バーダック
空欄の場合は名前になります。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
_
これまで長い間流し続けてきた涙が枯れてきた
本当は心のどこかでわかっていたのかもしれない。
目を晒し続けてきた事態からは結局、他人に嘘はつく事が出来たとしても自分は真実から逃げられないのだ。
いつか…
遠い未来でこれは良い恋愛だったと、あなたに出会えてよかったと心の底から思う時がいつか来るかもしれない。
だから、これからは違う時間を過ごしていかなければならないと、体は火照っているのに冷静な頭の中で踏ん切りをつけようとした時、目の前にいたターレスが消えた。
「名前、話がある」
そこには、今の今まで目の前にいたターレスの姿ではなく、たった今名前が気持ちと関係の整理をしようとしていたバーダック本人で、彼の姿を見た瞬間、目尻がじんと熱くなり枯れたはずの涙が再び噴水のように噴き出してくるのがわかった。
____
ターレスからメールを貰って来てみれば項垂れた様子の名前とどこか真剣な顔のターレスがいて、安心と苛立ちが芽生える。
ガラスの扉を開く前に驚いた顔のターレスと目があった。
「おい!」
息が上がったまま名前のいるテーブルへと向かいターレスを突き飛ばし、呆然としたままの彼女の手を掴んで店を出た。
__ __
彼女の手を引いて少し歩くと心細いライトに照らされているひんやりとした鉄のベンチへと腰を下ろした。
辺りはしんと静まり返っている。
まるでこの世界に二人しかいないような、
そんな感覚になる。
これで最後だと諦めようと思った矢先、その彼によって連れ去られた今、正直どうして良いかわからず名前はただ固まったままでいた。
「悪かった…」
いつもなら名前が積極的に話に花を咲かせるのだが、今回先にこの重い沈黙を破ったのはバーダックの方だった。
名前は思ってもみなかった謝罪を聞いても固まったままだ。
そんな名前の様子に彼はゆっくりと視線を合わせる。
彼女をこんな状態にしたのは紛れもなくバーダック自身であるが、彼の心の奥まで見透かす様な真っ直ぐな視線により名前は更に目が逸らせらなくなっていた。
その、もう後に戻れない切羽詰まった空気は二人の化かし合いにとうとう終わりが来たのを知らせていた。
バーダックは目を合わせたまま話を続ける。
「俺は、名前を誰にも渡したくねぇんだ。
名前に醜いほど嫉妬して、でもなそんな俺に名前が嫉妬してほしくて…」
話の途中で力強く抱き締められる。
その体勢のまま話は続け、飲み会なんだと言っては部下や同僚を巻き込んでいたんだ、と。
俺は自己中な奴だ。
お前に嫌われても無理はないと。
そして最後に初めて聞く涙声で彼は私にお別れのキスさせて欲しいと言った。
「名前、俺が悪かった。…愛してる」
**
これまで長い間流し続けてきた涙が枯れてきた
本当は心のどこかでわかっていたのかもしれない。
目を晒し続けてきた事態からは結局、他人に嘘はつく事が出来たとしても自分は真実から逃げられないのだ。
いつか…
遠い未来でこれは良い恋愛だったと、あなたに出会えてよかったと心の底から思う時がいつか来るかもしれない。
だから、これからは違う時間を過ごしていかなければならないと、体は火照っているのに冷静な頭の中で踏ん切りをつけようとした時、目の前にいたターレスが消えた。
「名前、話がある」
そこには、今の今まで目の前にいたターレスの姿ではなく、たった今名前が気持ちと関係の整理をしようとしていたバーダック本人で、彼の姿を見た瞬間、目尻がじんと熱くなり枯れたはずの涙が再び噴水のように噴き出してくるのがわかった。
____
ターレスからメールを貰って来てみれば項垂れた様子の名前とどこか真剣な顔のターレスがいて、安心と苛立ちが芽生える。
ガラスの扉を開く前に驚いた顔のターレスと目があった。
「おい!」
息が上がったまま名前のいるテーブルへと向かいターレスを突き飛ばし、呆然としたままの彼女の手を掴んで店を出た。
__ __
彼女の手を引いて少し歩くと心細いライトに照らされているひんやりとした鉄のベンチへと腰を下ろした。
辺りはしんと静まり返っている。
まるでこの世界に二人しかいないような、
そんな感覚になる。
これで最後だと諦めようと思った矢先、その彼によって連れ去られた今、正直どうして良いかわからず名前はただ固まったままでいた。
「悪かった…」
いつもなら名前が積極的に話に花を咲かせるのだが、今回先にこの重い沈黙を破ったのはバーダックの方だった。
名前は思ってもみなかった謝罪を聞いても固まったままだ。
そんな名前の様子に彼はゆっくりと視線を合わせる。
彼女をこんな状態にしたのは紛れもなくバーダック自身であるが、彼の心の奥まで見透かす様な真っ直ぐな視線により名前は更に目が逸らせらなくなっていた。
その、もう後に戻れない切羽詰まった空気は二人の化かし合いにとうとう終わりが来たのを知らせていた。
バーダックは目を合わせたまま話を続ける。
「俺は、名前を誰にも渡したくねぇんだ。
名前に醜いほど嫉妬して、でもなそんな俺に名前が嫉妬してほしくて…」
話の途中で力強く抱き締められる。
その体勢のまま話は続け、飲み会なんだと言っては部下や同僚を巻き込んでいたんだ、と。
俺は自己中な奴だ。
お前に嫌われても無理はないと。
そして最後に初めて聞く涙声で彼は私にお別れのキスさせて欲しいと言った。
「名前、俺が悪かった。…愛してる」
**