13 Future with you .
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妃愛さんと話し合った次の日、
朝起きるとあたしの目は見事に真っ赤に腫れていて、
どーせだから学校もサボることにした。
どうせ今は、勉強なんて手に付かない。
みんなには、章大のとこに行って
もう一度話し合おうって言われたけど、
あたしはもう話すことはなかったから、
断った。
「…“また来るね”って、
うそになっちゃったなぁ…」
…妃愛さんのことを思うと、
章大の病室に行く勇気が、当分は持てそうにない。
そんなことしてるうちに、
章大はすぐ退院するだろうし、
みんなは、今日章大のとこに行ってるのかなぁ…
…会いたい…
なんてセンチメンタってたって時間は過ぎていくわけで、
立ち止まるわけにはいかない。
…んだけど、
章大のいない世界は、あまりにも色あせて、
本当、何も手に付かない…
あたし、どうしちゃったんだろう…
ープルルルル…プルルルル…
あたしの携帯しかない部屋に鳴り響く
聞きなれた着信音。
ープルルルル…プルルルル…
「……っ」
ー…ッピ。
重苦しい体を起こして、
止まる気配を見せない携帯の受話器ボタンを押し、
電話口を耳に押し付ける。
「……はい。」
雛[なんやちい、授業中ちゃうんか?]
あっけらかんとした声色で話す電話主は、ヒナちゃん。
「…サボり。」
雛[優等生が珍しい~(笑)]
「…何か用?」
つい、そっけなく返してしまう。
わかってるよ。
あたしを心配して掛けてくれてることくらい…
でもね、笑って答えられるほど、
あたしはまだ大人じゃないんだ…
雛[…や、大したことやないんやけど…
ヤスのことでな…]
「…章大が、どうかしたの?」
妙に話しづらそうにする雛ちゃんに、
変な不安と、
一抹の期待がよぎる…
雛[お前、
やっぱいっぺん病院来れへんか?]
「………行かないよ。」
雛[…ヤス、元気ないんや…]
「…妃愛さんは?」
雛[今はおらん。
あいつも仕事あるやろし、
ってか、あんなやつどうでもええねん!
俺はお前に…]
「っだから妃愛さんを悪く言わないでってば!!」
思わず大きな声を出してしまった。
「…っごめん、わかってるの…
でもね、章大のことはもう、さ…
あたしには関係ないから…」
雛[なにゆーてんねん。]
「え?」
雛[ちい、お前肝心なとこ間違えとる。
ヤスは物とちゃうねん。
お前にとっては、妃愛に任して
終わったつもりかも知らんけどな、
あいつにとったらなんも終わってない。
たしかに医者は、
これからリセットしろゆーたかも知らんよ?
でもな、お前らの今までは、
そんなに軽いもんやったんか?
お前にとってヤスの存在が大きかったように、
ヤスにとっても、お前はすべてやったんや。
今、支えたらんでどうすんねん。
…変な理屈こねて逃げんな。
一人じゃないやろ?
…戦おうや。]
聞きながら、ほほに一筋、涙が伝った。
いつもそう、肝心なところで、
ヒナちゃん言葉はあまりにもストレートに胸に届く。
そうだ。
あたし一人で片付けちゃダメ。
どんな結末になるかわからないけど、
どんなに残酷な答えでも、
章大と二人で決めなきゃダメなんだ。
あたしの未来は、あたしたちの未来だったから…
あたしは、一人じゃない。
「……っヒ、ナちゃ…っ(泣)」
雛[…面会時間、7時までやから。]
ー…ツーッ、ツーッ…
電話が切れたと同時に、
あたしの足は章大の病院へと向かっていた。
時計の針はもうすぐ、7時を指そうとしていた。
ごめん、妃愛さん、
あたしやっぱり、章大との未来を
簡単に手放すなんてできない…っ
もしも、章大があなたを選ぶと
あたしの目を見て言うなら、
その時は、潔く笑顔で背中を押すから、
どうかお願い、かっこ悪いけど、
最後に、想いを伝えさせて…っ