19 Fate attracted each other .
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あれから、もう3年か、
章ちゃんたちは、
あたしなんてもう気軽に遊んでもらえないほど、
手の届かない場所に行っちゃったんだね…
ヒナちゃんとか、あたしのことまだ覚えてるかな?
それとも、こんな勝手な女、
もう忘れちゃってるかな…
あたしはあれから、
大学を通信制に変更して、田舎に帰って就職。
今はあこがれのアパレル業界に
見習いながら入れることになり、
ひさしぶりに上京してきた。
数年ぶりに来る渋谷はすっかり様変わりして、
なんと街中に、章ちゃんたちのポスター!(笑)
ほんとに、アイドルだったんだねぇ。
スタバに入って、一息ついていると、
下のタワレコから流れてくる音楽。
聞きなれた…声…
やばい、泣きそうかも……っ
あたし、だめだ。
ぜんぜん忘れられてない…っ
耐えきれなくなって、飲みかけのフラペチーノを持って
店を後にし、人混みに溶け込んだ。
入口には、大きな関ジャニ∞の看板と人だかり。
集まる女の子たちの話し声が
否応なしに耳に入ってくる。
≪今回のヤスのソロ!
めっちゃ切なくない~?♪≫
≪あれさあ、実体験って噂、
やっぱほんとなのかな~?≫
≪あぁ、あれガチらしいよ?
なんか、もうヤスその子以外とは恋愛する気ないって、
メイクさんとかには結構ぼやいてるらしぃ。≫
≪なんかそれってー、やる気失くす~≫
≪っでもさ、そんなに好きな人に出会えるなんて、
ヤスすごくない?!
あたしうらやましいよ(笑)≫
……章ちゃん、妃愛さんとうまくいってないのかな?
あたしはその女の子たちの会話が気になって、
店内に入り、アルバムを視聴することにした。
♪あれは僕の 最後の恋
ずっと優しく 僕を包んでくれた人
もう二度と会えないとしても
歌になった僕のこの想いなら 君のもとに行けるのかな?
あんなに残酷な仕打ちをした僕を 許さなくていいよ
ただいつまでも 君の幸せを願うことを許して
ねぇ、僕は君に逢えて 愛を知った
ねぇ、僕は君に逢えて 夢を持った
君の幸せが 僕の唯一の夢
ねぇ、僕は君に逢えて 幸せだったよ ♪
「っ?!」
1番を聞いて、ヘッドフォンを置いた
一歩も動けずに、立ち尽くして泣いた。
章ちゃん、これはあたしに向けての歌だって
自惚れていいかな?
あたしのこと、思い出してくれたんだって、
自惚れて、いいかな…?
いろんな感情が一気にあふれてきて、
たまらずに、あたしは店を飛び出した。
行くあてもなく歩いて、
気が付けば、あたりは薄暗くなっていた。
それになんだか…この辺、見覚えない…?(汗)
やば、誰かに道を…
≪おねーさん♪
どしたのー?泣いてんの?≫
≪あ、よく見るとかっわいーじゃん!
おれらがなぐさめてやろっかー♪≫
お酒くっさ…っ
って、あたし絡まれやすすぎる(汗)
「や、あの、あたし駅に行きたくて…(汗)」
≪あー、そゆことね、
だいじょぶ、つれてったげるよ♪≫
「え、本当ですか?
ありがとうございます!」
よかった、親切な人だ♪
二人組のちょっと酔った男の人に
手をひかれて歩き出すと、
後ろから嗅いだ事のある香水のにおいに包まれた。
[ごめんお兄さん。
こいつ、俺の連れやから。]
抱きとめられた頭越しに響く、低い声
≪は?なに横から…っ?!≫
[わからんか?
…俺が怒らん内に消えろっつってんの…(睨)]
≪っち!≫
相変わらずの悪人面で、
お兄さんたちをにらみつけて追いやった、
なんでこんなところに…
「……亮、ちゃん…?」
錦[ひさしぶりすぎやろ(笑)]
「亮ちゃん、だあ…っ!」
懐かしすぎる再会に、あたしは思わず抱きついた。
錦[っつーかお前…
なーに危ないことしてんねん!]
「あ、あの人たち?
ちがうのっ、あの人たちはね、
駅に案内してくれるって言ってたんだよ♪」
錦[おっ前ほんま…っ(呆)
あいつらが向かった先になにあるかわかってんか?
ラブホ街やラブホ街!
俺がおらんかったら、今頃あいつらに回されて
ぼっろぼろやな、お前。]
「えぇ?!(汗)
そんな…あ、ありがとう~…(泣)」
そんなことになってたなんて知らなくて、
気が抜けて泣いちゃった…
亮ちゃんはちょっと戸惑いながら、
昔みたいに背中をトントンしてなだめてくれた。
錦[…変わってないな、
その泣き虫(笑)]
「…うるさいよ、(照)」
変わらないのは、亮ちゃんもだよ?
本当はいちばん聞きたいことに触れない優しさも、ね。
「亮ちゃん、…
章ちゃんは、さ……」
錦[…ヤスのソロ、聞いた?]
黙って頷いた。
錦[戻ってるよ、記憶。
ちいがおらんなってから
3ヶ月後くらい…かな?]
やっぱり…っ
「じゃあ、あの、歌は…っ」
錦[……お前に向けての歌やろ。]
「っ!(汗)
…章ちゃんっ……」
錦[まだ、ヤスが好き?]
まっすぐ目を見て聞いてくれる。
だからあたしも、まっすぐ答えるよ。
「好きだよ。
…離れてても、
忘れたことないよ…っ」
錦[よかった(笑)
これから、時間ある?]
そう言われて、亮ちゃんの車で連れてこられたのは
テレビ局だった。
「…っ亮ちゃん、(汗)」
錦[今日は関ジャニ∞みんなそろって収録やから。]
心の準備が…っ
決心のつかないまま、楽屋の前に着いちゃった…
どうすればいいかわかんなくて、
亮ちゃんを見上げると、
いたずらっぽくにやっと笑って、
錦[俺が合図したら、おいで(笑)]
そういって、一人で楽屋に入っていった。
中からみんなの話し声が聞こえる。
錦[…ヤス、お前まださ、
ちいのこと引きずってるん?]
『…今、久々にちいの夢見てた。
俺さ、入院してる時、
ちいが話した言葉の続き、まだ聞いてないねん。』
忠[言葉の続きってー?]
『…“あなたに逢えて”。
ちいは、さ、
俺と出逢ったこと後悔してるかな…?
俺、今回のソロでさ、勝手にこのセリフの
アンサーソングみたいな意味合いつけてん。
歌でなら、
ちいのところまでいけるかもしれんやろ?』
「…っ!」
涙が、自然にあふれてくる。
聞き流していいって言ったのに、
あんな前のこと、
今でも大事に思ってくれてるなんて…っ
『…亮、
俺、こんなに女々しいよ。
未練たらしくて、みっともないやつやねん。
こんなやつが、こんなに愛した女をやで?
一生かかっても忘れれるわけないやん…。
たぶん、俺、生まれ変わっても……っ』
生まれ変わったら、今度こそ一緒にいようね。
祈りのような、願いを、
章ちゃんと共有できるなんて…
だめだよ、亮ちゃん…
あたし今、
一歩だって動けない…っ
錦[……その大好きなちいが、
もし今この楽屋の前におったりしたら…っ?!]
『っ?!?!?!』
ーッバン!!!ッゴン!
「っ?!?!?!」
急にドアが開いて、あたしのおでこに激痛が走り、
思わずうずくまった…
『あぁ?!ごめんなさい!!俺っ…
……え…?』
慌てた声の主は、
会いたくて会いたくて、
涙が出るほど、愛しい…
「章、ちゃん…っ」『…ちい……?』