バーダック
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「まあ、飲めよ。んで、アイツとは?」
ずっと仲良かったお前らに何があったんだ?
と一つ一つ相槌を打ってくれる愛してやまない彼の容姿と似たターレスを頼るのは、私がまだバーダックを諦められないからだろう。全く、自分でも嫌になるほどズルイ女だ。
それと同時に自分はバーダックの好みの女とはかけ離れていると痛いくらいに痛感させられる。
「もう…私の事好きじゃないみたい」
ターレスが頼んであげた普段飲む事のない、白い小さな手に包まれた甘いそれは少しも減る事なく、今もずっと悲しい色を映している。
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5回目の浮気と信じて疑わない名前は市販のアルコールを手に家で泣いていたのだが、たまたま訪ねてきたターレスだと気づかずに扉を開けてからというものの、家から少し離れたバーに連れてこられていた。
「はあ、バーダックのやつ馬鹿だな」
ふらりと同居中のバーダックと名前の家に悪びれる事なく酒を飲みにくるターレスも扉を開けた途端、名前のたった今涙と鼻水を拭きましたという顔には酷く驚いたのだった。
ターレスは名前から事の成り行きを一通り聞くと深い溜息を吐いて彼女には見えないようにバーダックにメールを打った。
「やっぱり、私は嫉妬しちゃうから、バーダックの好みの女性にはなれなかったみたい」
名前は震える声で目に涙を溜めているが、幸か不幸か店の中は薄暗い上、名前は元々声を上げて泣くタイプではないこともあって側から見れば唯の親しい男女がお酒を楽しんでる様にしか見えない。
「なあ、俺なら…」
名前の望むものなら何でも与えあげれるぜ、と言いかけた時、外側からは暗く見えなくなっているはずのガラスの向こうにある、何時もにも増して酷く不機嫌な顔と目があった。
_
帰りそびれた部下を捕まえて美味しくない酒を飲むのも今日で5回目になる。
名前とならどんな酒も旨く感じたあの時を思い出しながら何度も口に含むが、どれだけ飲んでもあの時の味には届かなかった。
そればかりかどんどん不味くなる。
だが、同じ酒を頼み続けるのはやめられなかった。
「飲み過ぎですよ、」
部下にまで心配されて俺ももう終わりだな、と奥歯を噛み締めるとプチッと口の中に鉄の味が広がった。
最悪だ、と不味い酒で鉄の味を流すとポケットに入った携帯が震えた。
最後の期待を胸にメールを開くとそこには…
"名前が泣いてる
俺がもらっても怒るなよ"
...
「まあ、飲めよ。んで、アイツとは?」
ずっと仲良かったお前らに何があったんだ?
と一つ一つ相槌を打ってくれる愛してやまない彼の容姿と似たターレスを頼るのは、私がまだバーダックを諦められないからだろう。全く、自分でも嫌になるほどズルイ女だ。
それと同時に自分はバーダックの好みの女とはかけ離れていると痛いくらいに痛感させられる。
「もう…私の事好きじゃないみたい」
ターレスが頼んであげた普段飲む事のない、白い小さな手に包まれた甘いそれは少しも減る事なく、今もずっと悲しい色を映している。
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5回目の浮気と信じて疑わない名前は市販のアルコールを手に家で泣いていたのだが、たまたま訪ねてきたターレスだと気づかずに扉を開けてからというものの、家から少し離れたバーに連れてこられていた。
「はあ、バーダックのやつ馬鹿だな」
ふらりと同居中のバーダックと名前の家に悪びれる事なく酒を飲みにくるターレスも扉を開けた途端、名前のたった今涙と鼻水を拭きましたという顔には酷く驚いたのだった。
ターレスは名前から事の成り行きを一通り聞くと深い溜息を吐いて彼女には見えないようにバーダックにメールを打った。
「やっぱり、私は嫉妬しちゃうから、バーダックの好みの女性にはなれなかったみたい」
名前は震える声で目に涙を溜めているが、幸か不幸か店の中は薄暗い上、名前は元々声を上げて泣くタイプではないこともあって側から見れば唯の親しい男女がお酒を楽しんでる様にしか見えない。
「なあ、俺なら…」
名前の望むものなら何でも与えあげれるぜ、と言いかけた時、外側からは暗く見えなくなっているはずのガラスの向こうにある、何時もにも増して酷く不機嫌な顔と目があった。
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帰りそびれた部下を捕まえて美味しくない酒を飲むのも今日で5回目になる。
名前とならどんな酒も旨く感じたあの時を思い出しながら何度も口に含むが、どれだけ飲んでもあの時の味には届かなかった。
そればかりかどんどん不味くなる。
だが、同じ酒を頼み続けるのはやめられなかった。
「飲み過ぎですよ、」
部下にまで心配されて俺ももう終わりだな、と奥歯を噛み締めるとプチッと口の中に鉄の味が広がった。
最悪だ、と不味い酒で鉄の味を流すとポケットに入った携帯が震えた。
最後の期待を胸にメールを開くとそこには…
"名前が泣いてる
俺がもらっても怒るなよ"
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