空を見上げて
Your name
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「お、お邪魔します…」
「どーぞ、なーんにもないとこっスけどね」
何もないという言葉はかなりの大嘘であるが、年頃である彼女の興味を惹くようなものがあるとは思えないので、あながちまったくの嘘ではない。連れてきたのは自分なので、まあ、なんとも。
「お、やっと来よったか」
するりと機械の間から出てきた部下に、苦笑いが溢れてしまう。
「ひよりサン、初対面でしょ? そんな道場の親方みたいな」
「やかましいわ!」
流石に彼女も、初対面の貴族のご令嬢の前でいきなりボクに拳を飛ばすことはしないらしい。
「えっと…」
最近、夜一サンほどではないものの、それなりに近しい人物と認定してもらったのか、ここまでそわそわした彼女を見るのは久々だ。
「黙ってて悪かったんスけど、彼女はボクの副官をやってくれてる、猿柿ひよ里サン、っス」
「おう、このハゲの下にわざわざついて、世話を焼きに焼かせられてる猿柿ひよ里や!」
…この短時間で、そこまでの皮肉を込められるって、流石っスね…
「……… さくらサン?」
「は、え、えと……」
完全に固まってしまったさくらサンに、こちらも少しだけ戸惑う。
人見知りをするのはわかっていたが、自分の時とは違う様子には、どうして良いものか、見当がつかない。
「そんな緊張せんでもえーで! 少なくともアンタとウチは、喜助に迷惑かけられてる同士や! なかよーしてな!」
ひよりサンは、さくらさんの目の前までずんずんと歩み寄ると小さな手をとり、無理やり握手を交わす。
「うらはらさまには、めいわくとか、かけられてなくて…! いつも、おべんきょうをおしえてもらったり、おそとのはなしをたくさんきかせてくれたりしていただいてて…!」
目を回したかのように体を揺らしながら必死になって口を動かす姿は小動物のようにもみえる。彼女はどうやら、自分が名乗っていないことには気が付いていない。
「四楓院家の分家のお嬢サンの、さくらサンです。なかなか立場上、お友達とかいないみたいで、夜一サンにも黙って、紹介させてもらってるんスけど」
「よーわかった! さくら、今日から友人兼愚痴相手や、喜助に変なことされたらいつでも言い、ウチがしばいたるからな!」
「ちょっと! どーゆーことっスか!?」
この間の贈り物のちょっとしたお返し。以前自分の仕事のことは聞かれたが、説明も難しい。それに、なかなか他人と関わる機会はないだろうか、ほんの少しの時間だけ、自分の自慢の隊を紹介することにした。
さくらサンとひよりサンは仲良くできるだろうか。神様というものがボクをみているならば、褒めて欲しい。
「どーぞ、なーんにもないとこっスけどね」
何もないという言葉はかなりの大嘘であるが、年頃である彼女の興味を惹くようなものがあるとは思えないので、あながちまったくの嘘ではない。連れてきたのは自分なので、まあ、なんとも。
「お、やっと来よったか」
するりと機械の間から出てきた部下に、苦笑いが溢れてしまう。
「ひよりサン、初対面でしょ? そんな道場の親方みたいな」
「やかましいわ!」
流石に彼女も、初対面の貴族のご令嬢の前でいきなりボクに拳を飛ばすことはしないらしい。
「えっと…」
最近、夜一サンほどではないものの、それなりに近しい人物と認定してもらったのか、ここまでそわそわした彼女を見るのは久々だ。
「黙ってて悪かったんスけど、彼女はボクの副官をやってくれてる、猿柿ひよ里サン、っス」
「おう、このハゲの下にわざわざついて、世話を焼きに焼かせられてる猿柿ひよ里や!」
…この短時間で、そこまでの皮肉を込められるって、流石っスね…
「……… さくらサン?」
「は、え、えと……」
完全に固まってしまったさくらサンに、こちらも少しだけ戸惑う。
人見知りをするのはわかっていたが、自分の時とは違う様子には、どうして良いものか、見当がつかない。
「そんな緊張せんでもえーで! 少なくともアンタとウチは、喜助に迷惑かけられてる同士や! なかよーしてな!」
ひよりサンは、さくらさんの目の前までずんずんと歩み寄ると小さな手をとり、無理やり握手を交わす。
「うらはらさまには、めいわくとか、かけられてなくて…! いつも、おべんきょうをおしえてもらったり、おそとのはなしをたくさんきかせてくれたりしていただいてて…!」
目を回したかのように体を揺らしながら必死になって口を動かす姿は小動物のようにもみえる。彼女はどうやら、自分が名乗っていないことには気が付いていない。
「四楓院家の分家のお嬢サンの、さくらサンです。なかなか立場上、お友達とかいないみたいで、夜一サンにも黙って、紹介させてもらってるんスけど」
「よーわかった! さくら、今日から友人兼愚痴相手や、喜助に変なことされたらいつでも言い、ウチがしばいたるからな!」
「ちょっと! どーゆーことっスか!?」
この間の贈り物のちょっとしたお返し。以前自分の仕事のことは聞かれたが、説明も難しい。それに、なかなか他人と関わる機会はないだろうか、ほんの少しの時間だけ、自分の自慢の隊を紹介することにした。
さくらサンとひよりサンは仲良くできるだろうか。神様というものがボクをみているならば、褒めて欲しい。