第7話 森の〇〇さん
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「梓!」
早歩きの梓の前に向日が回り込む。
「あ、岳人。どしたの?」
「どしたのじゃねーよ。お前、一人で行ったら迷うだろ」
「迷わないよ」
梓がムスッとして答える。迷う前に迷うと決めつけられたら心外だ。例え、前例があるとしても。
「あー、くそっ、悪かったよ。
それより、一緒に行こうぜ。一人より二人の方が楽しいって」
「…そだね。
確かに一人ってつまんないよね。
うん、一緒に行こ」
「おぅ」
向日は嬉しそうに頷く。
そんな彼の顔を梓は見つめる。
梓には向日に言っておきたいことがあった。
「…ねぇ、岳人」
急に梓が真剣な顔付きになる。普段の彼女からは想像出来ない顔だったので向日は動揺する。
「な、なんだよ…」
「…アタシね、岳人のこと…」
向日の胸の動悸が高まる。
「だいっっじな…
友達だと思ってんだよ。
だから、これからも仲良くしてね」
梓の言葉を聞き、向日は複雑な気分になった。梓から大事と言われたことは嬉しかった。だが、友達だとはっきりと言われた。
「ね、岳人。
アタシたち、トモダチ、でしょ?」
梓は念を押すかのように向日に確認する。
「…あ、ああ」
向日は同意はしたが、少し悩む。
今が梓に好きだと言うべきときなのではないか。
友達という立場を変えたい。丁度今は二人きりだ。
「あ…」
「よし、いっくぜ岳人!
散策じゃあ!!」
意を決して言葉を発しかけた向日だったが、梓本人に遮られる。
「え、えっ!?」
見事に告白チャンスを失った向日だった。