第2話 合宿会議①
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「遅い!!」
夏希は男子テニス部の部室で苛々した様子で澪菜を待っていた。
「もうじき来る筈よ。落ち着きなさいな」
由良がそうたしなめると丁度部室の扉が開いた。
梓が満足げな様子で立っていた。
「お待たせー!!」
「やっと来たか。まった…く…」
夏希は待ちくたびれた様子で澪菜の姿を確認する。その後ろに澪菜と同じ学校の男子制服の大男、そしてもう一人の姿を見て固まる。もう一人が夏希ににこやかに挨拶すると、苛ついていた夏希の態度が一変する。
礼儀正しくお辞儀をして、心なしか目が輝いているように見える。
夏希の変わり様に、どこからか「え……、誰?」という呟きが聞こえた。
「初めまして。
俺は高等部二年、長澤恵」
恵は他に部室にいたメンバーに自己紹介する。レギュラーの皆は着替えただけで練習もしないで待っていた。
「知ってますわ。めちゃくちゃ有名ですしね」
「え、有名…なの?」
彼等は中等部で自分は高等部。ましてや中等部の時は神奈川にいた自分を知っているなんて、しかも有名とは。
恵は忍足の予想外の言葉に目を丸くした。
「高等部の超有名人、あの月城和己さんといつも一瞬にいてはる人でしょ」
「そういう認識なんだね」
そう言いつつも恵は、納得がいった。
月城和己。氷帝学園高等部二年、生徒会役員。
とにかく彼は目立つ。
友人として隣にいる彼ももれなく目立つだろう。
「ん?確か、由良ちゃんの名字も月城…」
忍足は月城和己と由良の共通点を見つけた。
どちらも名字が月城だという。
「和己さんは由良のお兄ちゃんだよ」
梓が忍足の疑問に答えると、由良が「不本意だけれど」と付け足した。由良は兄の和己を苦手としていた。嫌いとまではいかないが、性格が合わない。夏希にしてみれば同族嫌悪なのだが……。