第3話 合宿会議②
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何故しおりをコピーするだけでこんなに人数がいるのか。普通に夏希と恵だけで十分だ。むしろぞろぞろと廊下を歩いていて周囲の邪魔になる。
夏希は苛ついた様子で宍戸、忍足、恵と共に廊下を歩いていた。
「な、なんか夏希怒ってんのか?」
むすっとした表情の夏希を見て、宍戸がそう言うと「別に…」と彼女は不機嫌そうに呟いた。
「氷帝って、中等部も凄く広いんだね」
「はい、とても広いですよね!!」
さっきまで不機嫌そうな表情の夏希が一変きらきらとした表情に変わる。
何故恵に対してはこんなにも態度が違うのか。
宍戸は軽く傷付いた。
「ねぇ、夏希ちゃん。
澪菜、一人で飛び出して迷子とかになってないかな?」
「そりゃいくらなんでもないでしょ」
澪菜は梓と違いまともそうだった。
忍足はそう考えたが、夏希は真剣な表情になる。
「いや、ありうる。澪菜は焦ったら、梓になる」
「梓に…」
忍足は梓を想像する。
彼女は常に校舎で迷うほどの方向音痴で、その上忘れやすく、そそっかしい。
勿論良いところも沢山あるのだが、性格的な話であって、能力ではない。
そんな梓になるということは…。
迷うかもしれない。
「けど、由良が誰かを向かわせてる筈です。大丈夫ですよ」
不安そうな表情の恵を安心させるように夏希は言った。
「そ、うだよね。駄目だな、俺。
こんなんだからあいつに過保護って言われるんだな」
「和己さんですか?あの人の言う事なんて気にしなくていいですよ」
夏希は由良の兄であり、恵の友人の和己があまり好きではない。悪人ではないが彼は強引で、関わると自分のペースを乱される。
「うん…、そうだね」
そう言いつつ、恵は和己の言ってることが解っている。澪菜はその内、自立しないといけない。進学や就職、結婚とか…。
(もしその時が来たら、許せるのかな。
俺より強くて、澪菜を守れる人間ならいいけど)
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「まず決めないとならないのは、行きの飛行機の席順よ」
「自由でいいんじゃねぇか?」
「構わないけれど、それでは統率が取れなくなるし、折角の合同合宿なのだから、ここは無作為に決めるのがいいと思うわ」
「無作為?」
「くじ引きとかね」
「それじゃ、お前と俺様が隣になれねぇじゃねぇか」
「あら、何故私があなたの隣の席に座らないとならないのかしら」
「何言ってんだ。俺たちは婚や…」
「跡部くん!!」
その先を言わせまいと、由良は跡部の言葉を遮る。
そして問答無用で跡部を連れて部室を出る。
(由良と跡部が婚約!!?)
手塚は由良と跡部が婚約していたことを知らず、衝撃を受けた。