「緊急招集！緊急招集！各隊隊長は即時一番隊舎に集合願います！！」

ガンガンというけたたましい音で目が覚める。普段と変わらず研究に追われ、そのまま倒れ込むように仮眠を取っていたはずだった。

ひよ里サンを応援として向かわせたから、言い方は悪いが、貴重な睡眠時間を奪われる要因は減っていたのに。

「九番隊に異常発生！」

「九番隊隊長　六車拳西、および副隊長　久南白の霊圧反応消失！」

「それにより緊急の、、、」

霞のかかった思考が一気に覚醒する。

九番隊。異常発生。緊急招集。
ぐるぐると言葉だけが意味を持たず回ったのち、ひとつだけ頭に鈍器のような衝撃をもたらすものがあった。

自分が、任せた、と向かわせたひよ里サンは。


「ひよ里サンは！？」

肩を驚きでびくつかせる局員には申し訳ないが、そこまで気を遣っている余裕はなかった。

「…さ…先程出発されました…！」

もう、迷っている場合ではない。

「繰り返します！」

「緊急招集です。各隊隊長は即時、、、」

慌てたように後ろから声をかけられるが、こちらの焦りの方が勝る。

ボクがいくべきだった…

後悔しても遅いのはわかっている。

すでに瀞霊廷を離れた彼女は現場の異変を知らない。あまりにも危険すぎる。

きっと、少し手間取っているだけだからと彼女を向かわせてしまった自分を恨んだ。