バシュヴァン2010年

『じゃあな。』

「不意に別れを告げ、君は振り向きもせず去っていった。
巣立った鳥は二度とここへは戻らない。

全てを棄てる事も厭わないなどとは、体裁を繕っただけの自分への欺瞞だ。
誰より何より一番君に執着している。

如何なる事があっても君だけは失いたくない、と!!

なんと浅ましく愚かしい。
君も、そんな私におそらく呆れてしまったのだろう?

声が嗄れるまで叫んでも、何一つ還りはしないのだ。
残るのは、自嘲的な笑いだけ。

『籠の鳥』だった頃と比べ物にならないほどの絶望感に打ちひしがれて、
それでも私は生きていかねばならないのか。」

…時々、夢にうなされる。

目が覚めてふと横を見れば、君は小さな寝息をたてている。
その無垢な寝顔に、私は安堵する。

あれは、遠くない未来なのだろうか。
それともただの夢で終わるのだろうか。
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