしてないでしょ?」
たしかに、そんなんありえへん。
たまーにどこで知ったのか
ファンらしき人からかかってくることはあっても、
そーゆーことあったらそのたびに
事務所がケータイ変えてくれるし、
連日かかってくることなんてほぼ考えられん。
俺は少し考えて、頷いた。
「でしょ?でね、あたし気になって、
章大がお風呂入ってる時に、ケータイが鳴ったから、
勝手に留守電にしたの。
そしたら…っ」
そこまで言って、ちいの言葉は止まった。
錦[…なんか、ゆーてたん?]
恐る恐る続きを促すと、
「…女の人の、声でね?
やりなおそうとか、あのときはごめんとか、
…まるで、前に章大と付き合ってたみたいな、
セリフがね、聞こえてきたの…」
思い当たる節が一つあった。
や、十中八九それやと思うけど…
俺の口からゆうことじゃないなって思ったから、ゆわんかった。
「…よく、聞くとね?
その女の人、泣いてて…
まだ…っ、章大のこと、…好きみたいで…っ」
ちいの目からは、
大粒の涙がこぼれていた。
錦[…そのこと、ヤスにゆーたん?]
ちいは、小さく首を横に振った。
「…どーすればいいかわかんなくて…
章大は、知らない番号って言ってたけど、
ディスプレイに出てた表示、
【妃愛】って…っ」
その名前を聞いて、俺の十中八九は、確信に変わった。
【妃愛】
この名前を、ちいと出会う前のヤスから、
何回聞いたやろう…
愛し合ってたふたり。
でもな、ちい?
妃愛はヤスを裏切った。
あんなに妃愛のことが大好きやったヤスを、捨てたんや。
二人が戻ることはあり得へん。
「…【妃愛】って、芸能人でしょ?」
ちいの言葉に俺は驚いた。
や、確かに妃愛は有名やけど、
ジャニーズもろくに知らんちいは、
てっきりほかの芸能人にも疎いんやと思ってたから…
「…知ってるよ。
章大、あたしの前にあの妃愛と付き合ってたんだ…」
錦[たとえ、ヤスに元カノがおっても、
今はお前がヤスの彼女や。]
そういうので、精一杯だった。
「…そだね…(笑)」
そういったちいのさみしげな笑顔に、
俺は人目も気にせず抱きしめてやりたかった。
錦[ヤスのこと、信じたれよ。
ヤスは、お前だけやから。]
そういうと、ちいは一瞬びっくりした顔をして、
でもすぐ、俺の大好きなふわっとした顔で笑った。
別れ際、
「ありがとね、話聞いてくれてっ
…亮ちゃんがいて、よかったよ…」
錦[…無理すんなよ?]
「…。」
何も言わず、自嘲気味に笑いながらうつむくちい。
錦[…俺は、お前の味方やから。]
そういって、うつむくそいつの頭をくしゃっと撫でて、
その日は別れた。
…妃愛。
頼むから、あいつらに手ぇださんでくれ…っ
ー翌日
錦[ちーっす。]
『………。』
錦[…ふんふふ~ん♪
って、…ぅわ!ヤス?!?!
びびった~、おるんなら挨拶くらいせぇよっ(汗)]
今日はジャニ勉の撮りで大阪。
俺が楽屋に入ると、ヤスしかおらんかった。
しかもどす黒い負のオーラ。なんやこいつ(汗)
『…あ、亮?おはよ~』
錦[なんやお前(汗)
ほんまに大丈夫?]
えっらい力ない返事に、心配になって顔を覗き込むと、
そいつの顔は真っ青やった。
錦[っヤス?!?!
まじどーしてん!!しっかりせぇーよ!!(汗)]
『…っりょ、やめ…っ(汗)』
ヤスの肩を思いっきりゆすると、
よけいに顔の血の気が引いて、ますますしんどそうにうつむく。
どーしたらええかわからんくて
あたふたしてたら、
不意に楽屋のドアが開いて、入ってきたメンバーの顔見て、
俺はすべてを把握した。
…ヤス、とりあえずしばいてええ?←
ー…ガチャ…
雛[…ちゃっすー]
忠[…吐く。…あかん、吐く。]
横[…すばる、どけ、重い…]
昴[………。]
丸[…あ、亮ちゃん?…水あるかな~?]
…あの丸ですらローテンション。
まーそらそーか。
錦[みんな飲みすぎやねん!!(怒)]
俺の心配返せやっ!!(怒)
なんで酔っぱらいの二日酔いに本気で心配しやなあかんねん!!
あの日、俺以外帰りもままならんくらい
べっろべろやったからな。
次の日俺以外オフやったから
ちい帰して昼まで飲んでたらしーし、
そら半日じゃ抜けんわ(呆)
なんとかジャニ勉撮り終って、
楽屋に帰ってきたころ、
ようやくみんな回復してきた。
雛[いや~、さすがに飲みすぎたな~(笑)]
横[昨日一日の記憶ほとんどないもん!
やばいッ貴重なオフが消えた感じやっ(泣)]
忠[すばるくんがあんなテンション高いん
めずらしーからのっかってもーたわ~(笑)]
昴[や~、一回寝たらあない騒げるもんかね!(笑)]
錦[………。]
『俺今日の朝楽屋に亮入ってきてんの
しばらく気づかんくらい頭痛かった~(汗)』
丸[いや~今日の収録は亮ちゃん様様やねっ
ねっ亮ちゃ…あれ?(汗)]
錦[………。(怒)]
…やっと気づいたか、ボケども。
お前らが使いもんにならんから
俺、今日三年分くらい仕事したぞ。
おかげでくったくたやねん。騒ぐなや、暇人(怒)
丸[(…なんや亮ちゃんなんも喋ってないのに
すっごい怒られてる感覚っ(汗))]
『(っつ、疲れてはんねやっ(汗)
静かにしよう…)』
忠[(893の本領発揮や…w)]
錦[大倉ぁ!!
…俺最近肩こってんねん?…(妖笑)]
忠[もっ、揉むよ!!!
疲れてるもんな!!揉む揉む!!(汗)]
[[(…どんまい、大倉。)]]
ープルルルル…プルルルル…
余計なことゆーたボン倉に←
肩揉ましてたら、
楽屋のどこかで誰かのケータイが鳴った。
横[誰ぇ?ケータイ鳴ってんで!]
『っ…』
ープルルルル…プルルルル…
昴[…え、この着信音、ヤスじゃないん?]
『えっ!?!?
…や、知らんよ?(苦笑)』
錦[………。]
ープルルルル…プルルルル…
雛[…ほれ、やっぱりヤスやんけ。
ケータイ光ってんで?
誰からか見よかー?]
『っ信ちゃん!えーよ!、』
そういって、ケータイのディスプレイを
覗き込もうとした村上くんから奪うように
ヤスはケータイを拾い上げた。
ープルルルル…プルルルル…
雛[………
…いやいやいやっ、
出んの?!(汗)]
『…あ、うん…なんか…(苦笑)』
拾い上げた時も一度もディスプレイを確認せずに、
ヤスはケータイを握りしめて言葉を濁すだけで、
出ようとも、かといって切ろうともせん。
ープルルルル…プルルルル……ッピ。
しばらく機械音だけが鳴り響いて、
着信は切れた。
楽屋の中に、無言の圧力が立ち込める。
そらそーや、ヤス、お前怪しすぎ(呆)
『…あ、切れてもーたな(笑)
さて、仕事も終わったし、ちょっと実家にでも…』
昴[や、おかしーやろっ(汗)]
『え?すばるくん帰らんの?』
昴[え?…そら帰るがな…]
『やんな!あ、途中まで一緒に行く?
久しぶりに妙子の顔見たいわ(笑)』
昴[そーか?(笑)
ほな妙子に連絡…]
忠[っいやすばるくん!
簡単すぎるやろっ(汗)]
…すばるくん、あほなん?
横[ヤス、すばるはあほやからごまかせても
俺らはごまかせんで。
なんか隠してんのか?]
昴[(ヨコにゆわれたっ(泣))]
『…っいややな~横ちょ!
あ、横ちょもすばるくん家行かん?
ひさしぶりにモンハンしよーやっ♪』
横[モンハン?!やるやる~♪
俺なっ新しい武器…]
雛[ヨコ。
も、ええから、ちょ、すばるとあっちで遊んどき?な?]
横[(すばると一緒?!(泣))]
…横山くん、さすが∞のあほ担当やな(呆)
丸[ふんふんふ~ん♪
…って、あれ?なんでみんな帰らんのぉ?(笑)]
…丸、死ね。←
とりあえず、なんかひっかかってんのは
村上くんと大倉か…
あとは…泣いてるおっちゃん二人とあほ一名。
…
錦[…ま、ええやん?
ヤスにもそらいろいろあるやろっ(笑)
どしたん?村上くんっ大倉も、
顔怖いで?w]
さっきまで機嫌悪かった俺がそう言ったんが
あまりにも予想外やったんか、
みんながきょとんとしてこっちを見てた。
あ、一名違う意味のきょとんがあったけど(笑)
雛[…まぁ、そーやな!
よっしゃ、みんな帰ろかっ]
やっぱり、村上くんはいちばん頼りになる。
空気読むんうまいし、頭の回転も速い。
村上くんのその一言で、
釈然としない感じは残りつつも、各々の帰路に着いた。
俺はすぐ、ヤスにメールを打つ。
――――――――――――
dear;ヤス
sub;すぐ来い。
main;話ある。
ロビーの奥の自販の前。
――――――――――――
程なく、微妙な顔したヤスが来た。
錦[…そんな構えんなや(笑)]
俺がそういうと、
少し張りつめてた糸がほぐれたのか、
でもまだどこかぎこちなく、笑った。
しばらくの沈黙の後、
錦[…さっきの着信、さ…
妃愛…やろ?]
沈黙を破ったのは俺。
俺の言葉があまりにも予想外やったんか、
ヤスは固まったまま
あほみたいな顔で俺を見てる。
『…見、たん?』
錦[…まだ、繋がってんのか?]
『…っ』
俺がそういうと、
ヤスはバツが悪そうに下を向いて、
ぽつぽつと話し始めた。
『…繋がってるわけじゃ、ない…っ
亮…、俺…っ』
そういったヤスの目は、
今にもこぼれてしまいそうなほど大粒の涙がたまっていた。
錦[…場所変えよう。
人、来るし。]
そう言って、ヤスを連れ出し、
近くの喫茶店に入った。