二人で食事を

オレが焼いた肉を使って、バッシュがナイフとフォークの使い方を教えてくれるって!

「いいかい?、ヴァン。こうして持ったら・・」

バッシュが後ろから、腕を伸ばしてオレの手を握る。

右は右、左は左の手。

右のナイフを動かしながら、

「力まかせに前後にひくのではなくて、ゆっくり押し切る感じで・・」

彼の大きくてごつい手。あたたかい。

「切る物はフォークでこう抑えて。自分が食べやすい大きさにすればいいよ」

「ふーん・・」

バッシュがやると、サクサク切れていく感じ。オレはほとんど力を入れていない。

一人でもできるかなあ。

「ソースやなんかがついていれば、ナイフでのせて・・」

バッシュがオレの顔のすぐそばで話してる。耳元で囁かれてるみたいで、変な感じ。

んー、この体勢、武器を手取り足取り教えてもらってる時と同じだなあ
…なんて思って、笑いそうになった。

「ヴァン、聞いてるかい?切れたら、こうしてフォークに刺して後は口に持っていく」

フォークを握ったオレの左手を掴んだまま、バッシュはその肉を…
自分の口に持っていって食べちゃった!

「あー!!」

「ふむ・・なかなか良い塩加減だ。ヴァンは味付けが上手だな」

口をもぐもぐさせながら、バッシュはにこやかだ。

「何だよぉ・・」

「後は自分でやってごらん」

バッシュはオレから離れた。

「ちぇー・・わかった。やってみる」

オレが考え事してたから?。
バッシュってお茶目なのか、意地悪なのかよくわかんないや…。
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