短編
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その日は、気持ちの悪い曇りの日だったかな・・・。
私は町から少し離れた川原で、釣りをしていたの。
私釣りが好きでさぁ、殆ど毎日そこで釣りをしていたのよね。
魚を釣るたびに妙な充実感にひたってたんだ。
いつもは日が落ちる前にものを片付けてさっさと帰ってたんだけど、
その日だけは何故か滅茶苦茶夢中になっちゃって。
気付いたら、辺りは薄暗くなってたの。
あ、もうこんな時間か。帰らないと。って物を片付け始めてたとき、
ふいにポツ、と鼻先に何か当たったの。
上を見るとさ、雨が降り出してたの。
しとしとって、あんまり激しくない雨。
めんどくさいなーって思いながら動かす手を早めたの。
その時、何か聞こえたんだよね。
なんていうか・・・こう・・・子供の声みたいな・・・。
でも周りを見ても誰もいないしさ。それこそ人影一つ見当たらない。
そこで気味悪くなってさ、物を片して立ち上がろうとしたとき、
―――トンッと何かの物音が近くで聞こえたの。
ハッと右下をみると、さっきまで無かった丸いものがあってさ。
暗くて良く見えなかったんだけど、何となく大きさ的にもボールかと思った。
なにかなーってジッと目を凝らそうとしたら、ザッザッと足音が聞こえたんだ。
音の大きさ的にも子供っぽかったし、あぁ、子供がボールをこっちに転がしてしまったのかな。そう思ったんだ。
その足音が自分の近くにまで来た時、私はそのボールを手に取った。
そしてその子に渡そうと、ふと顔を上げたとき、
何かがおかしい。唐突にそう思った。
人はいたのだ。そこに立っていた。それも少女のようなワンピースを着ている。
だけど変なのだ。何かが。
足、太もも、腰、胸、肩。
順々に見ていって、私は何がおかしいのかやっと分かった。
肩、首・・・・それから上が無い。
頭が、無かった。
ふと手元のボールを見た。
否、ボールだと思っていたそれを見た。
黒いのは、髪だ。
長い、女の髪だ。
それは雨で肌にはりついて、丸く見えていたんだ。
ちら、と髪の隙間から見えたのは、眼球。
それは睫毛のついた少女の目で。
――――刹那、ぎょろりとコチラを向いた。
「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!」
「旦那!夜中なんだから騒がない!!」
叫び声をあげた幸村。毛布に包まってる。
部屋には千夜、幸村、佐助、政宗、小十郎がいた。
暗くした部屋でしているのは、もちろん怪談。
「Ha! びびりやがって真田ァ」
「政宗様。何故小十郎の寝巻きの裾を掴んでるのですか?」
「あああああああ頭が・・・・!!」
「旦那・・・あんた、武将だよな?」
「もーみんな怖がりすぎー。怖がりすぎて面白いわ」
ケラケラと笑いながらそう言ったのは、怪談をしていた千夜。
そしてスゥと目を細めて低くした声で追い討ちをかけた。
「それにさ・・・こういう話してると、そういうのが寄ってくるってよく言うんだよね・・・・・」
「「・・・・・・・・・・・」」
明らかに青ざめた、政宗と幸村。
佐助と小十郎はやはり大人で、あまり気にしていない(というか信じていない)様子。
千夜はその二人の反応が面白くて、次は何を話そうかと考えた。
その瞬間、
「――――しっ!!」
「ん?佐助どうしたの?」
唐突に、佐助が口に人差し指を当てた。
首を傾げる千夜。
佐助は静かにこう言った。
「…なにか………人の足音が聞こえる…。それもこっちに…」
「……はい?」
「・・・・・確かに聞こえるな」
佐助の台詞に、顔を引きつらせる千夜。そして蒼紅。
続けざまに小十郎がそう言ったもんだから、思わず千夜は隣の政宗に抱きついた。
ぎし…ぎし…ぎし…
「確かに聞こえる…。しかも…こっちに……!?」
「ききききき聞き間違いでござる………!!!」
「い、いるわけねぇだろGhostなんて…!」
明らかに動揺している3人。
その足音は、徐々に近づいて…。
部屋の前で止まった。
そして、
「―――――失礼します」
「「「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!」」」
入ってきたのは女中さんだったが、ビビリまくっていた3人は大きな悲鳴を上げてしまった。
きょとんとする女中さん。
ちなみに佐助はクスクス笑ってて、小十郎は呆れたようにため息をついていた。
「でたああ・・・って、アレ?女中の・・・菊さん?」
「は、はい。こんばんわ皆様・・・。いかがなされました・・・?」
「あ・・・いや・・・。なんでもないです。あはは・・・」
「驚かさないでほしいでござる・・・」
「oh・・・」
キョトンとしてる菊に、千夜は半泣き目でガックリとしていた。
蒼紅もまたしかり。
「で?何しに来たの?」
「あ、はい。先ほど、皆様がこの部屋に入られるのを見て…お茶を用意してきたのですが…」
「さっすが菊さん。女中の鏡だねー」
先ほどまでのビビリはどこにいったのか、千夜は“あははは~”と笑いながらそう言った。
菊がおぼんに乗せたお茶を一つ一つ配っていく。
政宗、幸村、小十郎、佐助、千夜。
五人に渡し終えた菊は、そこで何故か首をかしげた。
「…あら?」
「あーお茶落ち着く…。どうしたんですか菊さん」
千夜にそう聞かれると、菊はキョロキョロと辺りを見回し、小さく呟いた。
手には、湯気のたっている湯のみ。
「お茶が一つ余ってしまいまして…」
「…え?」
「あの、ここにもう一人女性の方が入っていかれませんでしたか?」
「え、あの…なんのことですか?」
「…おかしいですね…」
「皆様がここに入るときに、一番後ろに髪の長い女性の方が見えたのですが…気のせいでしょうか…」
「「「「「……………」」」」」
そう呟いた菊の言葉に、とうとう五人は青ざめてしまった。
私は町から少し離れた川原で、釣りをしていたの。
私釣りが好きでさぁ、殆ど毎日そこで釣りをしていたのよね。
魚を釣るたびに妙な充実感にひたってたんだ。
いつもは日が落ちる前にものを片付けてさっさと帰ってたんだけど、
その日だけは何故か滅茶苦茶夢中になっちゃって。
気付いたら、辺りは薄暗くなってたの。
あ、もうこんな時間か。帰らないと。って物を片付け始めてたとき、
ふいにポツ、と鼻先に何か当たったの。
上を見るとさ、雨が降り出してたの。
しとしとって、あんまり激しくない雨。
めんどくさいなーって思いながら動かす手を早めたの。
その時、何か聞こえたんだよね。
なんていうか・・・こう・・・子供の声みたいな・・・。
でも周りを見ても誰もいないしさ。それこそ人影一つ見当たらない。
そこで気味悪くなってさ、物を片して立ち上がろうとしたとき、
―――トンッと何かの物音が近くで聞こえたの。
ハッと右下をみると、さっきまで無かった丸いものがあってさ。
暗くて良く見えなかったんだけど、何となく大きさ的にもボールかと思った。
なにかなーってジッと目を凝らそうとしたら、ザッザッと足音が聞こえたんだ。
音の大きさ的にも子供っぽかったし、あぁ、子供がボールをこっちに転がしてしまったのかな。そう思ったんだ。
その足音が自分の近くにまで来た時、私はそのボールを手に取った。
そしてその子に渡そうと、ふと顔を上げたとき、
何かがおかしい。唐突にそう思った。
人はいたのだ。そこに立っていた。それも少女のようなワンピースを着ている。
だけど変なのだ。何かが。
足、太もも、腰、胸、肩。
順々に見ていって、私は何がおかしいのかやっと分かった。
肩、首・・・・それから上が無い。
頭が、無かった。
ふと手元のボールを見た。
否、ボールだと思っていたそれを見た。
黒いのは、髪だ。
長い、女の髪だ。
それは雨で肌にはりついて、丸く見えていたんだ。
ちら、と髪の隙間から見えたのは、眼球。
それは睫毛のついた少女の目で。
――――刹那、ぎょろりとコチラを向いた。
「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!」
「旦那!夜中なんだから騒がない!!」
叫び声をあげた幸村。毛布に包まってる。
部屋には千夜、幸村、佐助、政宗、小十郎がいた。
暗くした部屋でしているのは、もちろん怪談。
「Ha! びびりやがって真田ァ」
「政宗様。何故小十郎の寝巻きの裾を掴んでるのですか?」
「あああああああ頭が・・・・!!」
「旦那・・・あんた、武将だよな?」
「もーみんな怖がりすぎー。怖がりすぎて面白いわ」
ケラケラと笑いながらそう言ったのは、怪談をしていた千夜。
そしてスゥと目を細めて低くした声で追い討ちをかけた。
「それにさ・・・こういう話してると、そういうのが寄ってくるってよく言うんだよね・・・・・」
「「・・・・・・・・・・・」」
明らかに青ざめた、政宗と幸村。
佐助と小十郎はやはり大人で、あまり気にしていない(というか信じていない)様子。
千夜はその二人の反応が面白くて、次は何を話そうかと考えた。
その瞬間、
「――――しっ!!」
「ん?佐助どうしたの?」
唐突に、佐助が口に人差し指を当てた。
首を傾げる千夜。
佐助は静かにこう言った。
「…なにか………人の足音が聞こえる…。それもこっちに…」
「……はい?」
「・・・・・確かに聞こえるな」
佐助の台詞に、顔を引きつらせる千夜。そして蒼紅。
続けざまに小十郎がそう言ったもんだから、思わず千夜は隣の政宗に抱きついた。
ぎし…ぎし…ぎし…
「確かに聞こえる…。しかも…こっちに……!?」
「ききききき聞き間違いでござる………!!!」
「い、いるわけねぇだろGhostなんて…!」
明らかに動揺している3人。
その足音は、徐々に近づいて…。
部屋の前で止まった。
そして、
「―――――失礼します」
「「「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!」」」
入ってきたのは女中さんだったが、ビビリまくっていた3人は大きな悲鳴を上げてしまった。
きょとんとする女中さん。
ちなみに佐助はクスクス笑ってて、小十郎は呆れたようにため息をついていた。
「でたああ・・・って、アレ?女中の・・・菊さん?」
「は、はい。こんばんわ皆様・・・。いかがなされました・・・?」
「あ・・・いや・・・。なんでもないです。あはは・・・」
「驚かさないでほしいでござる・・・」
「oh・・・」
キョトンとしてる菊に、千夜は半泣き目でガックリとしていた。
蒼紅もまたしかり。
「で?何しに来たの?」
「あ、はい。先ほど、皆様がこの部屋に入られるのを見て…お茶を用意してきたのですが…」
「さっすが菊さん。女中の鏡だねー」
先ほどまでのビビリはどこにいったのか、千夜は“あははは~”と笑いながらそう言った。
菊がおぼんに乗せたお茶を一つ一つ配っていく。
政宗、幸村、小十郎、佐助、千夜。
五人に渡し終えた菊は、そこで何故か首をかしげた。
「…あら?」
「あーお茶落ち着く…。どうしたんですか菊さん」
千夜にそう聞かれると、菊はキョロキョロと辺りを見回し、小さく呟いた。
手には、湯気のたっている湯のみ。
「お茶が一つ余ってしまいまして…」
「…え?」
「あの、ここにもう一人女性の方が入っていかれませんでしたか?」
「え、あの…なんのことですか?」
「…おかしいですね…」
「皆様がここに入るときに、一番後ろに髪の長い女性の方が見えたのですが…気のせいでしょうか…」
「「「「「……………」」」」」
そう呟いた菊の言葉に、とうとう五人は青ざめてしまった。