暗闇の先に
いつものお宝探しだから・・そう思ってつい慣れない場所にまで
踏み込んだのがいけなかった。
ふと気付けば仲間達とはぐれ、パンネロと二人だけ。
辺りも薄暗い。このままでは夜になってしまう。
気持ちは焦るばかりで、冷静でいられない。
余計に判断力が鈍る。
さんざん連れ回されて、パンネロも疲れただろう。
正直なところ、オレも心細い。
でも、男なのにそんな弱音は吐けないじゃん。
足取りも重くなり、後ろを歩いていたパンネロが、
しゃくり上げる。
「おい・・な、泣くなよ、パンネロ。オレが絶対守ってやる」
「ご、ごめん。ヴァン。大丈夫・・」
そう言いながらも、オレは困惑していた。もう限界かな。
ああ・・こういう時、兄さんが一緒にいてくれたら。
その時、突然目の前に影が飛び出した。
「うわあ!!・・く、来るなら来い!!オレが相手だ。
パンネロに何かしたらタダじゃおかないぞ!!」
震えながらも、オレは慌てて短剣を構えた。
「ヴァン!、パンネロ!。こんなところにいたのか。
やっと見つけた」
人が?。しかも、この声は・・。
「あ!!兄さん!!・・良かった・・」
全身の力が一気に抜けて、その場にヘナヘナと座り込みそうに
なってしまった。
「探しに来てくれたんだね。ちょっと迷っちゃって・・」
そう言って、歩み寄ろうとした時、兄さんの平手が
オレの頬に飛んだ。
「ばかっ!!。パンネロは女の子なんだぞ!
危険な目に合わせたらどうするんだ?!
・・・下手したら命を落とすかもしれない!それに・・。」
「やめて!レックス!!。ヴァンのせいじゃないの。私・・」
「違う!!。パンネロじゃない、オレが悪いんだ、
オレが・・しっかりしてないから」
兄さんはオレ達から顔を背け、ぽつりと言っただけだった。
「もういい・・行こう。皆、心配して待ってる。」
兄さんと二人で家に戻ってからも、何だか気まずい。
あれから口をきいてくれない。食事の時も、ずっと無言のまま。
あやまりたいのに・・。
薄暗い部屋で、二人。兄さんが寄ってきた。
「…ヴァン…ほっぺ・・赤くなってる。痛かったろ?
・・ごめんな」
兄さんは手を差し伸べ、オレの頬をそっとさすりながら言った。
「違う!オレの方こそゴメン!。兄さんに迷惑かけて。
パンネロにも怖い思いさせちゃって・・」
暗がりでも、兄さんが悲痛な表情を浮かべているのがわかった。
オレは、胸が痛くなる。
「パンネロもだけど、おまえが心配だったんだ。
もしものことがあったら、って。」
兄さんは、オレの事を抱き寄せた。手がかすかに震えている。
「父さんと母さんが死んだ時、誓ったんだ・・
ヴァンはオレが守るって・・二人で頑張って生きていく、って・・。
お前までいなくなったら・・たった一人の家族なのに!。
オレ・・オレ・・」
「兄さん・・」
「もう、オレを一人にしないで・・」
いつも優しくて、頼りがいがあって、自慢の兄さん。
オレのこと守ってくれている、その兄さんが、泣いている!。
こんな弱々しい姿を見たのは、初めてだ・・。
「ごめんね、兄さん。・・心配かけて、ごめん・・」
オレも、泣いてしまった。そのまま謝りっぱなしだった。
兄さんに頼ってばかりじゃダメだよね。
もっとしっかりしなきゃ・・そして強くなりたい。
今度はオレが兄さんを守れるくらいに。
今は暗闇でも、きっとその先には光があるよね。
兄さんと一緒なら、大丈夫だと信じてる。
踏み込んだのがいけなかった。
ふと気付けば仲間達とはぐれ、パンネロと二人だけ。
辺りも薄暗い。このままでは夜になってしまう。
気持ちは焦るばかりで、冷静でいられない。
余計に判断力が鈍る。
さんざん連れ回されて、パンネロも疲れただろう。
正直なところ、オレも心細い。
でも、男なのにそんな弱音は吐けないじゃん。
足取りも重くなり、後ろを歩いていたパンネロが、
しゃくり上げる。
「おい・・な、泣くなよ、パンネロ。オレが絶対守ってやる」
「ご、ごめん。ヴァン。大丈夫・・」
そう言いながらも、オレは困惑していた。もう限界かな。
ああ・・こういう時、兄さんが一緒にいてくれたら。
その時、突然目の前に影が飛び出した。
「うわあ!!・・く、来るなら来い!!オレが相手だ。
パンネロに何かしたらタダじゃおかないぞ!!」
震えながらも、オレは慌てて短剣を構えた。
「ヴァン!、パンネロ!。こんなところにいたのか。
やっと見つけた」
人が?。しかも、この声は・・。
「あ!!兄さん!!・・良かった・・」
全身の力が一気に抜けて、その場にヘナヘナと座り込みそうに
なってしまった。
「探しに来てくれたんだね。ちょっと迷っちゃって・・」
そう言って、歩み寄ろうとした時、兄さんの平手が
オレの頬に飛んだ。
「ばかっ!!。パンネロは女の子なんだぞ!
危険な目に合わせたらどうするんだ?!
・・・下手したら命を落とすかもしれない!それに・・。」
「やめて!レックス!!。ヴァンのせいじゃないの。私・・」
「違う!!。パンネロじゃない、オレが悪いんだ、
オレが・・しっかりしてないから」
兄さんはオレ達から顔を背け、ぽつりと言っただけだった。
「もういい・・行こう。皆、心配して待ってる。」
兄さんと二人で家に戻ってからも、何だか気まずい。
あれから口をきいてくれない。食事の時も、ずっと無言のまま。
あやまりたいのに・・。
薄暗い部屋で、二人。兄さんが寄ってきた。
「…ヴァン…ほっぺ・・赤くなってる。痛かったろ?
・・ごめんな」
兄さんは手を差し伸べ、オレの頬をそっとさすりながら言った。
「違う!オレの方こそゴメン!。兄さんに迷惑かけて。
パンネロにも怖い思いさせちゃって・・」
暗がりでも、兄さんが悲痛な表情を浮かべているのがわかった。
オレは、胸が痛くなる。
「パンネロもだけど、おまえが心配だったんだ。
もしものことがあったら、って。」
兄さんは、オレの事を抱き寄せた。手がかすかに震えている。
「父さんと母さんが死んだ時、誓ったんだ・・
ヴァンはオレが守るって・・二人で頑張って生きていく、って・・。
お前までいなくなったら・・たった一人の家族なのに!。
オレ・・オレ・・」
「兄さん・・」
「もう、オレを一人にしないで・・」
いつも優しくて、頼りがいがあって、自慢の兄さん。
オレのこと守ってくれている、その兄さんが、泣いている!。
こんな弱々しい姿を見たのは、初めてだ・・。
「ごめんね、兄さん。・・心配かけて、ごめん・・」
オレも、泣いてしまった。そのまま謝りっぱなしだった。
兄さんに頼ってばかりじゃダメだよね。
もっとしっかりしなきゃ・・そして強くなりたい。
今度はオレが兄さんを守れるくらいに。
今は暗闇でも、きっとその先には光があるよね。
兄さんと一緒なら、大丈夫だと信じてる。
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