サンシャイン
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春の気配を感じる。道行く人が春の装いになり、花粉が飛ぶようになってきた。カオス・ソルジャーは忌々しげに眉をしかめると、くちゅんとくしゃみをした。
「お家デートの方が良かったかな?」
名無しが話しかけてくる。
「いや、ふたりで出かけることなんてあまりない。花粉だけは小憎たらしいがな……」
彼女を一瞥する。何となくカオス・ソルジャーの頬が赤くなった。
(可愛すぎる……なんだそのけしからん唇は。口紅の色も変えたな、よく似合っている。くっ、この俺を誘っているのか?)
今すぐにでも唇を奪いたい衝動を抑えながら、名無しと手を繋ぐ。
(手も柔らかくてなめらかでずっと握っていたい……)
思わずはぁ……と恍惚を秘めたため息が出た。
「デート、つまらない?」
「それは楽しい。名無しの……いや、なんでもない」
本音が漏れそうなところだった。視線をビルに移したその時。
「きゃっ……!」
名無しがすれ違いざまに、男性にぶつかった。
「おい! どうしてくれんだよネーチャン……アンタがぶつかっちまったせいで鞄汚れちまったろ!」
「す、すみません……!」
涙ぐんで相手を見遣っていた。嫌な予感が背中を走る。
「……アンタなかなかに可愛いじゃねぇか……? オレと一杯付き合ってくれたら許してやる……」
「貴様」
男の言葉を遮り、カオス・ソルジャーは男の腕を掴むと、眼下にいる男を睨んだ。
「こいつから今すぐ手を離せ、さもなくば斬る」
「ひっ、ひいいいい!」
男はカオス・ソルジャーの気迫に気圧され、どこかへ逃げてしまった。
「大丈夫か」
名無しは頷き、カオス・ソルジャーに寄り添った。怖かったのだろうか、手が震えている。
「俺がいる、恐れるな」
再び手を繋いで、街の中をゆっくり歩く。
「カオス・ソルジャーは頼りになるね、本当に、そばにいると安心するわ……」
「ずっとそばにいてやる、名無しを守るためにな」
そういえばと言って、カオス・ソルジャーは立ち止まる。そして唇の輪郭に触れた。
「口紅の色を変えたか、よく似合ってるぞ」
柔らかな微笑みが、先程の緊張を溶かしていく。
「気付いてくれたんだ、嬉しい」
人混みが少なくなったとき、風のように軽く唇同士が重なった。
「俺の心をどれだけかき乱せば気が済むんだ、まったく……」
「待って、カオス・ソルジャー! その続きは後でね……!」
「存分に可愛がってやるから、覚悟を今の内にしておくんだな」
口角が上がるカオス・ソルジャーを見て、名無しは今後のことを思い、一日中赤面していた。
「お家デートの方が良かったかな?」
名無しが話しかけてくる。
「いや、ふたりで出かけることなんてあまりない。花粉だけは小憎たらしいがな……」
彼女を一瞥する。何となくカオス・ソルジャーの頬が赤くなった。
(可愛すぎる……なんだそのけしからん唇は。口紅の色も変えたな、よく似合っている。くっ、この俺を誘っているのか?)
今すぐにでも唇を奪いたい衝動を抑えながら、名無しと手を繋ぐ。
(手も柔らかくてなめらかでずっと握っていたい……)
思わずはぁ……と恍惚を秘めたため息が出た。
「デート、つまらない?」
「それは楽しい。名無しの……いや、なんでもない」
本音が漏れそうなところだった。視線をビルに移したその時。
「きゃっ……!」
名無しがすれ違いざまに、男性にぶつかった。
「おい! どうしてくれんだよネーチャン……アンタがぶつかっちまったせいで鞄汚れちまったろ!」
「す、すみません……!」
涙ぐんで相手を見遣っていた。嫌な予感が背中を走る。
「……アンタなかなかに可愛いじゃねぇか……? オレと一杯付き合ってくれたら許してやる……」
「貴様」
男の言葉を遮り、カオス・ソルジャーは男の腕を掴むと、眼下にいる男を睨んだ。
「こいつから今すぐ手を離せ、さもなくば斬る」
「ひっ、ひいいいい!」
男はカオス・ソルジャーの気迫に気圧され、どこかへ逃げてしまった。
「大丈夫か」
名無しは頷き、カオス・ソルジャーに寄り添った。怖かったのだろうか、手が震えている。
「俺がいる、恐れるな」
再び手を繋いで、街の中をゆっくり歩く。
「カオス・ソルジャーは頼りになるね、本当に、そばにいると安心するわ……」
「ずっとそばにいてやる、名無しを守るためにな」
そういえばと言って、カオス・ソルジャーは立ち止まる。そして唇の輪郭に触れた。
「口紅の色を変えたか、よく似合ってるぞ」
柔らかな微笑みが、先程の緊張を溶かしていく。
「気付いてくれたんだ、嬉しい」
人混みが少なくなったとき、風のように軽く唇同士が重なった。
「俺の心をどれだけかき乱せば気が済むんだ、まったく……」
「待って、カオス・ソルジャー! その続きは後でね……!」
「存分に可愛がってやるから、覚悟を今の内にしておくんだな」
口角が上がるカオス・ソルジャーを見て、名無しは今後のことを思い、一日中赤面していた。
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