想いよ、届け

最近、オレはどうしちゃったんだろう。

気が付くとバッシュのことばかり考えてる。バッシュのことばかり追ってる。
すると、目が合ってしまってドギマギする。バッシュが視界に入ってないと、不安で寂しくてたまらない。

会いたい、話したい、っていつも頭がいっぱい。

なのに、いざ目の前にバッシュがいると、何話していいかわかんなくなる。
あれもこれも・・って思っているうちに。

最初は兄さんの仇だと思ってた。
でも、絶対違う・・。兄さんが言ったこと覚えていて、オレと
会ったらそれを思い出してくれるなんて。

戦う時も自分が盾になって、しょっちゅう庇ってくれた。
彼の眼差しはいつもあたたかくて、優しい。

それに気付いて以来、いつの間にか・・オレ、バッシュのこと・・

・・そうか。好きなんだよな。

何だか切なくて苦しい。どうすればいい?誰かに相談した方がいいのかな。

だけど、バルフレアはバカにしそうだし、パンネロは皆に言いふらしそうだし、
アーシェは相手にもしてくれなさそうだし・・やっぱりフランかな。
一番オトナって感じだしさ。

どうしよう…いつ切り出そうか、迷っていたけど。
フランが一人の時に、急いで声をかけてみた。

「どうしたの?。二人きりで話がしたいなんて、いきなりね」

「あのさ、ちょっと聞いてくれるかな」

オレは、しどろもどろになってしまって、どこから話そう。

「何か相談でもあるの?」

迷ったけど、オレはそのまま胸のうちを打ち明け始めた。
そこそこ話が進んだところで、彼女はすかさず言った。

「あなた、恋してるのね」

顔が熱くなるのが自分でもわかった。

「図星か。あなた、バルフレアよりわかりやすいわ」

フランは笑い出した。面白がってるみたい。

ちぇ!やっぱり話さなきゃ良かった。後悔した。オレはふくれっ面をしていたんだろうな。

「・・本人に直接言うのが一番いいのではなくて?」

「ええ!!それができるなら、相談なんかしないよ。
どうしたらいいかわからない」

「でも、私がどうこう割り込むことではないわ。気持ちは言葉にしなければ、相手に伝わらないでしょう?
それとも、ずっと一人で想っているだけでいいの?」

「バッシュ、嫌じゃないかなあ・・」

思わず不安を口にしてしまった。

「彼は大人だわ。少なくともあなたの心を傷つけるようなことは絶対しない。
自分で確かめてごらんなさい」

「うん・・」

「バッシュとよく目が合うのよね?彼もあなたをしょっちゅう見ているということじゃないの?」

「あ!・・でもまさか・・」

バカにして笑ったのかと思っていたけど、フランの目は真剣だった。
そして、一瞬だけど寂しげな色を浮かべたんだ。

「その純粋な気持ち・・大切になさい。結果がどうあろうと
あなた自身にとって、それはプラスになるはずよ」

「そうかな・・」

「羨ましいわ・・私は・・」

フランは何か言いかけたけど、すぐに微笑むと

「がんばってね。楽しみにしてるわ」

「え?!何を!!」

そのまま行っちゃったよ・・何が言いたかったの?フラン。
1/2ページ
スキ