小湊 亮介
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それはほんの少しの違和感だった。
自主練後、コンビニに行こうと寮から出ようとするとまったく同じタイミングで門に向かう御幸に出くわした。目的地が同じだったので不本意ながら一緒に向かう。コンビニまでの道のりはさほど遠くないが人気が少なく、街頭もポツポツと設置されているが頼りない。
別に恐怖心もないが、藤原先輩が襲われたという話を聞いてからはなんとなく気になってしまって周りを窺うようになった。
すると街頭の光が届かない暗がりに人影が見えた気がした。
「倉持?どうした?」
「あそこ…誰かいるか?」
見えたのは5,6人の人影と、その人影に囲まれた学ランを着た、背格好から恐らく中学生の男の子。中学の頃、そういう場を見たことがあり、すぐにわかった。
「御幸、コンビニまで走って誰か呼んでこい」
「は、お前…」
まずは間に入ってやらねぇと…一歩踏み出したときだった。
「おまわりさん!こっちです!!」
聞こえた女の人の声と笛の音。
笛の音にすぐ近くに警察がいると思ったのか、中学生を囲んでいた奴らは一目散に逃げ出した。声のしたほうに顔を向けると…
「…みょうじ先輩、」
「やっほー御幸くん」
そう片手を上げながら俺らの進行方向から現れたその人。みょうじ先輩って…
「え???!」
「うお、びっくりした」
「コイツみょうじ先輩に会いたくて仕方なかったんで」
そうニヤニヤしながら言いやがった御幸をとりあえずしばく。
「イッテ!!」
「ニヤつきやがってこのクソメガネ!!!」
俺らが言い合っている間にみょうじ先輩は中学生のもとに行き、怪我がないか確認していた。
その後、中学生の親御さんに連絡をし、その迎えが来るまで一緒に待った。その間話を聞くと部活後、学校に忘れ物をしたのに気づき取りに行っていたら遅くなってしまい、さっきの連中に囲まれお金を出せと脅されてしまったということらしい。親御さんには何度もお礼を言われた。つっても俺らは何もしてねぇけどな。
「いやぁ、一緒に待っててくれてありがとね」
「いや、むしろお礼言わなきゃいけないの俺らなんで」
俺がそう言うとみょうじ先輩はじっとこちらを見て、にっこりと笑った。
「…倉持くんで合ってる?」
「え、なんで名前…」
「ふふ、小湊くんから話よく聞くから」
「マジすか?!」
亮さん俺のこと話すのか?!
「倉持くん、次からああいうときはちゃんと周りに頼りなね」
「え、」
「あのとき、男の子を心配して真っ先に自分が間に入ろうとしたでしょう?それで怪我したり、あることないこと言われたら…わかるでしょう?」
そうだ…たとえそれが誰かを守るためだとしても。喧嘩に巻き込まれた、という情報が一人歩きしてしまったら…青道野球部の存在自体が危ぶまれたかもしれない。
「…すんません」
「…ま、私にもその言葉そっくりそのまま帰ってくるんだけどさ。最初気付いた時、御幸くんがいるのわかったから相談して大人連れてくるなり、通報しようと思ったんだけど、倉持くんの行動が躊躇なさすぎてさ~」
そう言って笑ったみょうじ先輩は眉尻を下げてこう言った。
「倉持くん、友達のためなら喧嘩も厭わなかったタイプでしょう」
亮さんが惚れるのもわかる人だと思った。
自主練後、コンビニに行こうと寮から出ようとするとまったく同じタイミングで門に向かう御幸に出くわした。目的地が同じだったので不本意ながら一緒に向かう。コンビニまでの道のりはさほど遠くないが人気が少なく、街頭もポツポツと設置されているが頼りない。
別に恐怖心もないが、藤原先輩が襲われたという話を聞いてからはなんとなく気になってしまって周りを窺うようになった。
すると街頭の光が届かない暗がりに人影が見えた気がした。
「倉持?どうした?」
「あそこ…誰かいるか?」
見えたのは5,6人の人影と、その人影に囲まれた学ランを着た、背格好から恐らく中学生の男の子。中学の頃、そういう場を見たことがあり、すぐにわかった。
「御幸、コンビニまで走って誰か呼んでこい」
「は、お前…」
まずは間に入ってやらねぇと…一歩踏み出したときだった。
「おまわりさん!こっちです!!」
聞こえた女の人の声と笛の音。
笛の音にすぐ近くに警察がいると思ったのか、中学生を囲んでいた奴らは一目散に逃げ出した。声のしたほうに顔を向けると…
「…みょうじ先輩、」
「やっほー御幸くん」
そう片手を上げながら俺らの進行方向から現れたその人。みょうじ先輩って…
「え???!」
「うお、びっくりした」
「コイツみょうじ先輩に会いたくて仕方なかったんで」
そうニヤニヤしながら言いやがった御幸をとりあえずしばく。
「イッテ!!」
「ニヤつきやがってこのクソメガネ!!!」
俺らが言い合っている間にみょうじ先輩は中学生のもとに行き、怪我がないか確認していた。
その後、中学生の親御さんに連絡をし、その迎えが来るまで一緒に待った。その間話を聞くと部活後、学校に忘れ物をしたのに気づき取りに行っていたら遅くなってしまい、さっきの連中に囲まれお金を出せと脅されてしまったということらしい。親御さんには何度もお礼を言われた。つっても俺らは何もしてねぇけどな。
「いやぁ、一緒に待っててくれてありがとね」
「いや、むしろお礼言わなきゃいけないの俺らなんで」
俺がそう言うとみょうじ先輩はじっとこちらを見て、にっこりと笑った。
「…倉持くんで合ってる?」
「え、なんで名前…」
「ふふ、小湊くんから話よく聞くから」
「マジすか?!」
亮さん俺のこと話すのか?!
「倉持くん、次からああいうときはちゃんと周りに頼りなね」
「え、」
「あのとき、男の子を心配して真っ先に自分が間に入ろうとしたでしょう?それで怪我したり、あることないこと言われたら…わかるでしょう?」
そうだ…たとえそれが誰かを守るためだとしても。喧嘩に巻き込まれた、という情報が一人歩きしてしまったら…青道野球部の存在自体が危ぶまれたかもしれない。
「…すんません」
「…ま、私にもその言葉そっくりそのまま帰ってくるんだけどさ。最初気付いた時、御幸くんがいるのわかったから相談して大人連れてくるなり、通報しようと思ったんだけど、倉持くんの行動が躊躇なさすぎてさ~」
そう言って笑ったみょうじ先輩は眉尻を下げてこう言った。
「倉持くん、友達のためなら喧嘩も厭わなかったタイプでしょう」
亮さんが惚れるのもわかる人だと思った。