山田 一郎
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「スポーツ、アミューズメントが一体になったところに行きませんか?!」
とある火曜日の夜、明日が定休日なのもあり、またまた山田家にお邪魔している。前に私物をうちに置いていいぞって一郎が言ってくれてお言葉に甘えて以来山田家にお邪魔することがとても増えた。と言っても定休日だからこそできる仕事もあるので毎回ではないけれど。
私が冒頭のセリフを言うと一郎は楽しそうだなと笑い、ジロちゃんサブちゃんはまた始まったみたいな顔をした。
「え、一緒に行ったことないよね?!」
「あぁすみません、なまえ姉がいつも突然なのに慣れてきたなと思いまして」
ちなみにお互いの呼び方に変化があったのは、私がポロッと一郎の前でしかしていなかった呼び方を本人たちの前で言ったのがきっかけ。一郎から弟たちがかわいいという話は本人たちに出会う前から聞いていたし、実際会ってこれはかわいいと体感し、一郎とよくここがかわいいだのと話をする際愛しさのあまりジロちゃんサブちゃんと砕けた呼び方をしていたのだ。
あまりにも突然そう呼んだので二人とも少しびっくりはしていたけれど、そのあとにお姉ちゃんって呼んでいい?って言われた時にはもう…!もう…!!ラノベの主人公になった気分だった。
「行くならみんなで行きたいと思って二人が夏休みに入るのを今か今かと待ってたんだよ~」
「姉ちゃんどんだけ楽しみにしてたんだよ!でも俺も久しぶりに行きてぇな~」
「僕も行きたいです。なまえ姉と出かけたいですし」
「本当~?!」
二人ともOKしてくれたし、なんだか嬉しいこと言ってくれるし…!
「弟さんたちを私にください」
「なまえが嫁に来い」
一郎のスパダリスキル急に発動させるのやめてほしい。
そして迎えた当日。電車に乗って都心部から離れたところに行くことにした。待ち時間ばかりだともったいないし、普段行かないところってお出かけ感が増すしね。
「一郎やばい。今日に限って食い込むパンツ履いてきちゃった」
「なんでそれを俺に報告するんだ。俺はそれを脱がすことしかできねぇ」
「ノリ良すぎか。パンツ直すとき壁になって」
「恋人をなんだと思ってんだ…」
「話は変わりまして」
「おう」
「特急に乗りたい」
「特急?」
「そう!新しい車両でさ、窓がおっきいのがあるの!特急料金は払うから乗ろうよ~」
「いや、お金は別にいいぞ」
「じゃあ、二人分ずつ買おう」
飲み物を買ってきてくれたジロサブちゃんたちにお礼を言って特急券を渡すと驚いた顔をした。特急とかあんまり乗らないとワクワクするジロちゃんと共に改札へ急ぐ。すると特急の車両はもうホームに停まっていてさらにテンションが上がる。
「すげぇ!窓でっか!」
「ね!ね!解放感がやばいよ絶対!」
「写真撮る!」
「待ってジロちゃん写って私が撮る!」
ホームの自販機にアイスがあったのでそれを買い、いざ乗り込む。座席に座る前に三兄弟をカメラに収め一郎の隣に座る。
「うれしい!ずっと乗ってみたかったのこの車両~」
「窓大きいといいな、解放感があって」
「ね!今日晴れてるしよかった!あと椅子の色がサブちゃん色なのもポイント高い」
「わかってんな」
「今回は30分だけど、お弁当とか買い込んで、特急乗って遠出したい」
「箱根とかいいんじゃねぇか?」
「いいね!温泉行きたい!」
「よっしゃ、計画するか」
目的の駅からはバスで施設に向かう。ジロちゃんもサブちゃんも四人でいるときナチュラルに一郎の隣を空けておいてくれるのだけど、私的には山田家の輪にお邪魔させてもらっている感覚なんだよね。だから変に兄ちゃんの恋人だからとか考えなくていいのよ。
「ということでグッパーします」
「「「突然」」」
バスが来たのでさっき決めたペアで隣同士座る。
「ジロちゃん」
「ん?」
「ジロちゃんモテるでしょう」
「な、急になんだよ姉ちゃん」
「そんな気がしただけ~」
「んー、よくわかんねぇけど…ダチといるほうが楽しいし」
「うんうん」
「でも弁当はよくもらう」
「えっ」
「えっ」
「手作り弁当?」
「おー、でも食い切れないから最初の一口食ってあとはダチにあげてるけど」
「えっ」
「えっ」
「ジロちゃんが食べきれないということは一人からじゃないよね?」
「何人かから…」
「や、山田家の血…!ジロちゃんそれもうアイドルじゃん…私いつか刺されそう」
「は?!んなこと絶対させねぇし!」
超絶男前台詞を頂戴したところで目的地に着いた。
受け付けを済ませていざ中へ。人はいるけれど見渡した限りでは特に待ち時間はどのコーナーも発生しているようには見えなかった。
「何からするか?」
「私は体動かしたい~!なんかスポーツ!ジロサブちゃんは何かやりたいのある?」
「俺は体動かせるのならなんでも!」
「僕はゲームのところに行ってみたいです!」
「よっしゃ!順番に行こ~」
まずはスポーツができる屋上へ。コートは他の人たちが使っていたので、まずは待ち時間がないバッティングをすることに。それぞれ球速がちがうところに入って打ち始める。
「やたらボールが飛ぶ二か所誰?!兄ちゃんと誰?!」
「うが!」
「姉ちゃん?!何その声!」
ジロちゃんが笑いすぎて苦しそうだ。私五号室好きなのよね新旧とも。このネタわかる人いるかな友達になってください。この野球漫画にハマったときに散々バッティングセンターに通ったからね!一郎にもだいぶ付き合ってもらっていた。センター返しは得意よ!
コートが空いたので次はバドミントンをすることに。一郎サブちゃんペアにジロちゃん私ペアだ。ゲームを始める前に一郎がサブちゃんに耳打ちしていたのが気になったが、その内容は開始早々察することができた。
「ねぇ!前後に!揺さぶるの!やめて!」
「勝負は本気でやってこそだろ」
「その通りすぎて悔しい!!」
「すみませんなまえ姉!一兄とペアを組んだ以上負けられません!」
「姉ちゃん!フォーメーション変えよ!」
始め縦に陣地を分けていたのを横にしてもらう。ジロちゃん前衛の私が後衛。ジロちゃんめちゃくちゃスマッシュ打ちまくるから私後ろでただのファンになってたわ。
ゲームが終わったあと、一郎が頭ポンポンしてきたけど、そんなんじゃ先ほどの所業は許さんからな!もっとなでてくれ!!
そのあとバレーやバスケなど一通り遊んで次はゲームのコーナーに。コインを入れずにこんなにたくさんのゲームがやり放題とか楽しすぎる!
二人用のゲームが多かったので二手に分かれて探索する。するとさっそく気になるゲームが。
「なんだろこれ、海賊もの?」
「なまえ姉、やってみますか?」
「だね!」
個室のようになっているゲーム機に乗り込む。スタートボタンを押すといきなり幽霊船?謎の骸骨たちに襲われた。
「めっちゃ来る!めっちゃ来る!!」
「なまえ姉!二人で同じところ打つと攻撃が強力になるみたいです!雑魚の時は手分けして、手ごわい奴には集中砲火です!」
「さ、三郎の兄貴~!」
サブちゃんが瞬時に攻略法を導いてくれる。心強すぎる。
基本的にはシューティングで進んでいくのだが、お互いの操縦機の真ん中に船の舵輪が取り付けられており、たまに敵の攻撃を避ける時に使ったりするのだが。
「ねぇまだ?!まだ回すの?!」
「まだ全然足りません!HP的にこれくらったらヤバイです…これ避けられなかったらこの後三日間口ききません!」
「えっ!そんなに罪重いの?!!」
ひたすら回せ!みたいなミッションがたまに発生するのだが、えげつないくらい回さないとミス判定になるのだ。舵輪アクションが発生したらミッションごとに交互に操作していたのだけれど私のときやたらこのミッションなのだ。サブちゃんが口聞いてくれないとか本当に嫌だから意地で回した。腕もげそうだったけど、サブちゃんから口きいてもらえなかったときのことを想像したらやるしかなかった。泣く自信がある。
なんとか全ステージをクリアして一郎たちと合流する。明日腕動くかな…コーヒー淹れられるかな…そう一人不安に思っているとなにやら面白そうなゲームを兄弟たちが見つけたようだ。
「なまえこれやらねぇか?」
「なにするの~?…ダンス?」
「おぉ、アニソンも入ってるみたいだぞ」
「やる!」
オタクのダンス力を舐めるなよとまずは私と一郎からプレイする。ハマったアニメにダンスシーンがあったら全力で履修してきたからな…
好きな曲を選択して難易度を決める。一郎が難しいのを選んでいたので私も便乗してみる。お互いの好きな曲がかぶっているので二人してテンションが上がる。夢中で踊り通すと周りにギャラリーができていた。
次はジロちゃんサブちゃんの番。互いに負けず嫌いを発揮し、とても白熱したバトルになった。
「二人とも同点とかミラクルだよね」
「アイツらよくボードゲームでも同点になるぞ」
「仲良いねぇ」
「だな」
引き分けは納得がいかないともう一回ゲームをしようとしていたとき、ジロちゃんの携帯が鳴った。
「うお?!」
「どうしたのジロちゃん」
「ダチから連絡来て、SNSで俺らがここにいること結構広まってるって…」
「確かに人増えてんな」
「そろそろ帰りますか?結構時間経ってますし」
「だね」
このあとカラオケ行ってバスブロオンステージやってもらおうと思っていたが仕方がない。時間を忘れて楽しんでいたから時計を見てびっくりしてしまった。
帰りの電車の中、ジロちゃんと、そして人前で寝ることがあまりないサブちゃんもぐっすり眠っていて、そんな光景を見て幸せな気持ちになる。
こっそりそんな二人をカメラに収める。
「俺にも送ってくれ」
「いいよ~、アルバム作るよ。今日もたくさん撮れたからね」
そう笑ってさっそく兄弟のグループにアルバムを作成する。個人のSNSのアカウントに何かを投稿することはないのだけれど、私はよく写真を撮る。幸せな瞬間がどんどん増えていくのが目に見えてわかるから。これからのことは誰にもわからないけれど、こうやって全力で笑いあう瞬間をこれからも積み上げていきたいのだ。この兄弟たちと、そして私の周りにいてくれる大切な人たちと。
「これからも全力で遊ぼうな」
まるで私の心を読んだみたいに一郎がそんなことを言ってくれるから、私はまた嬉しくなって笑った。
とある火曜日の夜、明日が定休日なのもあり、またまた山田家にお邪魔している。前に私物をうちに置いていいぞって一郎が言ってくれてお言葉に甘えて以来山田家にお邪魔することがとても増えた。と言っても定休日だからこそできる仕事もあるので毎回ではないけれど。
私が冒頭のセリフを言うと一郎は楽しそうだなと笑い、ジロちゃんサブちゃんはまた始まったみたいな顔をした。
「え、一緒に行ったことないよね?!」
「あぁすみません、なまえ姉がいつも突然なのに慣れてきたなと思いまして」
ちなみにお互いの呼び方に変化があったのは、私がポロッと一郎の前でしかしていなかった呼び方を本人たちの前で言ったのがきっかけ。一郎から弟たちがかわいいという話は本人たちに出会う前から聞いていたし、実際会ってこれはかわいいと体感し、一郎とよくここがかわいいだのと話をする際愛しさのあまりジロちゃんサブちゃんと砕けた呼び方をしていたのだ。
あまりにも突然そう呼んだので二人とも少しびっくりはしていたけれど、そのあとにお姉ちゃんって呼んでいい?って言われた時にはもう…!もう…!!ラノベの主人公になった気分だった。
「行くならみんなで行きたいと思って二人が夏休みに入るのを今か今かと待ってたんだよ~」
「姉ちゃんどんだけ楽しみにしてたんだよ!でも俺も久しぶりに行きてぇな~」
「僕も行きたいです。なまえ姉と出かけたいですし」
「本当~?!」
二人ともOKしてくれたし、なんだか嬉しいこと言ってくれるし…!
「弟さんたちを私にください」
「なまえが嫁に来い」
一郎のスパダリスキル急に発動させるのやめてほしい。
そして迎えた当日。電車に乗って都心部から離れたところに行くことにした。待ち時間ばかりだともったいないし、普段行かないところってお出かけ感が増すしね。
「一郎やばい。今日に限って食い込むパンツ履いてきちゃった」
「なんでそれを俺に報告するんだ。俺はそれを脱がすことしかできねぇ」
「ノリ良すぎか。パンツ直すとき壁になって」
「恋人をなんだと思ってんだ…」
「話は変わりまして」
「おう」
「特急に乗りたい」
「特急?」
「そう!新しい車両でさ、窓がおっきいのがあるの!特急料金は払うから乗ろうよ~」
「いや、お金は別にいいぞ」
「じゃあ、二人分ずつ買おう」
飲み物を買ってきてくれたジロサブちゃんたちにお礼を言って特急券を渡すと驚いた顔をした。特急とかあんまり乗らないとワクワクするジロちゃんと共に改札へ急ぐ。すると特急の車両はもうホームに停まっていてさらにテンションが上がる。
「すげぇ!窓でっか!」
「ね!ね!解放感がやばいよ絶対!」
「写真撮る!」
「待ってジロちゃん写って私が撮る!」
ホームの自販機にアイスがあったのでそれを買い、いざ乗り込む。座席に座る前に三兄弟をカメラに収め一郎の隣に座る。
「うれしい!ずっと乗ってみたかったのこの車両~」
「窓大きいといいな、解放感があって」
「ね!今日晴れてるしよかった!あと椅子の色がサブちゃん色なのもポイント高い」
「わかってんな」
「今回は30分だけど、お弁当とか買い込んで、特急乗って遠出したい」
「箱根とかいいんじゃねぇか?」
「いいね!温泉行きたい!」
「よっしゃ、計画するか」
目的の駅からはバスで施設に向かう。ジロちゃんもサブちゃんも四人でいるときナチュラルに一郎の隣を空けておいてくれるのだけど、私的には山田家の輪にお邪魔させてもらっている感覚なんだよね。だから変に兄ちゃんの恋人だからとか考えなくていいのよ。
「ということでグッパーします」
「「「突然」」」
バスが来たのでさっき決めたペアで隣同士座る。
「ジロちゃん」
「ん?」
「ジロちゃんモテるでしょう」
「な、急になんだよ姉ちゃん」
「そんな気がしただけ~」
「んー、よくわかんねぇけど…ダチといるほうが楽しいし」
「うんうん」
「でも弁当はよくもらう」
「えっ」
「えっ」
「手作り弁当?」
「おー、でも食い切れないから最初の一口食ってあとはダチにあげてるけど」
「えっ」
「えっ」
「ジロちゃんが食べきれないということは一人からじゃないよね?」
「何人かから…」
「や、山田家の血…!ジロちゃんそれもうアイドルじゃん…私いつか刺されそう」
「は?!んなこと絶対させねぇし!」
超絶男前台詞を頂戴したところで目的地に着いた。
受け付けを済ませていざ中へ。人はいるけれど見渡した限りでは特に待ち時間はどのコーナーも発生しているようには見えなかった。
「何からするか?」
「私は体動かしたい~!なんかスポーツ!ジロサブちゃんは何かやりたいのある?」
「俺は体動かせるのならなんでも!」
「僕はゲームのところに行ってみたいです!」
「よっしゃ!順番に行こ~」
まずはスポーツができる屋上へ。コートは他の人たちが使っていたので、まずは待ち時間がないバッティングをすることに。それぞれ球速がちがうところに入って打ち始める。
「やたらボールが飛ぶ二か所誰?!兄ちゃんと誰?!」
「うが!」
「姉ちゃん?!何その声!」
ジロちゃんが笑いすぎて苦しそうだ。私五号室好きなのよね新旧とも。このネタわかる人いるかな友達になってください。この野球漫画にハマったときに散々バッティングセンターに通ったからね!一郎にもだいぶ付き合ってもらっていた。センター返しは得意よ!
コートが空いたので次はバドミントンをすることに。一郎サブちゃんペアにジロちゃん私ペアだ。ゲームを始める前に一郎がサブちゃんに耳打ちしていたのが気になったが、その内容は開始早々察することができた。
「ねぇ!前後に!揺さぶるの!やめて!」
「勝負は本気でやってこそだろ」
「その通りすぎて悔しい!!」
「すみませんなまえ姉!一兄とペアを組んだ以上負けられません!」
「姉ちゃん!フォーメーション変えよ!」
始め縦に陣地を分けていたのを横にしてもらう。ジロちゃん前衛の私が後衛。ジロちゃんめちゃくちゃスマッシュ打ちまくるから私後ろでただのファンになってたわ。
ゲームが終わったあと、一郎が頭ポンポンしてきたけど、そんなんじゃ先ほどの所業は許さんからな!もっとなでてくれ!!
そのあとバレーやバスケなど一通り遊んで次はゲームのコーナーに。コインを入れずにこんなにたくさんのゲームがやり放題とか楽しすぎる!
二人用のゲームが多かったので二手に分かれて探索する。するとさっそく気になるゲームが。
「なんだろこれ、海賊もの?」
「なまえ姉、やってみますか?」
「だね!」
個室のようになっているゲーム機に乗り込む。スタートボタンを押すといきなり幽霊船?謎の骸骨たちに襲われた。
「めっちゃ来る!めっちゃ来る!!」
「なまえ姉!二人で同じところ打つと攻撃が強力になるみたいです!雑魚の時は手分けして、手ごわい奴には集中砲火です!」
「さ、三郎の兄貴~!」
サブちゃんが瞬時に攻略法を導いてくれる。心強すぎる。
基本的にはシューティングで進んでいくのだが、お互いの操縦機の真ん中に船の舵輪が取り付けられており、たまに敵の攻撃を避ける時に使ったりするのだが。
「ねぇまだ?!まだ回すの?!」
「まだ全然足りません!HP的にこれくらったらヤバイです…これ避けられなかったらこの後三日間口ききません!」
「えっ!そんなに罪重いの?!!」
ひたすら回せ!みたいなミッションがたまに発生するのだが、えげつないくらい回さないとミス判定になるのだ。舵輪アクションが発生したらミッションごとに交互に操作していたのだけれど私のときやたらこのミッションなのだ。サブちゃんが口聞いてくれないとか本当に嫌だから意地で回した。腕もげそうだったけど、サブちゃんから口きいてもらえなかったときのことを想像したらやるしかなかった。泣く自信がある。
なんとか全ステージをクリアして一郎たちと合流する。明日腕動くかな…コーヒー淹れられるかな…そう一人不安に思っているとなにやら面白そうなゲームを兄弟たちが見つけたようだ。
「なまえこれやらねぇか?」
「なにするの~?…ダンス?」
「おぉ、アニソンも入ってるみたいだぞ」
「やる!」
オタクのダンス力を舐めるなよとまずは私と一郎からプレイする。ハマったアニメにダンスシーンがあったら全力で履修してきたからな…
好きな曲を選択して難易度を決める。一郎が難しいのを選んでいたので私も便乗してみる。お互いの好きな曲がかぶっているので二人してテンションが上がる。夢中で踊り通すと周りにギャラリーができていた。
次はジロちゃんサブちゃんの番。互いに負けず嫌いを発揮し、とても白熱したバトルになった。
「二人とも同点とかミラクルだよね」
「アイツらよくボードゲームでも同点になるぞ」
「仲良いねぇ」
「だな」
引き分けは納得がいかないともう一回ゲームをしようとしていたとき、ジロちゃんの携帯が鳴った。
「うお?!」
「どうしたのジロちゃん」
「ダチから連絡来て、SNSで俺らがここにいること結構広まってるって…」
「確かに人増えてんな」
「そろそろ帰りますか?結構時間経ってますし」
「だね」
このあとカラオケ行ってバスブロオンステージやってもらおうと思っていたが仕方がない。時間を忘れて楽しんでいたから時計を見てびっくりしてしまった。
帰りの電車の中、ジロちゃんと、そして人前で寝ることがあまりないサブちゃんもぐっすり眠っていて、そんな光景を見て幸せな気持ちになる。
こっそりそんな二人をカメラに収める。
「俺にも送ってくれ」
「いいよ~、アルバム作るよ。今日もたくさん撮れたからね」
そう笑ってさっそく兄弟のグループにアルバムを作成する。個人のSNSのアカウントに何かを投稿することはないのだけれど、私はよく写真を撮る。幸せな瞬間がどんどん増えていくのが目に見えてわかるから。これからのことは誰にもわからないけれど、こうやって全力で笑いあう瞬間をこれからも積み上げていきたいのだ。この兄弟たちと、そして私の周りにいてくれる大切な人たちと。
「これからも全力で遊ぼうな」
まるで私の心を読んだみたいに一郎がそんなことを言ってくれるから、私はまた嬉しくなって笑った。