短編
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「ユーリさんユーリさん。任務です。
今日1日あなたはこの猫の面倒を見なければなりません。まずは仲良くなるために意思疎通を図りましょう。てなわけで、はい猫耳」
「……とりあえず、降りろ」
自分にまたがる少女に、ユーリはそう言った。
まだ外は日が高くのぼっていたが、どうやら連日続けていれている依頼の疲れが出てしまったらしい。
少し一休みのつもりで自室のソファに腰を掛けたところから記憶がプッツリと切れてしまっている。
「(今、朝…だよな。どんだけ寝ちまってたんだよ…)」
体力には自信があった。が、自己管理もできないようでは、今後の依頼にかかわる。
自分の情けなさに、頭をかかえるユーリ。
「お、大丈夫?何、いい夢見てたの?私邪魔しちゃった?ねぇねぇどんな夢?美女が出てくる夢?」
その上、膝に乗られるまでこの少女に気づかないなんて。
隣で何故か楽しそうにしているリリィに、ユーリは再び重い息を吐いた。
その膝には、小さな黒猫。
「…で、なんだって?猫の世話だったか?」
「あ、そうそうソレが本題。
迷い猫っぽいんだけど、飼い主が見つかるまでみんなで交代しながら面倒を見るんだって」
「へぇ。で、なんで真っ先に俺なんだ?」
「だって猫って言ったらユーリじゃん」
「……………」
この少女の中で、自分は何なのか。
いや、考え無いほうがいい気がする。
やめておこう。
リリィの膝の上で、黒猫は大きなあくびをする。
チリンと赤い首輪についている鈴がなった。
「依頼として受けてきたから今日1日部屋で面倒見ること。
あ、はい猫耳。よかったらつけて」
"ちなみに今日のユーリの依頼は全てお断りしてきましたー"
リリィは黒い猫耳を差し出しながらそう言った。
そこまで聞いて、ユーリはリリィの真意を理解する。
なるほど彼女らしい、ずいぶんと強引な気遣いだ。
思わずほころぶ笑み。
スッと、ユーリはリリィの手から猫耳を受け取る。
そしてそれを自分の頭につけるのではなく、リリィの茶色い髪へと差し込んだ。
「おー、似合う似合う」
「………え、なんで私につけんの?」
「逆になんで俺がつけることになるんだよ」
「や、だって、ユーリって猫耳好きなんでしょ?
猫耳つけるのが趣味ってことでしょ?」
「…………」
キョトンとした顔でそう言うリリィは"てか私が猫耳ユーリ見たかったー"と頬を膨らませる。
何とも言えない気持ちになったユーリは小さくため息をついてから苦笑し、彼女の頭を撫でる。
「…お前しばらくそうしてろよ」
「えー。ユーリも後でつけてよ?」
「へいへい」
チリン、と再び猫の鈴がなる。
悪ぃな。俺はお前よりもコッチのでかい猫のほうが癒やされるんでな。
毛づくろいを始めた黒猫に、ユーリはそう笑った。
ゆっくり、まったり、猫日和。
今日1日あなたはこの猫の面倒を見なければなりません。まずは仲良くなるために意思疎通を図りましょう。てなわけで、はい猫耳」
「……とりあえず、降りろ」
自分にまたがる少女に、ユーリはそう言った。
まだ外は日が高くのぼっていたが、どうやら連日続けていれている依頼の疲れが出てしまったらしい。
少し一休みのつもりで自室のソファに腰を掛けたところから記憶がプッツリと切れてしまっている。
「(今、朝…だよな。どんだけ寝ちまってたんだよ…)」
体力には自信があった。が、自己管理もできないようでは、今後の依頼にかかわる。
自分の情けなさに、頭をかかえるユーリ。
「お、大丈夫?何、いい夢見てたの?私邪魔しちゃった?ねぇねぇどんな夢?美女が出てくる夢?」
その上、膝に乗られるまでこの少女に気づかないなんて。
隣で何故か楽しそうにしているリリィに、ユーリは再び重い息を吐いた。
その膝には、小さな黒猫。
「…で、なんだって?猫の世話だったか?」
「あ、そうそうソレが本題。
迷い猫っぽいんだけど、飼い主が見つかるまでみんなで交代しながら面倒を見るんだって」
「へぇ。で、なんで真っ先に俺なんだ?」
「だって猫って言ったらユーリじゃん」
「……………」
この少女の中で、自分は何なのか。
いや、考え無いほうがいい気がする。
やめておこう。
リリィの膝の上で、黒猫は大きなあくびをする。
チリンと赤い首輪についている鈴がなった。
「依頼として受けてきたから今日1日部屋で面倒見ること。
あ、はい猫耳。よかったらつけて」
"ちなみに今日のユーリの依頼は全てお断りしてきましたー"
リリィは黒い猫耳を差し出しながらそう言った。
そこまで聞いて、ユーリはリリィの真意を理解する。
なるほど彼女らしい、ずいぶんと強引な気遣いだ。
思わずほころぶ笑み。
スッと、ユーリはリリィの手から猫耳を受け取る。
そしてそれを自分の頭につけるのではなく、リリィの茶色い髪へと差し込んだ。
「おー、似合う似合う」
「………え、なんで私につけんの?」
「逆になんで俺がつけることになるんだよ」
「や、だって、ユーリって猫耳好きなんでしょ?
猫耳つけるのが趣味ってことでしょ?」
「…………」
キョトンとした顔でそう言うリリィは"てか私が猫耳ユーリ見たかったー"と頬を膨らませる。
何とも言えない気持ちになったユーリは小さくため息をついてから苦笑し、彼女の頭を撫でる。
「…お前しばらくそうしてろよ」
「えー。ユーリも後でつけてよ?」
「へいへい」
チリン、と再び猫の鈴がなる。
悪ぃな。俺はお前よりもコッチのでかい猫のほうが癒やされるんでな。
毛づくろいを始めた黒猫に、ユーリはそう笑った。
ゆっくり、まったり、猫日和。