小湊 亮介
夢小説設定
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「亮さんに好きな人がいるらしい」
そう真面目な顔をして言い放ったチームメイトに暫く反応を返せなかった。
「…は?」
「ようやく反応したと思ったらそんだけかよ」
「いや、だってお前の口からそんな恋バナみたいなの出ると思わないだろ」
「ウッセ!」
「イッテ!」
相変わらず蹴りの威力がすごい。さすが元ヤンである。
「つか、なんでそんな気になるんだよ。お前そういうの興味あるやつだっけ?」
「ちっげぇよ!!ただ、ちょっと意外だったっていうか…あの人にもそういう人がいるのかと思って気になったっつうか…」
倉持が亮さんと二遊間を守り始めて一か月。お互い守備範囲が広い上に日に日に連携も精度を上げているように思う。何より亮さんと組んだ時の倉持はとても楽しそうだ。始めは容赦ない亮さんに対して色々思うところがあったみたいだが、最近はよく亮さんについて回っているし、何より尊敬しているのだろうことが見ていて伝わってくる。そんな亮さんに好きな人がいるとなれば気になるのだろう。
「…まぁ、亮さんが惚れるのもわかるような人だとは思う」
「お前知ってんのか?!」
「結構話すぜ。よく練習見にくるし」
「え、もう亮さんと付き合ってんのか?」
「や、あれはただの野球バカだな」
青道野球部にはファンが多い。OBやら近所の人やら、最近では哲さん目当ての女子やら、結構練習や練習試合では見に来る人が多い。そんな中、たまに友達らしき人と来るが、大抵一人で静かに練習を見ている女子生徒がいることに気付いた。みんな1軍のグラウンドを見るが、その人は色んなところで見ているようですごく印象的だった俺は話しかけたことがある。
「よく練習見に来てるけど、野球好きなの?」
少しびっくりした顔で振り返った彼女は、それでも間髪入れずに満面の笑みで肯定した。
そのあとすぐに監督から集合の掛け声があり、それ以上は話さなかったが、あれからというもの、練習を見に来ている彼女に声をかけたりかけられたりで今では結構話すほうだと思う。彼女が話しかけてくるのは練習中ではなく校舎で会ったときだが。そういう練習の邪魔をしない心がけとか、話していると伝わってくる野球好きなところとかは素直に好感が持てる。
「なぁ、今度練習見に来てたら教えろよ」
「どうしよっかな~」
「あ、テメっ」
すぐさま蹴りを入れてこようとする倉持から逃げながら、俺は一つアドバイスをした。
「お前興味持つのはいいけど気をつけろよ」
「何をだよ?」
「あの人のことになると亮さんマジ怖ぇぞ」
「…お前何したんだよ」
「あげないよ」
そう俺に言った亮さんの顔を、俺はいまだ鮮明に思い出せる。
そう真面目な顔をして言い放ったチームメイトに暫く反応を返せなかった。
「…は?」
「ようやく反応したと思ったらそんだけかよ」
「いや、だってお前の口からそんな恋バナみたいなの出ると思わないだろ」
「ウッセ!」
「イッテ!」
相変わらず蹴りの威力がすごい。さすが元ヤンである。
「つか、なんでそんな気になるんだよ。お前そういうの興味あるやつだっけ?」
「ちっげぇよ!!ただ、ちょっと意外だったっていうか…あの人にもそういう人がいるのかと思って気になったっつうか…」
倉持が亮さんと二遊間を守り始めて一か月。お互い守備範囲が広い上に日に日に連携も精度を上げているように思う。何より亮さんと組んだ時の倉持はとても楽しそうだ。始めは容赦ない亮さんに対して色々思うところがあったみたいだが、最近はよく亮さんについて回っているし、何より尊敬しているのだろうことが見ていて伝わってくる。そんな亮さんに好きな人がいるとなれば気になるのだろう。
「…まぁ、亮さんが惚れるのもわかるような人だとは思う」
「お前知ってんのか?!」
「結構話すぜ。よく練習見にくるし」
「え、もう亮さんと付き合ってんのか?」
「や、あれはただの野球バカだな」
青道野球部にはファンが多い。OBやら近所の人やら、最近では哲さん目当ての女子やら、結構練習や練習試合では見に来る人が多い。そんな中、たまに友達らしき人と来るが、大抵一人で静かに練習を見ている女子生徒がいることに気付いた。みんな1軍のグラウンドを見るが、その人は色んなところで見ているようですごく印象的だった俺は話しかけたことがある。
「よく練習見に来てるけど、野球好きなの?」
少しびっくりした顔で振り返った彼女は、それでも間髪入れずに満面の笑みで肯定した。
そのあとすぐに監督から集合の掛け声があり、それ以上は話さなかったが、あれからというもの、練習を見に来ている彼女に声をかけたりかけられたりで今では結構話すほうだと思う。彼女が話しかけてくるのは練習中ではなく校舎で会ったときだが。そういう練習の邪魔をしない心がけとか、話していると伝わってくる野球好きなところとかは素直に好感が持てる。
「なぁ、今度練習見に来てたら教えろよ」
「どうしよっかな~」
「あ、テメっ」
すぐさま蹴りを入れてこようとする倉持から逃げながら、俺は一つアドバイスをした。
「お前興味持つのはいいけど気をつけろよ」
「何をだよ?」
「あの人のことになると亮さんマジ怖ぇぞ」
「…お前何したんだよ」
「あげないよ」
そう俺に言った亮さんの顔を、俺はいまだ鮮明に思い出せる。
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