超戦士は頭を抱える。
（ううむ、名無しは何が好きなのだろうか）
プレゼントを渡すのだ、自己満足で終わりたくない。
ネットを見ていると、同じような悩みを持つ男性は世の中には多いらしい。
そんな情報を見ていたら、夜更けになってしまった。超戦士は目処をつけ、その夜は眠ることにした。
そして超戦士は絶望する。起きたら軒並み商品がSOLD OUTと表示されている。
「……」
何も用意できなかった超戦士は、申し訳ない気持ちで名無しの所へ向かった。

後ろから声をかける。自分でも判るくらい声が沈んでいる。
「どうしたの、超戦士……」
「まず貴方に謝らなければならない。プレゼントを用意できなかったのだ、すまん」
名無しはキョトンとして、ケラケラ笑う。
「良いのよ、超戦士からはいつももらってばかりだから」
「……？　何もあげてはないと思うが……」
「もらっているのよ、こんな風に、幸せな気持ち」
抱き締められてしまった。抱き返すと、少し照れた笑いが漏れる。
「ケーキ食べよう、食べさせてあげるね」
ショートケーキを口に運ばれると、甘い味が広がった。
（貴方と逢えて、良かった）