ヴァンの夢

ヴァンが駆け寄ってくる。

「ねえねえ・・バルフレアから、また飛行艇のこと
いろいろ教えてもらったんだ!。」

「そうか。良かったな」

「うん!。でも、いっぱい覚えることあるなあ…聞いてくれる?」

ヴァンがあれやこれや話してくれる。君の瞳はキラキラ輝いて、それは楽しそうだ。
そんな君を見ているだけで、しあわせだよ。

私は飛行艇については詳しくないし、ただ聞き役にしかなれない。
一緒に話題に入れたら楽しいのかもしれないが。

「もし、将来オレが飛行艇を操縦できるようになって、
しかも自分のを手に入れたら、真っ先に乗せてやるからな!!」

「え…!。」

「ヤダ?。乗りたくない?」

「とんでもない!。それは光栄だな。ぜひとも頼む」

「良かったあ!。最初にバッシュに乗ってもらわないと意味ないよ」

「ありがとう・・ヴァン。でもいいのかい?」

「当たり前じゃん!。
やっぱり最初に大好きな人と一緒に乗りたいんだ・・オレ・・。へへ」

そこで、ヴァンが「あ!」という顔をした。

「その前に、とにかくお金貯めなきゃ・・」

現実に引き戻され、ちょっぴりシュンとなったヴァン。
私は励ました。

「君の信じる道を行きなさい。どんな夢もあきらめないで」

「バッシュ・・」

「君の夢は私の夢として、応援するよ」

ヴァンの顔がぱっと明るくなる。

「うん。少しずつ、進めば良いんだよね」

いつか二人、飛行艇で空中散歩と洒落てみたいものだ。
私はずっと待っているよ。
1/1ページ
    スキ