第3話 合宿会議②
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「何?どうしたの?」
「馬鹿がしおり忘れた」
「しおり?」
「合宿のしおりよ。昨日、梓に頼んでおいたの」
「へぇ、そうなんだ」
「頼んだときは『任せて!』と、言っていたのだけれど…」
「安請け合いして、いつも当てにならないのがあいつだろ」
「ええ、想定内よ。では、跡部くん」
「ああ」
跡部は紙の束を由良へ渡す。
「…それは」
「ええ、梓に頼んでおいた合宿のしおりよ。
彼女は、当てにならないもの」
由良はとても爽やかな笑顔を見せる。
「つまり梓はしおりがあるのにしおりを作りに行ったんだよね」
つまり無駄足ということだ。梓が頑張ってしおりを作成しても既に完成したものがある。しおりは二つもいらない。
「わたし、梓に伝えに行くよ」
そう言って澪菜は梓を追い、部室を出る。
「あらあら」
「あいつ、今日何しに来たんだ。部室出たり入ったり」
実際、澪菜は10分も部室内に滞在していない。
「それより、澪菜を一人で行かせるわけにはいかないわ」
澪菜は梓が何処にしおりを作成しに向かったのか見当もついて無いだろう。それなのに追いかけたのだ。迷子になるしかないだろう。
「…だろうな。日吉、もう一度行けよ」
「いや、大丈夫、俺が行くよ」
夏希が日吉に命令するが、それを遮って恵が名乗り出る。彼は妹が心配なようだ。
「恵、あなたは何処に行ったか分からない澪菜を探す程、この校舎に詳しいのかしら」
「それは…」
恵は中等部では神奈川にいて、この校舎を使っていなかった為、余り詳しくはなかった。迷うことは無いだろうが、捜すとなると彼は不適切だろう。
「澪菜は他の子に任せて、あなたは夏希としおりをコピーをしてきてちょうだい」
「あ、はい…分かりました。
じゃあ夏希ちゃん、行こうか」
恵は由良より紙の束を受け取り、夏希に微笑みかける。
夏希は「はい」と、嬉しそうに笑顔で答える。
夏希と恵はそれぞれ恋愛感情は全く無いが、周りから見れば夏希が恵に対して特別な好意を持っているように見える。そもそも夏希が笑顔を見せることが珍しい。
(どうする。俺も行くか?)
宍戸は自分もついて行こうかと迷うが、忍足が「俺も行くわ」と名乗り出る。宍戸は先を越され、焦って自分もと名乗り出る。
「別に来なくてもいい。ってか来んな!」
「もう何でもいいから早く行ってくれないかしら?」
由良が黒い微笑みを見せると
「……!行ってくる!!」
と、夏希は忍足と宍戸を引き連れて部室を飛び出す。
「それでは行ってきます」
恵は一言そう言うと、部室を後にした。
「それで、澪菜はどなたが連れ戻してくれるの?」
由良は部室内を見回す。
「それじゃ、俺が行きます」
「二年生の鳳くんね」
「はい」
二年生の鳳長太郎くん。優しくて、責任感のある子。確かに彼ならば澪菜をきちんと連れ戻してくれるだろう。由良が鳳に澪菜の事を頼むと、彼は部室を後にした。
「私たちは会議を進めましょう。実際のところ、夏希や梓がいない方が進行し易いわ」
そう言って由良は微笑んだ。
「馬鹿がしおり忘れた」
「しおり?」
「合宿のしおりよ。昨日、梓に頼んでおいたの」
「へぇ、そうなんだ」
「頼んだときは『任せて!』と、言っていたのだけれど…」
「安請け合いして、いつも当てにならないのがあいつだろ」
「ええ、想定内よ。では、跡部くん」
「ああ」
跡部は紙の束を由良へ渡す。
「…それは」
「ええ、梓に頼んでおいた合宿のしおりよ。
彼女は、当てにならないもの」
由良はとても爽やかな笑顔を見せる。
「つまり梓はしおりがあるのにしおりを作りに行ったんだよね」
つまり無駄足ということだ。梓が頑張ってしおりを作成しても既に完成したものがある。しおりは二つもいらない。
「わたし、梓に伝えに行くよ」
そう言って澪菜は梓を追い、部室を出る。
「あらあら」
「あいつ、今日何しに来たんだ。部室出たり入ったり」
実際、澪菜は10分も部室内に滞在していない。
「それより、澪菜を一人で行かせるわけにはいかないわ」
澪菜は梓が何処にしおりを作成しに向かったのか見当もついて無いだろう。それなのに追いかけたのだ。迷子になるしかないだろう。
「…だろうな。日吉、もう一度行けよ」
「いや、大丈夫、俺が行くよ」
夏希が日吉に命令するが、それを遮って恵が名乗り出る。彼は妹が心配なようだ。
「恵、あなたは何処に行ったか分からない澪菜を探す程、この校舎に詳しいのかしら」
「それは…」
恵は中等部では神奈川にいて、この校舎を使っていなかった為、余り詳しくはなかった。迷うことは無いだろうが、捜すとなると彼は不適切だろう。
「澪菜は他の子に任せて、あなたは夏希としおりをコピーをしてきてちょうだい」
「あ、はい…分かりました。
じゃあ夏希ちゃん、行こうか」
恵は由良より紙の束を受け取り、夏希に微笑みかける。
夏希は「はい」と、嬉しそうに笑顔で答える。
夏希と恵はそれぞれ恋愛感情は全く無いが、周りから見れば夏希が恵に対して特別な好意を持っているように見える。そもそも夏希が笑顔を見せることが珍しい。
(どうする。俺も行くか?)
宍戸は自分もついて行こうかと迷うが、忍足が「俺も行くわ」と名乗り出る。宍戸は先を越され、焦って自分もと名乗り出る。
「別に来なくてもいい。ってか来んな!」
「もう何でもいいから早く行ってくれないかしら?」
由良が黒い微笑みを見せると
「……!行ってくる!!」
と、夏希は忍足と宍戸を引き連れて部室を飛び出す。
「それでは行ってきます」
恵は一言そう言うと、部室を後にした。
「それで、澪菜はどなたが連れ戻してくれるの?」
由良は部室内を見回す。
「それじゃ、俺が行きます」
「二年生の鳳くんね」
「はい」
二年生の鳳長太郎くん。優しくて、責任感のある子。確かに彼ならば澪菜をきちんと連れ戻してくれるだろう。由良が鳳に澪菜の事を頼むと、彼は部室を後にした。
「私たちは会議を進めましょう。実際のところ、夏希や梓がいない方が進行し易いわ」
そう言って由良は微笑んだ。