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「お疲れ様でーす!ドリンクここに置いときますね!」
カラリと晴れた青空の下。私はドリンクボトルがたくさん入った箱をコートのそばのベンチに置く。
なかなかに重かったそれは、ドカリと大きな音を立てた。
私の声に反応し振り返る黄色と緑のユニフォームを身につけた男の子達は、口々に簡単なお礼を言ってくれた。
…あー、爽やかだなぁ!
「おっ!ドリンクできたんか!」
「めっちゃええタイミングやなぁ。今ちょうどラリー終わったところやで?」
汗を流す部員達を目を細めて見つめていると、後方から掛かる声。
聞きなれたその声に私はくるりと振り返って名前を呼んだ。
「謙也さん!白石さん!お疲れ様です!」
歩いてきたのはこの四天王寺テニス部部長、白石蔵ノ介さん。
そして彼の親友でもありレギュラーの忍足謙也さんだった。
すぐに私は箱の中から、それぞれ彼らの名前のタグが付いたドリンクボトルを見つけて手渡す。
二人は汗を拭いていたタオルを肩にかけ、"おおきに"と笑顔で受け取ってくれた。
そしてそのままボトルのストローに口をつける。
ふと、白石さんがぱちくりと目を瞬かせた。
「ん?なんや、味変わっとらん?」
「ほんまや、いつもより濃いなぁ」
白石さんの言葉に続け、謙也さんも不思議そうにボトルを見つめる。
それから流れるように二人ともこちらを見たので、私はニッと笑った。
「お二人とも、結構長い間打ち合ってましたからね。この暑さですし汗もいっぱいかいてて塩分が不足してると思います。と、言うことで今回は少し濃いめに作ってみました!」
「ほー、なるほどなぁ。確かに夢中になって打っとったから汗ダラダラやわ。」
「あ、そのタオルは回収しますね。だいぶ汗染み込んでますし。新しいタオルも持ってきたのでこちらを使ってください。」
感心する謙也さんの肩からスルリとタオルを引き抜き、新しいタオルをかける。
ラケットとボトルで両手が塞がっているので、白石さんも同じようにタオルを交換した。
「…ほんま、桜井さんがマネで良かったわぁ」
回収したタオルを籠に入れていると、白石さんがそう呟く。突然褒められたことで私は間抜けな顔で彼らを見てしまった。
「い、いきなりですね…」
「いやいや、いつも思っとるで?マネの仕事ちゃんとやってくれるし、俺らの様子見てこうやって色々してくれとるし。テニス経験無いのに色々勉強しながらスコアとったりもしてくれて、ホンマに助かっとるで。」
「せやなぁ!今までマネしてくれた子は、何というか…"ファン"とか"ミーハー"っぽい感じやったしなぁ。」
「マネやってくれるって名乗ってくれたのはありがたかったんやけどなぁ…」
「あ、あはは…」
少しだけ困ったように苦笑を浮かべる白石さんを目の前に、私も乾いた笑いを漏らす。謙也さんも、今までのマネの女の子達を思い出しているのか遠くを見つめながらボトルをもう一口飲んでいた。
その二人の表情から、いろんな意味での苦労があったことが伺えた。
「…えーと、ありがとうございます。私、皆さんの力になれるようにマネとして頑張りますね!」
空になった二人のボトルを受け取りながらそう意気込むと、爽やかな笑顔で応えてくれる。
すると、謙也さんが"よっしゃあ!"とラケットを持ち直した。
「水分補給も終わったし、もう一試合行くで白石ぃ!今度こそ浪速のスピードスターの真骨頂見せたるわ!」
「ええで。次も負けへんで?」
「おう!ほな、またな桜井!」
「適度に休憩取りながら練習してくださいねー」
言い終わるやいなやコートに向かって
走り去る謙也さんの背にそう声を掛ける。
"ほんまにせっかちやなぁ"と小さく言葉をもらした白石さんは、謙也さんを見ていた目を一度こちらへ向けた。
「桜井さんも、無理だけはせんといてな?」
「はい!練習頑張ってくださいね!」
「おおきに。行ってくるわ。」
去り際にポンと頭に手を置かれ、そのまま振り返ることなく白石さんは歩いていった。
顔立ちも整ってる彼がする行動は一つ一つが本当に絵になっている。
撫でられた頭を確認するように片手で自分の頭を触る。
「……ふぉぉ…」
胸に込み上げる熱い想いをぐっとこらえ、私は他の部員にもドリンクを配りはじめるのだった。
カラリと晴れた青空の下。私はドリンクボトルがたくさん入った箱をコートのそばのベンチに置く。
なかなかに重かったそれは、ドカリと大きな音を立てた。
私の声に反応し振り返る黄色と緑のユニフォームを身につけた男の子達は、口々に簡単なお礼を言ってくれた。
…あー、爽やかだなぁ!
「おっ!ドリンクできたんか!」
「めっちゃええタイミングやなぁ。今ちょうどラリー終わったところやで?」
汗を流す部員達を目を細めて見つめていると、後方から掛かる声。
聞きなれたその声に私はくるりと振り返って名前を呼んだ。
「謙也さん!白石さん!お疲れ様です!」
歩いてきたのはこの四天王寺テニス部部長、白石蔵ノ介さん。
そして彼の親友でもありレギュラーの忍足謙也さんだった。
すぐに私は箱の中から、それぞれ彼らの名前のタグが付いたドリンクボトルを見つけて手渡す。
二人は汗を拭いていたタオルを肩にかけ、"おおきに"と笑顔で受け取ってくれた。
そしてそのままボトルのストローに口をつける。
ふと、白石さんがぱちくりと目を瞬かせた。
「ん?なんや、味変わっとらん?」
「ほんまや、いつもより濃いなぁ」
白石さんの言葉に続け、謙也さんも不思議そうにボトルを見つめる。
それから流れるように二人ともこちらを見たので、私はニッと笑った。
「お二人とも、結構長い間打ち合ってましたからね。この暑さですし汗もいっぱいかいてて塩分が不足してると思います。と、言うことで今回は少し濃いめに作ってみました!」
「ほー、なるほどなぁ。確かに夢中になって打っとったから汗ダラダラやわ。」
「あ、そのタオルは回収しますね。だいぶ汗染み込んでますし。新しいタオルも持ってきたのでこちらを使ってください。」
感心する謙也さんの肩からスルリとタオルを引き抜き、新しいタオルをかける。
ラケットとボトルで両手が塞がっているので、白石さんも同じようにタオルを交換した。
「…ほんま、桜井さんがマネで良かったわぁ」
回収したタオルを籠に入れていると、白石さんがそう呟く。突然褒められたことで私は間抜けな顔で彼らを見てしまった。
「い、いきなりですね…」
「いやいや、いつも思っとるで?マネの仕事ちゃんとやってくれるし、俺らの様子見てこうやって色々してくれとるし。テニス経験無いのに色々勉強しながらスコアとったりもしてくれて、ホンマに助かっとるで。」
「せやなぁ!今までマネしてくれた子は、何というか…"ファン"とか"ミーハー"っぽい感じやったしなぁ。」
「マネやってくれるって名乗ってくれたのはありがたかったんやけどなぁ…」
「あ、あはは…」
少しだけ困ったように苦笑を浮かべる白石さんを目の前に、私も乾いた笑いを漏らす。謙也さんも、今までのマネの女の子達を思い出しているのか遠くを見つめながらボトルをもう一口飲んでいた。
その二人の表情から、いろんな意味での苦労があったことが伺えた。
「…えーと、ありがとうございます。私、皆さんの力になれるようにマネとして頑張りますね!」
空になった二人のボトルを受け取りながらそう意気込むと、爽やかな笑顔で応えてくれる。
すると、謙也さんが"よっしゃあ!"とラケットを持ち直した。
「水分補給も終わったし、もう一試合行くで白石ぃ!今度こそ浪速のスピードスターの真骨頂見せたるわ!」
「ええで。次も負けへんで?」
「おう!ほな、またな桜井!」
「適度に休憩取りながら練習してくださいねー」
言い終わるやいなやコートに向かって
走り去る謙也さんの背にそう声を掛ける。
"ほんまにせっかちやなぁ"と小さく言葉をもらした白石さんは、謙也さんを見ていた目を一度こちらへ向けた。
「桜井さんも、無理だけはせんといてな?」
「はい!練習頑張ってくださいね!」
「おおきに。行ってくるわ。」
去り際にポンと頭に手を置かれ、そのまま振り返ることなく白石さんは歩いていった。
顔立ちも整ってる彼がする行動は一つ一つが本当に絵になっている。
撫でられた頭を確認するように片手で自分の頭を触る。
「……ふぉぉ…」
胸に込み上げる熱い想いをぐっとこらえ、私は他の部員にもドリンクを配りはじめるのだった。
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