碧棺 左馬刻
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みなさんこんにちは。
私は今、初めてシブヤという所に来ています。というのも、女将さんのお知り合いの方がシブヤでお店をやっていらっしゃるそうなのですが、従業員の方の体調不良などにより人手が足りないとのことで私に声がかかったのです。お知り合いの方も小料理店を経営されているそうで、勤務は夕方からなのですが、初めてくる所でもありますし、まずはお店の場所を確認しておこうとお昼過ぎに電車に乗ってきたのですが…
「困りました…忠犬さんはどこでしょう?」
その小料理屋さんにはかの有名な忠犬さんの像がある所から地図通りに進まなくてはならないのですが、一向にその出口にたどり着けません。
シブヤに行くことになったと左馬刻さんにお伝えしたときに言われた言葉を思い出します。
お前は絶対に迷うから変に動き回らず、人に聞け、と。
そうして同時に思い出されるのがあの日のこと。左馬刻さんの体温、匂い、息遣いを今までで一番近くに感じた時のこと。左馬刻さんに抱きしめられた時のことを鮮明に思い出してしまい、自身の体温が急上昇するのを感じます。
あれから左馬刻さんには会えていません。お仕事が忙しいようで、シブヤに行くと話せたのも一度電話を頂いたからです。今まで、左馬刻さんのことを考えると心がほくほくして温かかったのに、最近は少し緊張してしまいます。どくどくと速まる鼓動に戸惑います。こんな感覚は初めてで、私は自身の高まりを持て余していました。
左馬刻さんのことを思うと、思考も行動もパンクしてしまうので一度頭を切り替えることにしました。そして親切な駅員の方に助けて頂き、なんとか忠犬さんの像にたどり着くことができました。
忠犬さんの凛々しいお姿に感動したのも束の間、まずその人の多さにとてもびっくりしました。ヨコハマも大勢の方で賑わっていますが、またそれとは少し違うような…人と人の間を縫うように歩かなくてはなりません。
しかし、ここでへこたれている場合ではありません。まず一歩を踏み出さなくては!そう意気込んで女将さんから頂いた地図を見ます。しかし、何を基準にどう見たらいいのかわかりません。私はどうやら地図が壊滅的に読めないのだと、そのとき新たに自身の発見を致しました。この先どうしたらいいのか途方に暮れていると声を掛けられました。
「お姉さん!困った顔してどうしたの?」
振り返るとそこには、ピンク色の髪をした、とてもかわいらしい方がいらっしゃいました。
「道がわからなくて…」
「そーなの?よかったら案内しよっか?」
「本当ですか?!」
なんて親切な方なのでしょう!困った様子の私に声を掛けるだけでなく、道案内をしてくださるなんて!人の優しさに触れて、心がほくほくしていると、再び左馬刻さんからの言葉を思い出しました。
道を聞く相手は慎重に選べ、そして知らない奴には絶対についていくな、と。
左馬刻さんからの言葉を思い出し、どうしようかと悩んでいると、クスクスと笑い声が聞こえました。
「左馬刻に何か言われてるのかな?左馬刻も過保護だねぇ」
「えっ、左馬刻さんを知っていらっしゃるのですか?」
「もちのろーん★昔一緒にチーム組んでたしね」
目の前の男性…少年?はそう言うと携帯を操作して私に一枚の写真を見せてくださいました。
「これは…左馬刻さんですか?!オールバック…!」
「そだよ~!今と髪型違うから驚いた?」
その写真には今と髪型の違う左馬刻さんと目の前の男性がツーショットで写っています。
お酒の席で撮られたのだろうことがわかるものでしたので、目の前のこのかわいらしい方が成人男性なのだとわかりました。左馬刻さんのお知り合いの方なら安心です!
「あの、本当によろしいのでしょうか?道案内をお願いしてしまっても」
「ふふ、もちろんだよ!僕もお姉さんと話せるなら嬉しいし★僕は飴村乱数っていうんだ!」
そう言うと飴村さんは私と肩を組んで携帯を構えます。
どうやら液晶を見るとカメラを起動しているようで私と飴村さんが映っています。
「?!飴村さん!私の頭に耳が生えています!」
「あっはは、お姉さんアプリ初めて?ほら撮るよ~」
早速、撮った画像をあの強面過保護な男に送りつけて乱数は楽しそうに笑みを浮かべた。どんな反応が返ってくるのかは大体想像がつくが、楽しみなことに変わりはない。
想像していた通り、左馬刻の知り合いだとわかった瞬間に警戒をといた彼女(これも左馬刻の過保護により持ち得ていたものだが)は気付かない。なぜ、乱数が彼女と左馬刻に繋がりがあることを知っていたのかを。
これから自分が持っている情報をそれぞれの役者に与えたとき、どんな風に立ち回ってくれるのか…今後の展開を思い浮かべて乱数はひとり笑った。
私は今、初めてシブヤという所に来ています。というのも、女将さんのお知り合いの方がシブヤでお店をやっていらっしゃるそうなのですが、従業員の方の体調不良などにより人手が足りないとのことで私に声がかかったのです。お知り合いの方も小料理店を経営されているそうで、勤務は夕方からなのですが、初めてくる所でもありますし、まずはお店の場所を確認しておこうとお昼過ぎに電車に乗ってきたのですが…
「困りました…忠犬さんはどこでしょう?」
その小料理屋さんにはかの有名な忠犬さんの像がある所から地図通りに進まなくてはならないのですが、一向にその出口にたどり着けません。
シブヤに行くことになったと左馬刻さんにお伝えしたときに言われた言葉を思い出します。
お前は絶対に迷うから変に動き回らず、人に聞け、と。
そうして同時に思い出されるのがあの日のこと。左馬刻さんの体温、匂い、息遣いを今までで一番近くに感じた時のこと。左馬刻さんに抱きしめられた時のことを鮮明に思い出してしまい、自身の体温が急上昇するのを感じます。
あれから左馬刻さんには会えていません。お仕事が忙しいようで、シブヤに行くと話せたのも一度電話を頂いたからです。今まで、左馬刻さんのことを考えると心がほくほくして温かかったのに、最近は少し緊張してしまいます。どくどくと速まる鼓動に戸惑います。こんな感覚は初めてで、私は自身の高まりを持て余していました。
左馬刻さんのことを思うと、思考も行動もパンクしてしまうので一度頭を切り替えることにしました。そして親切な駅員の方に助けて頂き、なんとか忠犬さんの像にたどり着くことができました。
忠犬さんの凛々しいお姿に感動したのも束の間、まずその人の多さにとてもびっくりしました。ヨコハマも大勢の方で賑わっていますが、またそれとは少し違うような…人と人の間を縫うように歩かなくてはなりません。
しかし、ここでへこたれている場合ではありません。まず一歩を踏み出さなくては!そう意気込んで女将さんから頂いた地図を見ます。しかし、何を基準にどう見たらいいのかわかりません。私はどうやら地図が壊滅的に読めないのだと、そのとき新たに自身の発見を致しました。この先どうしたらいいのか途方に暮れていると声を掛けられました。
「お姉さん!困った顔してどうしたの?」
振り返るとそこには、ピンク色の髪をした、とてもかわいらしい方がいらっしゃいました。
「道がわからなくて…」
「そーなの?よかったら案内しよっか?」
「本当ですか?!」
なんて親切な方なのでしょう!困った様子の私に声を掛けるだけでなく、道案内をしてくださるなんて!人の優しさに触れて、心がほくほくしていると、再び左馬刻さんからの言葉を思い出しました。
道を聞く相手は慎重に選べ、そして知らない奴には絶対についていくな、と。
左馬刻さんからの言葉を思い出し、どうしようかと悩んでいると、クスクスと笑い声が聞こえました。
「左馬刻に何か言われてるのかな?左馬刻も過保護だねぇ」
「えっ、左馬刻さんを知っていらっしゃるのですか?」
「もちのろーん★昔一緒にチーム組んでたしね」
目の前の男性…少年?はそう言うと携帯を操作して私に一枚の写真を見せてくださいました。
「これは…左馬刻さんですか?!オールバック…!」
「そだよ~!今と髪型違うから驚いた?」
その写真には今と髪型の違う左馬刻さんと目の前の男性がツーショットで写っています。
お酒の席で撮られたのだろうことがわかるものでしたので、目の前のこのかわいらしい方が成人男性なのだとわかりました。左馬刻さんのお知り合いの方なら安心です!
「あの、本当によろしいのでしょうか?道案内をお願いしてしまっても」
「ふふ、もちろんだよ!僕もお姉さんと話せるなら嬉しいし★僕は飴村乱数っていうんだ!」
そう言うと飴村さんは私と肩を組んで携帯を構えます。
どうやら液晶を見るとカメラを起動しているようで私と飴村さんが映っています。
「?!飴村さん!私の頭に耳が生えています!」
「あっはは、お姉さんアプリ初めて?ほら撮るよ~」
早速、撮った画像をあの強面過保護な男に送りつけて乱数は楽しそうに笑みを浮かべた。どんな反応が返ってくるのかは大体想像がつくが、楽しみなことに変わりはない。
想像していた通り、左馬刻の知り合いだとわかった瞬間に警戒をといた彼女(これも左馬刻の過保護により持ち得ていたものだが)は気付かない。なぜ、乱数が彼女と左馬刻に繋がりがあることを知っていたのかを。
これから自分が持っている情報をそれぞれの役者に与えたとき、どんな風に立ち回ってくれるのか…今後の展開を思い浮かべて乱数はひとり笑った。