第7話 森の〇〇さん
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「ふぅ…こんなものかな」
数十枚の写真を撮り終えた澪菜は一息つく。
十分な量の写真が撮れたので、きっと彼女の義兄も満足するだろう。
「それにしても、綺麗な所だな。
立海のみんなも誘うべきだったかな。
……恵くんも来れればよかったのに」
澪菜がふっと溜め息をついたとき、何かが近づいてくる気配がした。
(…何か来る。
…熊、とか?まさか、ね)
嫌な想像を振り払う。跡部の土地なのでそれはないだろうと澪菜は自分の考えを否定する。なら、別の方向へ向かったはずの方向音痴の梓だろうか。それとも…。
澪菜が考える間にもそれはどんどん彼女に近づいていく。
そして、ついにそれは姿を現す。
澪菜は身構える。
そんな彼女の目前に現れたのは…鳳と日吉の二人だった。
「…日吉くんと…鳳くん?…どうしてここに?」
「えっ!!…その…」
まさか芥川に梓と向日の邪魔をするのを手伝えと言われここにいると、正直に言うわけにもいかない。
鳳が上手い言い訳を考えようとするが、出てこない。鳳は挙動不審に目を泳がす。
「…あなたこそ、こんな所に一人で何をしていたんですか。跡部さんの家の土地とはいえ、危ないですよ」
日吉が上手く話をそらせる。
「ん、恵くんにいい景色を見てほしくて写真撮ってたの…。
あ、折角だし、二人も撮ろうか?」
「あ、それじゃ、折角なのでお願いします」
「うん、じゃあそこに並んで」
(って、日吉とツーショット!?)
鳳は一人か全員で撮ると予想していたのだろう。澪菜の言葉に動揺する。当の澪菜はそれには気付かず二人に並んでもらおうと促す。
取りあえず二人はそこに並び、澪菜はカメラを構えシャッターを切った。
「澪菜さんは入らないんですか?」
「そうだね…。
折角だしセルフタイマーにしてみんなで撮ろうか」
鳳に言われ、澪菜は折角なので自分も二人と一緒に撮っておこうと考えた。それにはこのカメラのセルフタイマー機能を使うしかない。機能があるのは知っていたが、使ったことがないため方法が分からない。澪菜は自分の持っているカメラのボタンを色々と触ってみる。
「えっと…どうするんだろ。
セルフタイマーとか使うの初めてだから、これでいいのかな」
「やりましょうか?」
「うん、ごめんね」
澪菜は申し訳なさそうにカメラを鳳に差し出す。
「いえ、いいですよ。これくらい」
そう言って鳳はカメラを受け取った。