ソニック・ザ・ヘッジホッグ(夢)
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眠りについたあと、不思議な世界の夢を見る。いつも唐突に始まって、わたしはいつでも慣れない。何度この夢の世界に来ていても、この世界が夢を見ているわたしの頭の中だけで完結しているようには思えないんだ。よく夢で遭遇する紫色の彼だってそう。わたしの脳味噌が作り出してるにしては、笑ったり拗ねたり怒ったり、凄く現実的なのだ。
だって今だって、イルミネーションが光るきれいな夜の街の上空を、
「……うっそだー…」
凄まじい速度で落下していた。
夜空の星がブレて見える。風が上に向かって流れて、服やら髪やらがばたばたと騒がしい。よく見たら昼間着ていた服装じゃないか。だけど今はそんなことはどうでも良い。
「ちょちょちょ、待って。あの、本当に!こんな夢の始まりは本当に勘弁!」
心臓に悪いとかそんなレベルの問題じゃないし!!と、ついでに怒鳴る。なんでこんな目に遭わなきゃならないんだ。まるで誰かがわたしを引っ張っていって、空の真ん中で落としたみたいだ。……考えて気が付く。待てよ、わたしはそんなことができてしまう人物を知っている。と、いうか、そんなことをイタズラ気分でやりかねない人物でもある。この世界で良く出会う、彼─────
「…居るんでしょ…!……ナイツ!!」
苦し紛れに思い出した名前を呼んでみると、がくんと体に衝撃が走った。軽く背中をぶつけたみたいにじんわり痛む。あれ、……落下止まった?
『よぉ、ずいぶんと威勢良いじゃないかっ』
目を開けるとぶつかる紫色。楽しそうにきらきらしたアーモンド型の眼がわたしをのぞき込んで、口元が若干意地悪そうにつり上がっている。
……呼ばれて飛び出てなんとやら。
わたしの背中側と両足に彼の細い腕が回されていて、抱えられていた。……いわゆるおひめさまだっこ的なアレだけども……まぁ…米俵みたいに担がれるよりはマシか。
「本当に来たー!?ナイツー!?」
『オヒメサマのご指名には参上しないわけにはいかないだろ?』
「…………………もしかして君、出てくるタイミング謀ってた?」
ジト目で睨むと、妙に大人びた仕草で苦笑した。……いつもは子供っぽいくせに。照れるじゃないかこのやろー。
『さすがにそこまでは考えてなかったぜー?今だってお前が呼んだから気が付いたんだし、ついさっきまで違う奴に会ってたんでね』
「ちがうやつ?」
ナイツが頷いて、わたしを抱えたままふわりと宙を進む。
『俺はてっきり、ココはあいつのナイトピアだと思ってたんだけどなぁ。リリスが居るなんて驚いたぜ』
良く解らん。控えめに首を傾げると、あることに気が付いた。街のイルミネーションがどんどん通り過ぎていく。高いビルの脇を過ぎて、光の粒を振りまいて……でもあの、
「……って言うか、なに、飛行速度増してませんか」
なんかだんだん空の星が線みたいに見えてきて、心底ビビる。対するナイツはいまだ楽しげな表情のままだ。
『へーきだ!こんくらいじゃないとあいつに追いつけないんだよ!落としたりしないから安心しな!』
「速度違反ですお巡りさん!いつものあれ……なんだっけ、デュ…デュエル?をしろよ!」
『いい加減覚えろー!デュアライズだっての!決闘すんな!あとオレはこうする方が好きだ!』
「解った解った解ったから速い怖いぃいいい」
『っと!居た居た!ほら下見てみろよ』
喚いた矢先に少し減速。わたしが意を決して下の街並みに目を向けた。連なる四角い屋根の上を風のように突き進む青い影があった。
『おーい!ソニックー!』
ナイツが青い影めがけて急降下した。影は少し速度を落とす……近くで見てみると、それは見たこともない綺麗な青い色をしたハリネズミだった。わたしたちが来たことに気が付いて、足を動かしたまんま振り返る。輝くエメラルド色の眼がわたしたちを捕らえた。……なんだか眼の感じがナイツに似てる。
「お迎えは無事に終わったみたいだな!Nights!」
『ああ。ご覧のとーりさ。あ、こいつはリリスって言うんだ。で、リリス、あいつがソニックだ』
「Nice to meet you!ソニック・ザ・ヘッジホッグ、ソニックで良いぜ!」
「こちらこそ、リリスで良いよ。すごいな!速いんだね」
わたしが心底感心して言うと、機嫌良く彼は笑った。少しスピードを落としてわたしたちと並んで走る。
「そうか?普通だろ?」
「普通って……、わたしの周りには君みたいなハリネズミは居ないもの」
『ソニックのフツーは規格外なんだって!』
「Oh-oh!お前にだけは言われたくないねえ…夢の住人なんて、それこそ常識外れも良いとこじゃないか!」
ケラケラと笑い合う声。……なるほど。この二人はなかなか、気が合うようだ。
「ソニックは夢の世界の人じゃないの?」
「ああ、俺は違うぜ。でもココが夢の中だって自覚はあるけどな!」
「夢で走るって、走るのが好きなんだね」
『スピード狂だよなー』
しれっとした表情でのたまう彼に、心外だと言わんばかりにソニックが口を開く。
「Hey!そーいうナイツこそ、飛び回ってばかりだろ?ヒトのこと言えないよな?」
「確かにねえ、ナイツは……ええと、スピード狂ならぬフライ狂……?でも飛んでも結構スピードだすよね」
『どっちもカナー』
「……なんか企んでるなあ?」
彼が悪戯を思いついた子供みたいな表情を作って首を傾げた。わたしが軽く小突いて笑う。ソニックが訝しげにナイツに目を向けると彼は悪役みたいにニヤリと笑った。
『よっし!それならソニック!このまま向こうの時計塔まで競争しようぜ!お前は走る、オレは飛ぶ』
「え……なにそれ……」
地を走るのと飛ぶのってだいぶ違う気が……と反論する間もなく、青い彼が楽しげにうなずいた。
「良いねェ!乗った!」
「乗っちゃうんだ!?……じゃあわたしはどっかその辺りで見物し『却下!』
のう。ヒトの発言を遮りやがったな!にこにことしたナイツを睨むように見上げると、パッチリと茶目っ気たっぷりなウイングがひとつ。
『オレとお前はチームで!行くぜー!』
「Ready go!!」
「ええぇぇ反論する暇もくれないのかあああ」
夜空とイルミネーションが線になる。緩やかな夜風が突風になるのを感じながら、半ば諦めて思考を放り出した。
でもやっぱり、こんなエキサイティングな夢も悪くないかもと思ってしまうわたしなんだけど。
まさかのソニックチーム繋がりで、NiGHTS into dreams.のナイツ夢。過去にソニックともコラボしていたし、登場させてみた。ナイツ、すごい好きです…