古いもの収納庫
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外出用普段着姿のエックスが力無く俯いていた。
私服のわたしといつものアーマー姿のゼロという微妙な取り合わせで歩く。車も少なく人が疎らな通りを三人で進む。都市部であっても真夜中の時間帯はさすがに静まり返っている。
「……」
眉間にしわを寄せた実に深刻そうな横顔があった。彼のこんな表情を見る機会と言えば大抵はシグマが現れたときくらいだろうか。
伏せられた深緑色のアイカメラがゆっくりと瞬きを繰り返して、重いため息を溢す。その理由は絶望か悲しみか…、たぶんどちらもなのだとわたしは思う。その沈んだ空気につられるように黙っていると、エックスはゆらりと顔をあげた。
目線をさ迷わせて、わたしを見詰めて口を開く。
「とても信じられない。こんなことあり得ない……っ」
「……そう、だね」
何て言ってあげたらいいのかわからない。何を返しても今のエックスを傷つけてしまうのは解りきっていた。これはどうしようもない事実なのだ。変えることはできないだろうし、そもそも変えるための方法がわからない。そんな手詰まり状態だ。
前を歩いていたゼロが無表情でちらりとだけ青いアイカメラを向けてきた。視線の先はエックスで、何かを言おうとしたのか口を開きかけて、
「―――ぶフっ」
盛大に吹き出した。
肩のアーマーと長い金髪が小刻みに震えていて、笑いを無理矢理堪えているのがよく解る。わたしが苦笑いを浮かべると、ついにエックスが声をあげた。
「なっ…二人とも何で笑うんだよっ!!おれは真剣に悩んでるのにっ!!」
これは完全にムキになっている。エックスの声が建物の間に響いて、なんだか余計にシュールだ。
ゼロが笑いを堪えながらどうにか話し出す。
……なんともはや、ゼロにしてはとても珍しい爆笑っぷり。
「っく、まさか…くく、お、お前がッ…子供に間違われてっ夜間徘徊で、捕まるなんてな…ぶはっ」
「ぜ、ゼロッ!!」
「ほ、ほら気にしすぎだよエックス。こ、これからは真夜中に出掛けるなんてしなければ…ね?」
なだめようとしても納得してくれなかったのか、拗ねた顔で目線を逸らされた。
「くっ…し、仕方が無いことだけど……!でも正直に名乗ったのに信じてもらえなかったなんて……!」
そう、話を聞く限りではこういうこと。
残った仕事も片付いた午前一時頃、エックスは気分転換も兼ねて飲み物を買いに街に出たらしい。そこまでは良かったのに、なぜだか街を巡回していたシティポリスに人間しかも未成年に間違えられ補導されてしまったとか。誤解を解けば当然何事もなく終わるだろうと思いきや、嘘偽り無く名乗ったにも関わらずポリスの人は信じなかったそうなのだ。
なんというか、アーマー解除の人装姿で出たのが原因だと思うんだけど…エックス本人は余程想定外だったみたい。どうやら笑いながら「君のような子供があのロックマンX?」とか言われてしまった挙げ句、ハンターの身分証を見せても信用しなかったとか何とか。わたしたちが迎えに行かなければ…というか、アーマー装備のゼロが居なければまだしつこく捕まっていたんじゃないかと思う。合掌。
「ねえ……おれってそんなに子供に見えるのかな……?」
「……え、ええっと…」
死んだ魚のような目で見られては何も言えない。否定しきれないのにわたしに何を言えというのだろう。上手くフォローの言葉を見つけられないまま、無言で引き吊った笑いを浮かべるだけにとどめて小さく小さくため息をついた。
(きっとこれは根に持ちそうだなぁ…)
私服のわたしといつものアーマー姿のゼロという微妙な取り合わせで歩く。車も少なく人が疎らな通りを三人で進む。都市部であっても真夜中の時間帯はさすがに静まり返っている。
「……」
眉間にしわを寄せた実に深刻そうな横顔があった。彼のこんな表情を見る機会と言えば大抵はシグマが現れたときくらいだろうか。
伏せられた深緑色のアイカメラがゆっくりと瞬きを繰り返して、重いため息を溢す。その理由は絶望か悲しみか…、たぶんどちらもなのだとわたしは思う。その沈んだ空気につられるように黙っていると、エックスはゆらりと顔をあげた。
目線をさ迷わせて、わたしを見詰めて口を開く。
「とても信じられない。こんなことあり得ない……っ」
「……そう、だね」
何て言ってあげたらいいのかわからない。何を返しても今のエックスを傷つけてしまうのは解りきっていた。これはどうしようもない事実なのだ。変えることはできないだろうし、そもそも変えるための方法がわからない。そんな手詰まり状態だ。
前を歩いていたゼロが無表情でちらりとだけ青いアイカメラを向けてきた。視線の先はエックスで、何かを言おうとしたのか口を開きかけて、
「―――ぶフっ」
盛大に吹き出した。
肩のアーマーと長い金髪が小刻みに震えていて、笑いを無理矢理堪えているのがよく解る。わたしが苦笑いを浮かべると、ついにエックスが声をあげた。
「なっ…二人とも何で笑うんだよっ!!おれは真剣に悩んでるのにっ!!」
これは完全にムキになっている。エックスの声が建物の間に響いて、なんだか余計にシュールだ。
ゼロが笑いを堪えながらどうにか話し出す。
……なんともはや、ゼロにしてはとても珍しい爆笑っぷり。
「っく、まさか…くく、お、お前がッ…子供に間違われてっ夜間徘徊で、捕まるなんてな…ぶはっ」
「ぜ、ゼロッ!!」
「ほ、ほら気にしすぎだよエックス。こ、これからは真夜中に出掛けるなんてしなければ…ね?」
なだめようとしても納得してくれなかったのか、拗ねた顔で目線を逸らされた。
「くっ…し、仕方が無いことだけど……!でも正直に名乗ったのに信じてもらえなかったなんて……!」
そう、話を聞く限りではこういうこと。
残った仕事も片付いた午前一時頃、エックスは気分転換も兼ねて飲み物を買いに街に出たらしい。そこまでは良かったのに、なぜだか街を巡回していたシティポリスに人間しかも未成年に間違えられ補導されてしまったとか。誤解を解けば当然何事もなく終わるだろうと思いきや、嘘偽り無く名乗ったにも関わらずポリスの人は信じなかったそうなのだ。
なんというか、アーマー解除の人装姿で出たのが原因だと思うんだけど…エックス本人は余程想定外だったみたい。どうやら笑いながら「君のような子供があのロックマンX?」とか言われてしまった挙げ句、ハンターの身分証を見せても信用しなかったとか何とか。わたしたちが迎えに行かなければ…というか、アーマー装備のゼロが居なければまだしつこく捕まっていたんじゃないかと思う。合掌。
「ねえ……おれってそんなに子供に見えるのかな……?」
「……え、ええっと…」
死んだ魚のような目で見られては何も言えない。否定しきれないのにわたしに何を言えというのだろう。上手くフォローの言葉を見つけられないまま、無言で引き吊った笑いを浮かべるだけにとどめて小さく小さくため息をついた。
(きっとこれは根に持ちそうだなぁ…)