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10月

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生徒達は紙とにらめっこしている。
学校祭で出店する催し物が何が良いか、皆で考えているのだ。
「やっぱりコスプレ喫茶だろー! メイドとかチャイナとかゴスロリとかよ!」
男子と女子が意見を交換しあい、ヒートアップしそうなところを白石先生が宥める。
「部活動で出し物をして、時間が決められている人はいないかな? 今のところ名無しさんと宝生さんが、時間が決められているのだけど」
名無しは手芸部の作品販売をする。お買い求めしやすい価格帯で、天然石のブレスレットを作るつもりだ。
(そう言えば美羽ちゃん、何部なんだろ……)
色々考えていたら、コスプレ喫茶に決まったようだ。
「1時間交代な〜」
「くじ引きでなんのコスするか決めろよ〜!」
女子は渋々従って、くじを引く。
名無しも、くじを引いた。
「ん!?」
「どうしたの、名無し
「みっ、美羽ちゃん……! コスプレ何だった……!?」
「わたくしはチャイナ服ですって。はぁ……男子って好色ですこと」
赤色に染色されたくじを見る。
名無しは悲愴に暮れながら、席に着くのであった。

学校も終わり、ポヤーとしながら帰る。
クラクションを鳴らされて、車を避けると、窓を開けて、此方に微笑みかける聖戦士先生がいた。
「本屋に行くんだが、お前もか?」
「はい!」
「また本屋でな」
本屋に着くと、聖戦士先生が少年雑誌コーナーにいた。
「聖戦士先生」
名無し
「先生も少年漫画読むんですね、意外……」
意外とはなんだ、と笑われてしまった。
ちょっとだけ油断した表情だ。思わず胸がときめいた。
「学祭はコスプレ喫茶だったか。お前は何をやるんだ?」
ピシィッ、石になる。
「……聞かない方が良かったか?」
「い、いえ……私が恥ずかしいだけなので……。……メイドです」
「……他の奴に言うのか……。……『御主人様』と」
(軽く嫉妬してらっしゃるのかな……)
ちょっと可愛いなんて思ったら失礼だろうか。思うくらいは良いかな。
「聖戦士先生にしか言いません……御主人様って」
「なっ!? ……お前な……」
「だから来てくださいね」
本を買って、名無しは出ていく。
軽やかな足取りで、家に帰るのであった。

翌日
通学路に、1枚のカードがあった。
「森の聖獣 カラントーサ……?」
うさぎのような、背中に葉があるからうさぎじゃないような、そんなカード。座って手に取ると、小さく光って、カラントーサが現れた。おお、これが精霊。
「……」
お鼻をひくひくさせて、此方の足の匂いを嗅いでいる。
「……」
「落とし物かな……帰りに交番寄って……」
カラントーサはカードに戻る。
「お、お喋りできない……聖戦士先生や美羽ちゃんに言わなきゃ」
駆け足で学校に向かう。校門には聖戦士と美羽がいた。
「ごきげんよう、名無し……そのうさぎは?」
「森の聖獣のカラントーサちゃん……」
「おはよう、名無し、宝生。……そいつ、マスターいないのか」
「捨てられた……可能性あるわね」
「ど、どうしよう……ちょっと懐かれちゃった……」
「あなたがマスターになれば良いのですわ。そうすれば、その子はひとりぼっちにならなくて済みますわ」
「餌とかどうしたら良いかなぁ……」
思案している中、美羽が何かを検索している。
「はい、これこの子を使ったデッキレシピですわ」
「私もデュエルできるの!?」
「ええ」
「良かったな、カラントーサ」
カラントーサは足下で跳ねて、どうやら嬉しそうだった。
「なぁ、名無し
聖戦士先生が真剣な眼差しで、此方を見てくる。
「そいつ触っても良いか」
「もちろんです」
カラントーサちゃん、と呼ぶ。
(ま、すたー)
「カラントーサちゃん?」
頭の中に、カラントーサの心の声らしきものが届く。
こうやって意思疎通するんだなぁと感心していると、聖戦士がカラントーサを触ろうとしていて、カラントーサが足をダンダンしてる。
「お、怒ってますわね……」
「一応コイツは空き教室で預かっておくな、それとも精霊世界の方に行くか?」
(せいれいせかい、もどる)
カラントーサは姿を消した。
「わたくし達も、教室に行きましょう」
「うん」
それから授業を受け、名無しと美羽はカードショップへ行った。
名無し、目当てのカードは見つかった?」
「うぅーん、見つかったことは見つかったんだけど、カードってちょっと高いんだね……」
「ゆっくり集めていけば良いですわ」
ふ、と視線を横に移すと、『聖戦士 カオス・ソルジャー』が置いてあった。
「聖戦士先生……!?」
「あの人は別個体だから、心配しなくても、売られてないですわ。それに、あの人はフリーなの、誰の元にもつかないわ」
「そうなんだぁ〜」
ちょっと欲しい気もするが、名無しは少しだけカードを買って、ショップをあとにした。
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