第2話 合宿会議①
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「こんにちは。えーと…、二年生の子は初めましてだよね。
恵くんの妹の長澤澪菜。立海のマネージャーだよ」
よろしくね。と、澪菜は微笑む。
(普通の人じゃないか。というか可愛い人だな。苦労って一体…)
鳳は先程の夏希が言った『あいつは苦労する』という言葉を思い出していた。実はこう見えて性格が悪いとか。だが、そういう風には見えなかった。
「初めまして…ですか。
何度かうちに来てませんでしたか?」
日吉は澪菜の姿に見覚えがあった。
「あ、うん偵察してたんだよ。だからわたしは皆の名前覚えてるよ、日吉若くん、鳳長太郎くん、それから…」
澪菜は二年生の部員の名前を挙げていく。
「いや、名前なんて覚えてなくても良いだろ」
何の役に立つんだ。と、夏希は言う。
「役に立つよ。
というか、名前覚えてないとややこしいでしょ」
「あいつとか、そいつとかで十分だろ」
「名前位、覚えられないんですか?」
よくそれでマネージャーをする気になりますね。と、日吉が呆れた顔で言うと、夏希は不快に思い
「大体、今までテニス部の奴らと関わってなかったのに急に覚えられるわけないだろ。
知ってるのは梓と一緒に湧いてた奴らだけだ」
と、返す。「湧くってそんな虫みたいな…」と忍足が悲しそうにつっこむが、夏希はそれを無視する。
「夏希、落ち着いて。喧嘩しないでよ」
「こいつが悪いだろ。先輩に向かって偉そうに」
「何で俺が悪いことになるんですか」
澪菜は口論を止めようするが止まらず、どうしたらいいかと梓の顔を見る。
「んん……よし!全員そろったし、合宿についての話し合いしよ」
澪菜の救援要請を受け、梓が慌てて開始を促す。夏希と日吉の口論は取り敢えず落ち着いたようだ。
梓が澪菜にウインクをすると、彼女はほっとしたように肩を撫で下ろす。
だが、彼女の顔をよく見ると左目から涙が流れていた。
「って、何泣いてんの!」
「え。こ、これは泣いてるんじゃなくて。
ごめん。すぐに戻るから先に始めててね」
そう言って澪菜は部室を飛び出した。
恵は妹を心配して追いかけようとするが、由良がそれを遮る。
「………夏希と日吉くん、あなた達が追いかけてちょうだい」
「いや、何であたしが。しかもこいつと」
夏希は不満そうに文句を言うが、由良は「喧嘩なんてするからでしょう」と呆れた様子で溜め息を吐く。
「それはこいつが失礼だからだろ」
「夏希、ワカシは悪くないす。いつもこんなんだし、すぐ慣れる」
「いや、慣れてどうするんだ」
「それで、行くの?行かないの?」
由良はにこりと微笑んでいるが、有無をも言わさぬ迫力がある。夏希は普段からこの笑顔の彼女に逆らえない。
「おい、行くぞ、日吉」
「急にどうしたんですか」
「いいから行くぞ」
「……ハァ、分かりました。
それで文句は無いですか」
「ええ」
由良は今度こそ本当に微笑んだ。
恵くんの妹の長澤澪菜。立海のマネージャーだよ」
よろしくね。と、澪菜は微笑む。
(普通の人じゃないか。というか可愛い人だな。苦労って一体…)
鳳は先程の夏希が言った『あいつは苦労する』という言葉を思い出していた。実はこう見えて性格が悪いとか。だが、そういう風には見えなかった。
「初めまして…ですか。
何度かうちに来てませんでしたか?」
日吉は澪菜の姿に見覚えがあった。
「あ、うん偵察してたんだよ。だからわたしは皆の名前覚えてるよ、日吉若くん、鳳長太郎くん、それから…」
澪菜は二年生の部員の名前を挙げていく。
「いや、名前なんて覚えてなくても良いだろ」
何の役に立つんだ。と、夏希は言う。
「役に立つよ。
というか、名前覚えてないとややこしいでしょ」
「あいつとか、そいつとかで十分だろ」
「名前位、覚えられないんですか?」
よくそれでマネージャーをする気になりますね。と、日吉が呆れた顔で言うと、夏希は不快に思い
「大体、今までテニス部の奴らと関わってなかったのに急に覚えられるわけないだろ。
知ってるのは梓と一緒に湧いてた奴らだけだ」
と、返す。「湧くってそんな虫みたいな…」と忍足が悲しそうにつっこむが、夏希はそれを無視する。
「夏希、落ち着いて。喧嘩しないでよ」
「こいつが悪いだろ。先輩に向かって偉そうに」
「何で俺が悪いことになるんですか」
澪菜は口論を止めようするが止まらず、どうしたらいいかと梓の顔を見る。
「んん……よし!全員そろったし、合宿についての話し合いしよ」
澪菜の救援要請を受け、梓が慌てて開始を促す。夏希と日吉の口論は取り敢えず落ち着いたようだ。
梓が澪菜にウインクをすると、彼女はほっとしたように肩を撫で下ろす。
だが、彼女の顔をよく見ると左目から涙が流れていた。
「って、何泣いてんの!」
「え。こ、これは泣いてるんじゃなくて。
ごめん。すぐに戻るから先に始めててね」
そう言って澪菜は部室を飛び出した。
恵は妹を心配して追いかけようとするが、由良がそれを遮る。
「………夏希と日吉くん、あなた達が追いかけてちょうだい」
「いや、何であたしが。しかもこいつと」
夏希は不満そうに文句を言うが、由良は「喧嘩なんてするからでしょう」と呆れた様子で溜め息を吐く。
「それはこいつが失礼だからだろ」
「夏希、ワカシは悪くないす。いつもこんなんだし、すぐ慣れる」
「いや、慣れてどうするんだ」
「それで、行くの?行かないの?」
由良はにこりと微笑んでいるが、有無をも言わさぬ迫力がある。夏希は普段からこの笑顔の彼女に逆らえない。
「おい、行くぞ、日吉」
「急にどうしたんですか」
「いいから行くぞ」
「……ハァ、分かりました。
それで文句は無いですか」
「ええ」
由良は今度こそ本当に微笑んだ。