To my beloved lady
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「マスター」
貴女にしか出さない声音で、名無しを呼ぶ。振り返った名無しは、人混みの中にいる私を見つけると、溢れんばかりの笑顔を見せた。その笑みに私は弱いのだ。まばゆく愛らしい貴女の笑顔は、私のわだかまりをいとも簡単に溶かしていく。
「宵闇」
名無しは小さい手で私の手を掴むと、人の群れの中を歩いていく。
今日は名無しとの、いわゆるデートだ。改めて言うと気恥ずかしいな……と思っていたら、彼女の頬も、耳まで赤く染まっている。微笑ましい。可愛らしい。他者がいなかったら抱き寄せていただろうな。私は欲望に忠実な男らしい。呆れ半分で内心自分を笑った。
初々しい感じはするが、デートをするのは初めてではない。これで3回目だ。今回のデートは名無しの服を見立てに都会まで来た。私は飾らない普段の貴女の方が好きなのだが……まぁ服に気を遣い、いつもと違う貴女も好きだ。
「わぁ……!」
名無しが止まった。視線の先には純白のウェディングドレス。
「きれいだね、私もいつか宵闇と……」
名無しの表情が一瞬にして、悲しむものとなった。
私は人間ではない、モンスター カードの精霊。俗に言う異種間恋愛。誰にも許されることはなく、そして祝福してもらえることもないーーそれでも。
「よく聞いてほしい。私は必ず名無しを妻として迎えにいく、少しだけ待っていてはくれないだろうか」
名無しに跪いて、衆目も気にせずに彼女の手の甲に口づけをした。
「待っているわ、必ず迎えにきてね。愛してる、宵闇」
名無しの目尻から涙が溢れる。
名無し、私は貴女のためなら何でもする。たとえ神の逆鱗に触れようと、必ず、貴女をーー
貴女にしか出さない声音で、名無しを呼ぶ。振り返った名無しは、人混みの中にいる私を見つけると、溢れんばかりの笑顔を見せた。その笑みに私は弱いのだ。まばゆく愛らしい貴女の笑顔は、私のわだかまりをいとも簡単に溶かしていく。
「宵闇」
名無しは小さい手で私の手を掴むと、人の群れの中を歩いていく。
今日は名無しとの、いわゆるデートだ。改めて言うと気恥ずかしいな……と思っていたら、彼女の頬も、耳まで赤く染まっている。微笑ましい。可愛らしい。他者がいなかったら抱き寄せていただろうな。私は欲望に忠実な男らしい。呆れ半分で内心自分を笑った。
初々しい感じはするが、デートをするのは初めてではない。これで3回目だ。今回のデートは名無しの服を見立てに都会まで来た。私は飾らない普段の貴女の方が好きなのだが……まぁ服に気を遣い、いつもと違う貴女も好きだ。
「わぁ……!」
名無しが止まった。視線の先には純白のウェディングドレス。
「きれいだね、私もいつか宵闇と……」
名無しの表情が一瞬にして、悲しむものとなった。
私は人間ではない、モンスター カードの精霊。俗に言う異種間恋愛。誰にも許されることはなく、そして祝福してもらえることもないーーそれでも。
「よく聞いてほしい。私は必ず名無しを妻として迎えにいく、少しだけ待っていてはくれないだろうか」
名無しに跪いて、衆目も気にせずに彼女の手の甲に口づけをした。
「待っているわ、必ず迎えにきてね。愛してる、宵闇」
名無しの目尻から涙が溢れる。
名無し、私は貴女のためなら何でもする。たとえ神の逆鱗に触れようと、必ず、貴女をーー
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