第3話 合宿会議②
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静かな廊下に慌ただしい足音と悲鳴が響き渡る。
「ァギャアアアア!!殺されるー!!」
梓は、本当は出来ている『合宿のしおり』を急いで作成する為、廊下を走る。
そして、前方の人物に思い切りぶつかる。
「いだー!!
すんまそん、急いでいたもんで……誰?」
梓がぶつかった人物は氷帝とは違う制服を着ていた。
この制服には見覚えがあった。澪菜と同じ学校の制服。
「その服…立海?」
「おっ、当たり」
「だって、澪菜と一緒にいた、さなぎっていう人と同じ服だし」
「澪菜って、長澤先輩?
さなぎは…、ぶふっ!…真田副部長か」
「澪菜が先輩ということは、澪菜の後輩!?」
「そ。俺、切原赤也。アンタは?」
「坂本梓。澪菜のお友達だよ」
「梓か、よろしくな」
梓は年下に呼び捨てにされたり、ため口だったりは特に気にならないが、この時は違和感を覚えた。
(もしかして、この切原赤也ってアタシのこと…)
「…赤也はなんでこんなとこにいんの?」
「いや、なんかさ、部活の先輩に連れてこられたんだよ」
「そうなんだ」
「そういや、さっきアンタ殺されるとかいってたよな」
「殺される?
ころ…ギャアアア!!
忘れてた、こうしちゃおれん!!
すまぬ、アタシしおりつくらなきゃ」
「しおり?」
「そ。アタシ、テニス部のマネジャで今度合宿があるんだけど、しおりを作るのをすこんと忘れてて、今から作るんだヨ」
「え!?アンタ、テニス部のマネージャーなのか!?」
「そうだよ。何でそんな驚くのさ?」
切原に尋ねられ、梓はまたしおりのことを忘却した。
「いや、俺もテニス部員なんだぜ」
「そっか、だから澪菜の後輩か。ん?じゃあ、赤也は今度の合宿、参加すんの?」
「合宿?そーいや、先輩達がそんなこと言ってたような…」
………………。
「あれ?またアタシなんか忘れてるような…」
「そういや、合宿のしおりはどうしたんだ?」
「しおり!」
梓はようやく思い出した。
「作ってくるから、待ってて!!」
梓はそう言うと、再び走り出した。
「あ、ちょっと、オイ!!」
切原の声が梓は聞こえていないようでそのまま走っていく。
「待っとけったって…」
こんなところで待っていてどうしろと言うんだ。仕方なく、切原は梓を追いかけることにした。