まさか
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決闘者としもべという関係。弱い雑魚の俺と、気丈に振る舞うマスター。どう考えても釣り合わないのに、貴女は俺を必要としてくれた。
昨日の夜言われた言葉。
「エルフの剣士。貴方が、その……す……私には必要なの! これからも一緒にいてね!」
期待が膨らんでしまう。あの『す』は、やっぱりその後に『き』が付いたのだろうか、それとも俺の考え過ぎか、できれば、前者を望みたい。
俺はマスターが好きだから。
いつマスターに恋情を覚えたのかは判らない。気付けばマスターに呼ばれる度に胸が高鳴っていた。
そんな俺など気にせずに、午後6時過ぎた頃、マスターのスマートフォンの画面にマスターのご友人から連絡が入る。
『名無し〜! 今から飲みにいくぞ!』
いいな、俺もマスターとお酒を飲んでみたいな。俺は人間でいう未成年ってやつだからお酒は飲まないけど。
しばらくして、マスターが部屋に戻ってきた。
スマートフォンに目を通し、二つ返事で『行く』と打って送信した。
慌ただしく支度をするマスター。急なお誘いだったもんな。
俺は邪魔にならないように、精霊世界へと帰った。
「でさ〜! 彼氏がさ〜!」
(何で俺はここにいるんだろう……?)
知らない場所、記憶をたどるかぎり、俺は精霊世界へ戻り、少し眠っていたはずだ。
「ちょっと聞いてる?」
「聞いてるよ、彼氏がどうしたの」
「最近マンネリなんだよね〜……私に魅力がなくなちゃったのかな……」
マスターのご友人は相当酔っているみたいだ、対するマスターも結構酔っている感じだ。
「てか名無しは恋してるの? 見た感じ彼氏いませんって感じだけど」
「私? ……好きな人いるよ」
「えっ!? マジ!?」
俺の血の気が引いていくのがわかる。聞きたくなかった。俺以外の好きな男がいるなんて。
「この子」
涙で視界が滲む俺をよそに、マスターは1枚のカードをご友人に見せた。
「エルフの剣士……? 2次元にガチ恋してるの?」
「私にはこの子が見えるし、お話も聞いてくれるし、もう何ていうか……愛しいの」
愛しい? 誰が? 提示されてある答えはーー。
(俺……?)
「名無しは夢女子だったっけ……? 頑張れよ!」
22時過ぎ、ご友人はタクシーで帰っていった。
俺は混乱する頭をどうにかしようと、酔ったマスターを支えながら歩くことに集中する。
「エルフの剣士……私の告白聞いてた? 私、酔わなきゃ素直なこと言えないの」
アルコールの匂いがしたが、マスターは至って真剣だった。
「好きだよ、エルフの剣士……私のお婿さんになってください……」
嬉しさで鼓動が速くなる。俺は裏返った声で返事をし、マスターの顔色をうかがった。
「変な声ー」
家に到着した俺達は、マスターをベッドまで運んで、再び精霊世界へ帰った。
「マスターと……結婚……!」
この夜、夢ならさめないでほしいと願い、俺は眠れずにいた。
ーー後に聞いた話だと、マスターは俺に告白するために、眠る俺を居酒屋という場所に持っていったと言った。
ずるいです、俺から告白したかったんです。それを話したらマスターに、「両思いだから良かったじゃん」と笑われた。
昨日の夜言われた言葉。
「エルフの剣士。貴方が、その……す……私には必要なの! これからも一緒にいてね!」
期待が膨らんでしまう。あの『す』は、やっぱりその後に『き』が付いたのだろうか、それとも俺の考え過ぎか、できれば、前者を望みたい。
俺はマスターが好きだから。
いつマスターに恋情を覚えたのかは判らない。気付けばマスターに呼ばれる度に胸が高鳴っていた。
そんな俺など気にせずに、午後6時過ぎた頃、マスターのスマートフォンの画面にマスターのご友人から連絡が入る。
『名無し〜! 今から飲みにいくぞ!』
いいな、俺もマスターとお酒を飲んでみたいな。俺は人間でいう未成年ってやつだからお酒は飲まないけど。
しばらくして、マスターが部屋に戻ってきた。
スマートフォンに目を通し、二つ返事で『行く』と打って送信した。
慌ただしく支度をするマスター。急なお誘いだったもんな。
俺は邪魔にならないように、精霊世界へと帰った。
「でさ〜! 彼氏がさ〜!」
(何で俺はここにいるんだろう……?)
知らない場所、記憶をたどるかぎり、俺は精霊世界へ戻り、少し眠っていたはずだ。
「ちょっと聞いてる?」
「聞いてるよ、彼氏がどうしたの」
「最近マンネリなんだよね〜……私に魅力がなくなちゃったのかな……」
マスターのご友人は相当酔っているみたいだ、対するマスターも結構酔っている感じだ。
「てか名無しは恋してるの? 見た感じ彼氏いませんって感じだけど」
「私? ……好きな人いるよ」
「えっ!? マジ!?」
俺の血の気が引いていくのがわかる。聞きたくなかった。俺以外の好きな男がいるなんて。
「この子」
涙で視界が滲む俺をよそに、マスターは1枚のカードをご友人に見せた。
「エルフの剣士……? 2次元にガチ恋してるの?」
「私にはこの子が見えるし、お話も聞いてくれるし、もう何ていうか……愛しいの」
愛しい? 誰が? 提示されてある答えはーー。
(俺……?)
「名無しは夢女子だったっけ……? 頑張れよ!」
22時過ぎ、ご友人はタクシーで帰っていった。
俺は混乱する頭をどうにかしようと、酔ったマスターを支えながら歩くことに集中する。
「エルフの剣士……私の告白聞いてた? 私、酔わなきゃ素直なこと言えないの」
アルコールの匂いがしたが、マスターは至って真剣だった。
「好きだよ、エルフの剣士……私のお婿さんになってください……」
嬉しさで鼓動が速くなる。俺は裏返った声で返事をし、マスターの顔色をうかがった。
「変な声ー」
家に到着した俺達は、マスターをベッドまで運んで、再び精霊世界へ帰った。
「マスターと……結婚……!」
この夜、夢ならさめないでほしいと願い、俺は眠れずにいた。
ーー後に聞いた話だと、マスターは俺に告白するために、眠る俺を居酒屋という場所に持っていったと言った。
ずるいです、俺から告白したかったんです。それを話したらマスターに、「両思いだから良かったじゃん」と笑われた。
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