可愛いのも男前なのも罪だと思うの
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「せや!千歳の次はケンヤと試合する言うとったんや!」
金ちゃんがそう叫んで嵐のように別のコートへ向かっていったのはついさっきのこと。
その場に残ったのは金ちゃんの可愛さにホクホクながら手を降る私と、
「千夜はそんな表情もするとね」
そんな私をじっと見つめる千歳さんだけだった。
見つめられていたことにハッとして、晒してしまっていた素の表情を隠し、できる限り上品に笑ってみせる。
「な、なんのことかなー?私いつもどおりだと思うけど?」
「ばってん、さっき金ちゃんに抱きつかれてた時の顔はもっと砕けてたというか…」
「気のせいだと思うよ!」
「………。」
う、流石に感の鋭い千歳さん相手に無理があったか…。
でもそんなホイホイとミーハーな反応を見せる訳にもいかないし…。
許して千歳さん。私の貴方達に尽くす幸せな日常をキープする為に、どうかさっきの痴態は忘れてください。
不思議そうな、何かを探るような顔でこちらを見つめ続ける千歳さんの視線に耐えられなくなり顔をそらす。
ふと、右頬に大きなぬくもりを感じた。
「!?」
思わずハッと振り向くと、千歳さんの大きな手が私の右頬を包んでいることに気付く。
なんでほっぺた触ってるの?ていうか距離近くないですか!?あと手あったかいですね!!
状況把握が追いつかず、ぐるぐると謎の思考が巡ってぐちゃぐちゃになる。
さぞや今の私は情けない顔をしているのだろう。
こちらに手を伸ばしている千歳さんの目は真っ直ぐに私を捉えていた。
「ち、千歳さん…!?」
「…千夜…」
ツ、と添えている親指で頬の真ん中あたりをなぞられる。
その触れ方が、声音が優しすぎて私はもうキャパオーバーだった。
「駄目です千歳さんっ!そんな男前な顔見てたら私っ…!「ここ、赤くなっとるよ?」
…はい?」
素っ頓狂な声を漏らす私をよそに、千歳さんは何度も頬の同じところをなぞる。
「さっきの球、ちょっと掠っとったみたいやけん、赤くなってきとる。」
「……あ、あぁ!そうだったんですね!気付かなかったです!あははは!」
一瞬で冷静に慣れた私はパッと1歩下がり、一旦距離を取る。
言われると、なるほど。確かに頬がヒリヒリしてるかもしれない。
なんにせよ、冷静になれてよかった。
私は今、溢れる思いの丈を全て口に出してしまうところだった。
今の彼が、いかに男前でかっこよくて更に言うと色っぽかったことを、本人に事細かに伝えてしまう寸前だった。
「ほんとに申し訳なかったと~。絆創膏貼るまでじゃなさそうな感じやけん、薬は塗っといたほうがよかね。」
「あ、私キズ薬持ち歩いてるので大丈夫ですよ!」
「ほんなこつ?」
「はいっ!ちゃんと塗っておきますね!!
あ!私そろそろドリンク作りに行ってきます!」
周りから見れば挙動不審なのは一目瞭然だけど、これ以上ここにいちゃいけない。私の我慢の限界だ。
目をぱちくりさせる千歳さんに一礼してボールがいっぱいになった籠を持ち上げると"失礼します!!"と叫ぶ。
いつもはこんなにボールが入った籠をもつのは一苦労だが、アドレナリンが出てるのか全く気にならない。
とにかく私は一刻も早く、この溢れる思いをコケシにぶつけなければ。
その思いで、私は部室に走った。
「さっきの素の顔の方が、いいち思うんけどなぁ…」
苦笑を浮かべた千歳さんの呟きは私の耳に届くことはなかった。
金ちゃんがそう叫んで嵐のように別のコートへ向かっていったのはついさっきのこと。
その場に残ったのは金ちゃんの可愛さにホクホクながら手を降る私と、
「千夜はそんな表情もするとね」
そんな私をじっと見つめる千歳さんだけだった。
見つめられていたことにハッとして、晒してしまっていた素の表情を隠し、できる限り上品に笑ってみせる。
「な、なんのことかなー?私いつもどおりだと思うけど?」
「ばってん、さっき金ちゃんに抱きつかれてた時の顔はもっと砕けてたというか…」
「気のせいだと思うよ!」
「………。」
う、流石に感の鋭い千歳さん相手に無理があったか…。
でもそんなホイホイとミーハーな反応を見せる訳にもいかないし…。
許して千歳さん。私の貴方達に尽くす幸せな日常をキープする為に、どうかさっきの痴態は忘れてください。
不思議そうな、何かを探るような顔でこちらを見つめ続ける千歳さんの視線に耐えられなくなり顔をそらす。
ふと、右頬に大きなぬくもりを感じた。
「!?」
思わずハッと振り向くと、千歳さんの大きな手が私の右頬を包んでいることに気付く。
なんでほっぺた触ってるの?ていうか距離近くないですか!?あと手あったかいですね!!
状況把握が追いつかず、ぐるぐると謎の思考が巡ってぐちゃぐちゃになる。
さぞや今の私は情けない顔をしているのだろう。
こちらに手を伸ばしている千歳さんの目は真っ直ぐに私を捉えていた。
「ち、千歳さん…!?」
「…千夜…」
ツ、と添えている親指で頬の真ん中あたりをなぞられる。
その触れ方が、声音が優しすぎて私はもうキャパオーバーだった。
「駄目です千歳さんっ!そんな男前な顔見てたら私っ…!「ここ、赤くなっとるよ?」
…はい?」
素っ頓狂な声を漏らす私をよそに、千歳さんは何度も頬の同じところをなぞる。
「さっきの球、ちょっと掠っとったみたいやけん、赤くなってきとる。」
「……あ、あぁ!そうだったんですね!気付かなかったです!あははは!」
一瞬で冷静に慣れた私はパッと1歩下がり、一旦距離を取る。
言われると、なるほど。確かに頬がヒリヒリしてるかもしれない。
なんにせよ、冷静になれてよかった。
私は今、溢れる思いの丈を全て口に出してしまうところだった。
今の彼が、いかに男前でかっこよくて更に言うと色っぽかったことを、本人に事細かに伝えてしまう寸前だった。
「ほんとに申し訳なかったと~。絆創膏貼るまでじゃなさそうな感じやけん、薬は塗っといたほうがよかね。」
「あ、私キズ薬持ち歩いてるので大丈夫ですよ!」
「ほんなこつ?」
「はいっ!ちゃんと塗っておきますね!!
あ!私そろそろドリンク作りに行ってきます!」
周りから見れば挙動不審なのは一目瞭然だけど、これ以上ここにいちゃいけない。私の我慢の限界だ。
目をぱちくりさせる千歳さんに一礼してボールがいっぱいになった籠を持ち上げると"失礼します!!"と叫ぶ。
いつもはこんなにボールが入った籠をもつのは一苦労だが、アドレナリンが出てるのか全く気にならない。
とにかく私は一刻も早く、この溢れる思いをコケシにぶつけなければ。
その思いで、私は部室に走った。
「さっきの素の顔の方が、いいち思うんけどなぁ…」
苦笑を浮かべた千歳さんの呟きは私の耳に届くことはなかった。