戦士の傷

----- 今日はどれほどの血を流したんだ、オレは。
戦いの後は血の匂いがずっと残っている気がする ----

彼は膝を抱えてうずくまり、怯えていた。
その背中が普段と違って小さく見える。

「…ねえ・・バッシュ」

私に向かって腕を伸ばすヴァンの声は掠れていた。

「忘れると良い…」

「忘れてはダメだと思う…でも怖いよ・・だから。
バッシュがそばにいてくれれば、安心なんだ。」

「・・そうか…」

労わるように優しく抱きしめた。頭をなでてやる。
まるで小さな子供のようだな。いつもの元気な君はどうした?。

こればかりは彼自身で乗り越えてもらうしかない。
私は一緒にいてやることしかできない。
抱きしめてやることしかできない。

戦士は傷ついても、戦いは終わらない。
終わった時は死ぬだけだ。
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