可愛いのも男前なのも罪だと思うの
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「千夜、危なか!」
「はい?」
部員の皆が打った球を籠に入れる仕事を黙々とこなしていた私に、突き刺さるように飛んできたのは千歳さんの声。
緊張感のない間の抜けた声とともに振り返ると、黄色い何かが私の頬を掠めていった。
ダァンッ!!と後ろのコンクリートの壁から響く打ち付けられたような音に、油の切れたからくり人形のようなぎこちなさで後ろを見やる。
そこにはコロコロと転がるテニスボールと、ヒビの入ったコンクリートの壁。
「…あれ、これ今私死にかけた?」
引きつる頬をどう隠せようか。
もはや笑いが出てきそうな謎の緊張感と安心感にただただボールを見つめていると、
「ねーちゃーん!!!」
「うぐふぅっ!!」
後ろからこれまたすごい勢いでタックル…いや、抱きつかれて私は自分でも聞いたことのないようなおかしな声を漏らしてしまった。
"気色悪い声だったなぁ"と思うも、原因となった当の本人はその小さな体のどこから出ているのかわからないものすごい力でギリギリと私の体を締め上げる。
「すまんなぁねーちゃん!!怪我しとらん!?」
「し、してない…!してないから離して…!!うっ…!!」
「やっぱりどっか痛いん!?」
「いや怪我とかじゃなくて、怪我しそうっていうか…!」
「いややー!ねーちゃん死なんといて!!!」
ちょっと待って埒があかない。このままだとほんとに折れそう。
この赤毛の少年ーー遠山金太郎もパニックになっているのか全く話を聞こうとせず、ただただ後ろから私をガッチリ掴んでいる腕に力を込めていく。
そんな彼の腕を運動も筋トレもしていない私が振りほどくなんて無理な話で。
痛さに朦朧としてきた意識で『まぁこんなに可愛い男の子に絞め殺されるのは本望かな』なんてアホなことを考え出した、その時。
「ーーー金ちゃん。千夜が逝きそうたい。」
そんな声と共にふっと体が開放された。
「はい?」
部員の皆が打った球を籠に入れる仕事を黙々とこなしていた私に、突き刺さるように飛んできたのは千歳さんの声。
緊張感のない間の抜けた声とともに振り返ると、黄色い何かが私の頬を掠めていった。
ダァンッ!!と後ろのコンクリートの壁から響く打ち付けられたような音に、油の切れたからくり人形のようなぎこちなさで後ろを見やる。
そこにはコロコロと転がるテニスボールと、ヒビの入ったコンクリートの壁。
「…あれ、これ今私死にかけた?」
引きつる頬をどう隠せようか。
もはや笑いが出てきそうな謎の緊張感と安心感にただただボールを見つめていると、
「ねーちゃーん!!!」
「うぐふぅっ!!」
後ろからこれまたすごい勢いでタックル…いや、抱きつかれて私は自分でも聞いたことのないようなおかしな声を漏らしてしまった。
"気色悪い声だったなぁ"と思うも、原因となった当の本人はその小さな体のどこから出ているのかわからないものすごい力でギリギリと私の体を締め上げる。
「すまんなぁねーちゃん!!怪我しとらん!?」
「し、してない…!してないから離して…!!うっ…!!」
「やっぱりどっか痛いん!?」
「いや怪我とかじゃなくて、怪我しそうっていうか…!」
「いややー!ねーちゃん死なんといて!!!」
ちょっと待って埒があかない。このままだとほんとに折れそう。
この赤毛の少年ーー遠山金太郎もパニックになっているのか全く話を聞こうとせず、ただただ後ろから私をガッチリ掴んでいる腕に力を込めていく。
そんな彼の腕を運動も筋トレもしていない私が振りほどくなんて無理な話で。
痛さに朦朧としてきた意識で『まぁこんなに可愛い男の子に絞め殺されるのは本望かな』なんてアホなことを考え出した、その時。
「ーーー金ちゃん。千夜が逝きそうたい。」
そんな声と共にふっと体が開放された。