短編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「喉、平気?」
「んー」
「まだ痛かったりする?」
「んー」
「…“んー”じゃ分かんないでしょ。
ちゃんと言葉を使いなさい言葉を」
「………オカーン」
「あははーじゃあ千夜ちゃんの嫌いなピーマン入りのお粥作ってこようか~♪」
「ギャアアアアアアアアアッ!!!やめてええええええええ!!」
しんしんと、外の景色を真白に染め上げる雪が降っている。
とある一軒家の一室に、二人の人影。
ベットの上でそう叫びながら暴れようとする千夜を、佐助は両腕を掴んで押さえつけていた。
「うっ…!けほっ…けほっ……」
「ほら、そんなに大声出すから…。
はい。ホットミルク」
「う゛ー…」
とっさに大声で叫んだせいで喉が痛み、咳き込む。
佐助は咳き込んでいる千夜の背をさすり、傍の棚に置いてあったマグカップを差し出した。
ゆっくりとソレを受け取り、ちょうどいい温度になったミルクを一口。
甘いミルクの味が口に広がり、千夜はやっと落ち着きを取り戻した。
「ふ…はぁ…」
「…その吐息交じりのかすれた声やめてよね。俺様男なんだし」
“ついでに風邪で顔が真っ赤なんだしさ”
そう苦笑しながら言う佐助に、千夜は一瞬キョトンとした。
そして
「…えぇ…。佐助、自重しようよ…」
「ちょ!そんな目で見ないでよ!男としては、彼女がそんな状態だったら反応するもんだよ!?」
「いやだから、あんまりハッキリ言うなっての」
若干引いた目で見つめると、彼はそんなことを口走る。
たしかに男としてはそうなるのかもしれないが、こっちは風邪気味。
あまり身体に悪影響なことにはなりたくない。
それに…。
「佐助こそ、大丈夫なの?」
「ん?何が?」
「あんまり私の傍にいたら風邪移んない?」
「あーそのことか。平気平気。
ていうか、千夜の風邪だったら喜んで貰い受けるっていうか♪」
「…そっか」
棚にマグカップを置きながらそう言うと、ニコッと人懐っこい、千夜の大好きな笑顔を見せる佐助。
千夜はその笑顔に釣られて微笑んだ。
スッと、千夜が佐助の頬に手を伸ばす。
指先が触れると、彼の頬が少し冷たいのが分かる。
「…ちょっと冷たいね」
「部屋に暖房つけてるから大丈夫」
「…ね、佐助」
「何?」
「…ギュっと、してほしいな」
「…」
小さくそう伝えると、少ししてから佐助が千夜の手をそっと掴む。
そしてそのまま優しくベットに押し倒した。
背中に腕をまわし、壊れ物を扱うかのように、抱きしめる。
「…あんまり可愛いこと言ってると…ねぇ?」
「ギュッとしてって言っただけだもん。
変な事したら張り倒すから」
「…ムードも何もあったもんじゃないね。ホントに」
それでも佐助は笑う。
千夜も、彼と一緒に笑う。
「…佐助」
「んー?」
「ありがとね」
「…なーんか今日はずいぶんと素直じゃん」
可愛い、と頭を撫でた。
佐助の腕の中で、千夜は小さく頬を膨らませる。
うっさい、風邪のせいだ。そう小さく呟いて彼の胸に顔を埋めた。
しんしんと、外では雪が降り続けている。
「んー」
「まだ痛かったりする?」
「んー」
「…“んー”じゃ分かんないでしょ。
ちゃんと言葉を使いなさい言葉を」
「………オカーン」
「あははーじゃあ千夜ちゃんの嫌いなピーマン入りのお粥作ってこようか~♪」
「ギャアアアアアアアアアッ!!!やめてええええええええ!!」
しんしんと、外の景色を真白に染め上げる雪が降っている。
とある一軒家の一室に、二人の人影。
ベットの上でそう叫びながら暴れようとする千夜を、佐助は両腕を掴んで押さえつけていた。
「うっ…!けほっ…けほっ……」
「ほら、そんなに大声出すから…。
はい。ホットミルク」
「う゛ー…」
とっさに大声で叫んだせいで喉が痛み、咳き込む。
佐助は咳き込んでいる千夜の背をさすり、傍の棚に置いてあったマグカップを差し出した。
ゆっくりとソレを受け取り、ちょうどいい温度になったミルクを一口。
甘いミルクの味が口に広がり、千夜はやっと落ち着きを取り戻した。
「ふ…はぁ…」
「…その吐息交じりのかすれた声やめてよね。俺様男なんだし」
“ついでに風邪で顔が真っ赤なんだしさ”
そう苦笑しながら言う佐助に、千夜は一瞬キョトンとした。
そして
「…えぇ…。佐助、自重しようよ…」
「ちょ!そんな目で見ないでよ!男としては、彼女がそんな状態だったら反応するもんだよ!?」
「いやだから、あんまりハッキリ言うなっての」
若干引いた目で見つめると、彼はそんなことを口走る。
たしかに男としてはそうなるのかもしれないが、こっちは風邪気味。
あまり身体に悪影響なことにはなりたくない。
それに…。
「佐助こそ、大丈夫なの?」
「ん?何が?」
「あんまり私の傍にいたら風邪移んない?」
「あーそのことか。平気平気。
ていうか、千夜の風邪だったら喜んで貰い受けるっていうか♪」
「…そっか」
棚にマグカップを置きながらそう言うと、ニコッと人懐っこい、千夜の大好きな笑顔を見せる佐助。
千夜はその笑顔に釣られて微笑んだ。
スッと、千夜が佐助の頬に手を伸ばす。
指先が触れると、彼の頬が少し冷たいのが分かる。
「…ちょっと冷たいね」
「部屋に暖房つけてるから大丈夫」
「…ね、佐助」
「何?」
「…ギュっと、してほしいな」
「…」
小さくそう伝えると、少ししてから佐助が千夜の手をそっと掴む。
そしてそのまま優しくベットに押し倒した。
背中に腕をまわし、壊れ物を扱うかのように、抱きしめる。
「…あんまり可愛いこと言ってると…ねぇ?」
「ギュッとしてって言っただけだもん。
変な事したら張り倒すから」
「…ムードも何もあったもんじゃないね。ホントに」
それでも佐助は笑う。
千夜も、彼と一緒に笑う。
「…佐助」
「んー?」
「ありがとね」
「…なーんか今日はずいぶんと素直じゃん」
可愛い、と頭を撫でた。
佐助の腕の中で、千夜は小さく頬を膨らませる。
うっさい、風邪のせいだ。そう小さく呟いて彼の胸に顔を埋めた。
しんしんと、外では雪が降り続けている。
11/11ページ