風邪には要注意
「あれ?ほのは?」
スタジオ入り。
いつもは自分より早くに来ている彼女が今日は見当たらない。
連絡もつながらないしおかしいなと思った。
まさか、事故?事件?なんて思ってスタッフに聞いてみると、
「今日休みなの。熱があるんだって、体調不良」
よかった、と思うのも束の間。
熱だなんて絶対にしんどい。
しかも一人暮らしだし意外とあの子何もできないし、なんとかなるやろ精神やから心配でしかない。
私はその日、ずっと上の空で集中できなかった。
「お疲れ様でしたー!」
「あれ、森田さん今日早いねー!おつかれー!」
いつも帰るのが遅い私だったからスタッフのみんなも驚いてる。
私は急いであの子の元へ向かう。
ーー
ガチャ
「よかった、鍵はかけてる、」
鍵は昔からもらっていた。
「ほのちゃんー?お邪魔しまーす」
電気は付いてなかった。
ゴホゴホという咳の音だけが聞こえる。
それだけでしんどそうだった。
部屋に入るとベットで彼女は寝ていた。
おでこには冷えピタ。
近くにはお水と体温計。薬の袋もあった。
髪の毛は少し汗で乱れていてどこか寝顔もしんどそうだった。
「あっつ、」
彼女の首元に触れるとそれはそれは熱かった。
きっと今体温が上昇しているんだろう。
私は新しい冷えピタと濡れたタオルを用意して彼女の顔まわりを拭う。
「ひいちゃ、、ん」
私が彼女を触ったせいか重たい瞼をゆっくりあけてうつろな目で私を捉えた。
「ほのちゃん、しんどいな。寝といていいよ」
「…ひいちゃんの手冷たくて、、気持ちいい、な、」
私の手を自分の頬に持ってきてまたゆっくりと瞼を閉じる彼女。
こんな時でも可愛い愛おしいと思ってしまう。
ーー
目を開けると時刻は24時を過ぎていた。
彼女の家に来たのが21時過ぎだったからあれからちょっと私も寝てしまってたんだ。
手はそのままほのちゃんのほっぺにあるままだった。そっと手をどけて再びタオルを濡らしに行く。
さっきと比べて少しは表情が落ち着いていると思う。しかしまだ汗をかいてるのか首元あたりはびっしょりで髪の毛がへばりついている。
私はタオルを当てて起こさないようにゆっくりと汗を拭く。
「ひいちゃん、」
「あ、ごめん、起こした?」
「ううん、、ずっといてくれたん?」
「ごめん私も少し寝ちゃってた」
「来てくれてありがとう、、嬉しい、」
「どう?まだしんどいやろ?」
「うん、まだ身体はちょっとだるいかな、、でもひいちゃんのおかげで少しはよくなった」
「わたし何もしとらんよ。あ、なんか欲しいものとか食べたいものとかある?買ってこようか?」
ギュッ
「…ここにおって」
「うん、、そうする。あ、、汗かいてるから今のうちに着替えとく?わたし洗っといてあげる」
「…うん、そうする汗びっしょりやもんなわたし。そこの棚にパジャマがあるんやけど、」
「これやな」
「ありがとう、、」
「起きれる?」
「ん、、うん、大丈夫」
ばたん
「え?」
「あかんわ、、やっぱり起き上がるのしんどいからまた後で着替えようかな、、はは、、久しぶりやな、こんな感じ」
「…」
「え、ちょ、、」
「私が着替えさせてあげる」
「あ、でも汚いし、」
「いいから、病人は黙ってなさい」
「…は、恥ずかしいねんけど、、」
「それよりも恥ずかしいこといっぱいしてるけど?」
「ひいちゃんのアホっ、、変態、」
「やばい、、」
「な、なに、?」
服のボタンを外すとほのちゃんの下着が露わになった。いや病人だと自分に言い聞かす。
「はい、手バンザイして」
「ん、、」
服を着せようとほのちゃんに襲いかぶさるように近づく。
体温が熱いからなのか熱が伝わる。
服をきて熱で赤く染まった顔が露わになったほのちゃんが出てきて私の胸が熱くなった。
「無理」
「え?」
ギュッ
「ちょ、ひいちゃん、、私熱が、、」
「ごめん、しんどいのに。」
「…」
「理性失いかけてる」
「!!ば、ばか!」
「だってほのちゃんが可愛すぎるし、、え、エロいし、」
「着替えなんかせんかったらよかった!!」
「…顔真っ赤やで?」
「ね、熱のせいや!」
「…可愛い、、早くよくなって?」
次の日、元気になったほのちゃん。
「ひいちゃん昨日は看病してくれてありがとうな、お陰でよくなったよ!」
「…」
「ひいちゃん?」
「あ〜…むり、、抱かせて」
「!!!このエロひいちゃん!!」
「熱の時は色っぽかったけどな〜」
「一生抱かさへん」
「ごめんごめん〜」
「あの2人どんなやりとりしてんのやろ」
「さぁ?また変なやりとりしてんじゃない?」
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