第7話 森の〇〇さん
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夏希、梓、澪菜、由良、跡部、忍足、宍戸、向日の八人は跡部の別荘の周りの小さな森を散策していた。
「うむ、折角だし街の方でお買い物したかったね」
歩きながら梓はぼそりと呟く。
散策も悪くはないが、折角北海道に来たのだ。梓には買いたいものが沢山ある。
「お前にしては良いこと言うな」
夏希も同じ意見だったようで、梓に賛成する。
「買い物をするには時間が足りないわよ」
この自由時間は1時間程しかない。流石に買い物するには足りないだろう。
「けど、木ばっかじゃねぇか」
夏希は静かな場所ではなく賑やかな所に行きたかったようだ。
「うーん、こういうのもたまにはいいと思うけど」
澪菜は特に不満もないらしく、きょろきょろと周りの景色を見ている。どうやら彼女の義兄の恵に見せる写真を撮る場所を探しているようだ。
「…そうか?」
夏希はあまり納得がいかないようでムッとしている。
「夏希…。
恵は『楽しんで』と、言っていたわよね」
「森散策最高だ」
由良の言葉を聞き、夏希が一転やる気になった。
「切り替え早いよ」
「当然だ」
夏希にとって恵の言葉は絶対だ。恵が『楽しんで』と、言えば思い切り楽しむ。
「じゃあわたしは軽く写真撮ってくるよ。皆はこの辺を散策してて、4時にここに集合しよう」
そして、澪菜は道を逸れて森へと入っていく。
「うーん、澪菜一人で大丈夫カナ」
「大丈夫だろ。
焦ってるときは迷うかもしれないけど、今は冷静だ。なら、迷わねぇよ。
…お前と違ってな」
夏希は梓の頭を鷲掴みにする。
「失敬だな!!
アタシがいつ迷っ…」
「ああ?」
夏希が不機嫌そうな声を出すと、梓は言葉を途切らせる。
「いや梓、この間ウチの学校で迷ってただろ」
「そうなんか?
それはすごいな」
「ぷくー。もういいよ!!」
梓は口をフグのように膨らし、六人から離れ足早に去っていく。
「あら、拗ねちゃったわね。大丈夫かしら」
あの状態の梓を放置すれば、また迷ってしまうかもしれない。追いかけるべきだろう。由良が他のメンバーの様子を確認すると、向日が慌てて追いかけていた。由良はそのまま向日に任せることにした。
「あ、岳人…行ってしもた。
岳人もなんであれがええんやろ」
「まったくだな」
忍足の言葉に夏希は頷いた。
趣味が悪いとしか思えない。顔はまあ普通だとしても、中身が阿呆の塊。わざわざそんな梓を好きになる必要はない。
「あら、私は可愛いと思うわよ。
梓は素直で、からかいがあるでしょう?」
由良が爽やかに笑う。明らかにその笑顔と言葉が合っていない。それによって場の空気が凍りつく。
「…あー、あたしはあっちの方の写真でも撮ってくる」
夏なのに寒気を覚えた夏希は右手側を指差し、その方向へ歩いていく。それに忍足と宍戸も付いていく。
「行ってしまったわ。
跡部くん、あなたは行かないの?」
由良は唯一残った跡部を見つめる。
「何故俺様が行かなきゃならねぇんだ」
跡部の返答を聞き、由良はふぅと息をついた。彼はここに残りたいらしい。
「そう。
では、私は行くわね」
由良はここに残ったところで意味はないと思い、取り敢えずその辺を一人散歩でもしようと思った。
そうして由良は、夏希が歩いて行った方角とは別の左手側へと歩いていく。
「ハァ!?
ちょっと待て!!」
跡部に止められ、由良は足を止めた。そして振り返る。
「何を言っているの。じっとしていても散策にならないでしょう?」
由良はそう言って再び歩み出した。
跡部も由良の言葉に取りあえず納得し、彼女についていく。
「うむ、折角だし街の方でお買い物したかったね」
歩きながら梓はぼそりと呟く。
散策も悪くはないが、折角北海道に来たのだ。梓には買いたいものが沢山ある。
「お前にしては良いこと言うな」
夏希も同じ意見だったようで、梓に賛成する。
「買い物をするには時間が足りないわよ」
この自由時間は1時間程しかない。流石に買い物するには足りないだろう。
「けど、木ばっかじゃねぇか」
夏希は静かな場所ではなく賑やかな所に行きたかったようだ。
「うーん、こういうのもたまにはいいと思うけど」
澪菜は特に不満もないらしく、きょろきょろと周りの景色を見ている。どうやら彼女の義兄の恵に見せる写真を撮る場所を探しているようだ。
「…そうか?」
夏希はあまり納得がいかないようでムッとしている。
「夏希…。
恵は『楽しんで』と、言っていたわよね」
「森散策最高だ」
由良の言葉を聞き、夏希が一転やる気になった。
「切り替え早いよ」
「当然だ」
夏希にとって恵の言葉は絶対だ。恵が『楽しんで』と、言えば思い切り楽しむ。
「じゃあわたしは軽く写真撮ってくるよ。皆はこの辺を散策してて、4時にここに集合しよう」
そして、澪菜は道を逸れて森へと入っていく。
「うーん、澪菜一人で大丈夫カナ」
「大丈夫だろ。
焦ってるときは迷うかもしれないけど、今は冷静だ。なら、迷わねぇよ。
…お前と違ってな」
夏希は梓の頭を鷲掴みにする。
「失敬だな!!
アタシがいつ迷っ…」
「ああ?」
夏希が不機嫌そうな声を出すと、梓は言葉を途切らせる。
「いや梓、この間ウチの学校で迷ってただろ」
「そうなんか?
それはすごいな」
「ぷくー。もういいよ!!」
梓は口をフグのように膨らし、六人から離れ足早に去っていく。
「あら、拗ねちゃったわね。大丈夫かしら」
あの状態の梓を放置すれば、また迷ってしまうかもしれない。追いかけるべきだろう。由良が他のメンバーの様子を確認すると、向日が慌てて追いかけていた。由良はそのまま向日に任せることにした。
「あ、岳人…行ってしもた。
岳人もなんであれがええんやろ」
「まったくだな」
忍足の言葉に夏希は頷いた。
趣味が悪いとしか思えない。顔はまあ普通だとしても、中身が阿呆の塊。わざわざそんな梓を好きになる必要はない。
「あら、私は可愛いと思うわよ。
梓は素直で、からかいがあるでしょう?」
由良が爽やかに笑う。明らかにその笑顔と言葉が合っていない。それによって場の空気が凍りつく。
「…あー、あたしはあっちの方の写真でも撮ってくる」
夏なのに寒気を覚えた夏希は右手側を指差し、その方向へ歩いていく。それに忍足と宍戸も付いていく。
「行ってしまったわ。
跡部くん、あなたは行かないの?」
由良は唯一残った跡部を見つめる。
「何故俺様が行かなきゃならねぇんだ」
跡部の返答を聞き、由良はふぅと息をついた。彼はここに残りたいらしい。
「そう。
では、私は行くわね」
由良はここに残ったところで意味はないと思い、取り敢えずその辺を一人散歩でもしようと思った。
そうして由良は、夏希が歩いて行った方角とは別の左手側へと歩いていく。
「ハァ!?
ちょっと待て!!」
跡部に止められ、由良は足を止めた。そして振り返る。
「何を言っているの。じっとしていても散策にならないでしょう?」
由良はそう言って再び歩み出した。
跡部も由良の言葉に取りあえず納得し、彼女についていく。