バシュヴァン2014年

「ヴァン!。ヴァン・・?大丈夫か?」

オレを揺さぶる大きな手。目を開けると、
バッシュがとても心配そうに覗きこんでいた。

「え・・オレ、何かした?」

「だいぶうなされていたよ・・その・・兄さん、と・・」

バッシュの顔が、とても悲しい表情になる。

そうだった。バッシュより先に寝たんだよな、オレ。
確かに夢を見ていた気がするが、あまり覚えていない。

「その・・本当にすまない。私のせいで、君に辛い思いをさせているな。」

「ねえバッシュ!それはもう言わないって、あれだけ約束したじゃん。
何もかも自分が悪いみたいに思うなよ。」

「しかし・・」

「兄さんは確かに酷い目にあったけど・・バッシュがわかってくれてる。
そして、オレもやっぱり兄さんは正しかったと信じてる。
それだけで、十分なんだ。だから、バッシュも自分を責めないでくれよ。」

バッシュは黙ってうつむいた。

オレはバッシュに抱きついてみる。彼は、ちょっとうろたえた様子だ。

「バッシュ、ギュッとして。少しの間でいいから、こうしていたい。
そうしたら、きっと落ち着いて眠れる気がする。」

「私なんかでいいのか?」

「ふふっ、バッシュといると、安心できるんだ、オレ。」

バッシュは、大きな手でそっとオレの髪をなでてくれた。
ゴツゴツしてるけど、バッシュの体温が伝わってくるみたい。
あったかい。普段は剣を握っている手の、優しいぬくもり。

「そう言ってもらえると、ホッとするよ」

彼の顔が、やっと穏やかになった。もう悲しい顔はしないでほしい。

オレ、バッシュの事がきっと好きだよ。
本当は、少しと言わずずっとこうしていたいな。
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