16 I wanna watching your smile .
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錦[…で?ええの?
ヤスじゃなくて、俺とこんなとこおって?]
戦わんでいいって言ったんは俺やけど、
あれから一回も姿見せやんと
久々に連絡よこしたと思ったら
俺らはなぜか今ホテルの部屋の中。
ほんっま、人の気もしらんと。
錦[…聞いたで?
ヤスの記憶、戻りかけてるみたいやん。]
支えるって言うたものの、
こいつはおれに頼ってきたりはせんし
ヤスの記憶が戻ったら
こいつもヤスの元に戻っていく…
「…いいんだよ。
あたしも、全部忘れたい。
…もう、辛いの…っ」
は?
錦[やったらなおさらっ]
「章大はっ…優しいんだよ…?
あたしなんかに、気ぃ遣ってさ…」
こいつ…
錦[…っそんなん、]
「っだめなの…!」
錦[…は?]
こいつはほんまに…
「…だめなの。
このまま、あたしが章大のこと大好きなままじゃ、
章大、妃愛さんのとこに行けなくなっちゃう…っ
妃愛さんと幸せになってほしいのっ
章大の足枷になんか、
絶対、なりたくない…っ(泣)」
なんで…
お前は、ヤスじゃないとあかんねやろ?
やから俺は…っ
それやのに、
錦[…それでええんか?]
「…もともと、住む世界が違ったんだよ。
あんなのでも、章大はみんなのアイドルだもん。
あたしばっかり、ずるい…
…
章大とのことは、全部が夢みたいだった。
…夢みたいな、人だから、
夢みたいに、終わりが来るの…
大丈夫。
もとの平凡なあたしに、戻るだけだよ。(笑)」
あぁ。なんかわかってもーた。
こいつには今
ヤスしか見えてない。
俺のことなんかもちろん、
自分のことすら見えてないやんけ。
なんやねん。
錦[…で?
俺にそのお供をしろと?]
じゃあ望み通り、傷つけばいいねん、
せめて俺で……っ
「…ごめん。」
錦[ま、俺からしたら
ラッキーやけどな(笑)]
そう、こんな形でも
俺はお前に触れられることがうれしいと思ってしまう。
言い出したんはお前や…
「そういうと思った(笑)
…亮ちゃんも、優しいもんね…」
錦[…あ?]
なにゆーてんねんこいつ。
やめろや。
俺は優しさなんかじゃなく
お前の傷に付け込もうとしてるってゆーのに…っ
「亮ちゃんも、…亮ちゃんは、優しいけど、
あたしに夢中になったりはしないでしょ?」
錦[…まあな。]
こいつわかってないな。
俺がいつからおまえに夢中やと思ってるん?
正直今すぐにでも押し倒して
お前を俺で無茶苦茶にしたいわ。
泣いてすがってもやめてなんかやらんと、
俺で傷ついて、
俺のにおいが忘れられんくなればいい。
「…だから、ここにいるの。」
これはおれの汚い欲望や。
そんな風に美化すんな…
錦[…ほんまに抱くで。]
「いいの」
錦[抱いたらっ
もう、ヤスには返されへん。]
そう、
返すつもりもない。
これはそういうことやろ?
お前はやっと、俺のもんになんねやろ?
「…いいの。
……めちゃくちゃにして、
あなたに、溺れさせて?」
っ、?!
こいつ、
……本気、か…。
錦[っは、言うやん…。(妖笑)
…
約束したもんな、支えたるって…
ええよ。
お望み通り、忘れさしたる、俺が全部。
俺で、お前ん中埋めたるよ…]
お前が望むなら何でもしたる。
これは嘘じゃない。
今俺がしてやれるのはこれやねんな?
…願ってもないわ。
わかった。
これがほんまにお前のためかとか、
もう知らん。
「…亮ちゃ、」
錦[喋んな。]
まだ戸惑いの残る唇をキスでふさぎ、
煩わしい思考を振り払うように、
少し乱暴にちいをベッドに組み敷いた。
――ドサッ
ちいの瞳が迷いに濡れていたことに
気づかんわけはなかったけど、
かまわず、ちいの全身に
キスの雨を降らす。
静かな部屋に響く口づけの音は、
まるで今までとこれからの
俺らの歯車を組み替えていくようやった。
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丸[………ちゃん……!
りょーーーーーーーーーちゃん!!!]
錦[っ?!?!
っなんやねん丸!!(汗)]
忠[どないしたん、亮ちゃん?
ぼーっとしてさあ。]
錦[…や、悪い、なんもないわ(汗)]
あの夜以来、ちいから連絡はない。
…にしても
もっっっっっったいないことしたあああああ!!!!!
なんっであんなかっこつけたんや俺!
ずっと好きやった女が向こうから誘ってきたのに!
あんなんチャンス千載一遇やん!
プレイボーイの名折れやあああ!!
あかん、思い出したらムラムラしてきた…(笑)
『……うん、大丈夫、
今日はこの後撮影だけやからすぐ帰るよ…
…あ、ごはん?んーーー、
……わかった(笑)
一緒に食べよか!……うん、
…うん…じゃーね!…』
雛[なんやヤス、電話、妃愛か?]
『うん!今日何時に帰ってくんねやー?って。』
錦[え?
ヤス、今妃愛の家泊まってんの?]
横[なんやどっくん、話聞いてなかったんか?
ヤスちょっと前から…]
『俺なっ、今妃愛と一緒に住んでんねん(照)』
…は?
少し照れた口調でそう言ったヤスが
なんか知らん人みたいで気持ち悪かった。
錦[……そーなんや。]
昴[………。]
『って、前におれみんなの前でゆーたやんか!
なんで亮きいてないねん!(笑)』
一緒に住んでるって、結婚?
や、同棲、か…?
あぁ、こいつの中ではもう確実に、
妃愛との時間が流れてるんか…
こいつが妃愛とまた付き合いだしてから
もう半年くらいなるもんな、
前の期間から数えたらもうだいぶ経つし
まあ、当然っちゃ当然なんやろーけど…
雛[っそういえば、亮!
お前最近、ちいと連絡取ってへんか?]
俺の戸惑いをいち早く察した村上くんが、
気を遣ってか話題を変える
錦[…いや、
俺もそれ聞こう思っててん。
村上くん、ちょいちょい電話とかしてたやん?]
雛[や、そやねんけど、
2ヶ月くらい前かな?
一緒に晩飯食ってたら急に帰ってもてなぁ、
家帰ったかな思て電話しても出ぇへんし、
そのあとも音沙汰なしや。]
2ヶ月前…
ああ、あの夜か。
電話出れへんかったんはたぶん、
俺とおった時間やからやろな。
『……っ!』
丸[っ章ちゃん?!どないしたん?!(汗)]
忠[頭痛いんか?!ヤス!]
突然ヤスが、頭を抱えてうずくまった
『…………“ちい”…?…っ(汗)』
ヤスが一言、
落とすようにつぶやいた刹那、
俺らは時計が止まったように固まった。
今、“ちい”って、言った…?
横[…“ちい”?
ヤス、なんか思い出したんか?!]
『…いや、そーゆーのじゃないねんけど…
ただなんか、その名前聞いた途端、
頭の奥の方が痛なって…(汗)』
ヤスの頭はやっぱり、ちいを覚えてるんや、
『でも、ちいちゃんって、
あの亮の彼女やった子やろ?
亮、連絡取ってないって、
あんまりうまくいってないん?』
一瞬頭に血が上って、
ヤスのこと思いっきりどつきそうなったけど、
すぐに冷静になった
錦[……別れたんや。
その話はもー俺の前ですんな。]
[[っ?!………。]]
『っあ、そうなん?
なんか、悪いなあ…っ(汗)』
ばつが悪そうにうつむくヤスの顔を見ると、
罪悪感がないわけやないけど、
ちいにとってそんな残酷な嘘、
これ以上ついてたなかった。
にしてもちい、
村上くんにも連絡してないんか…
いったい今どこで何してんねやろ、
「がんばれ」っていうた俺に向かって、
「ありがとう」っていうたよな。
たぶん、俺のこの想いに気付いたんやろ。
もしかして、
このまま会われへんかったり、しやんよな?
そんなん俺は望んでへん。
俺はただ、お前が幸せそうに笑う顔を
近くで見てたかっただけやのに…っ
ただ、そんな俺のささやかな願いさえもあざ笑うかのように
その後ちいから連絡が来ることはなく、
俺からの電話が、繋がることもなかった