magicians operation
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すう、と感じる重力と、体の隅々まで染み渡る感覚機関。外の世界の情報が津波のように押し寄せる。久方ぶりだった。ざわざわと心が歓喜の波をたてる。戻ってきたのだ……焦がれてやまなかった現実の世界に。
氾濫する情報の渦。かつて体を持って生きていたときは何事もなく見逃していたそれらも、今の自分には処理しきれないほどの量に感じられる。視覚、聴覚、触覚、味覚、痛覚。全てがはっきりとし始める。人格プログラムは順調にシステムとボディに馴染みつつあった。起動準備完了まで、あとわずか。逸る気持ちを抑えてその時を待つ。
誰もいない、静かな空調の音だけが響く暗闇の中、何の唐突も前触れもなく、光が浮かび上がった。逆三角形のそれは半透明で鮮やかな赤色をしていて、まるで呼吸を繰り返すように淡く明滅する。
そしてその赤い光の下、これもまた突然に……或いはなにかが目覚めるかように、ふたつの緑色の光が灯った。
すると、その空間全体が息を吹き返すように明るく照らされる。
大小様々な機械計器類が並びていた。それらから無数のコードが伸び絡み、全てが中央のカプセルに繋がれている。そのカプセルの蓋が重々しく開いて、それは身を起こした。
細い肢体、青いアーマー。赤色のクリスタル。あどけなさの残る白い顔。深緑色に光るアイカメラが、目覚めを確かめるかのようにゆっくりと瞬きをする。人形のように白く強張っていた顔に、徐々に人間のような表情が浮かび始めた。
「大丈夫…。動かせる」
長い間使われていなかったような掠れ声といっしょに、その少年は白い右手に視線を落とした。